最強魔術師が転生したら魔力0の女の子になりました

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11話 ミミの回復魔法

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「ミミは回復魔法を恐らく使うことが出来る素質を持っているのじゃよ。」

「回復魔法って擦り傷とかを治すレベルの魔法だろ?」

「いや、それがそうでも無いんじゃよ。初級回復魔法 小回復ヒールはその程度じゃが、上級回復魔法 高回復ハイヒールは魔力脈すら治せるのじゃよ。」


 この世界では、いや、この国では魔法技術の発展が遅く、中級がトップレベルで上級以上の魔法は伝説級とされているのだとアリアは感じていた。



「それで、アリアちゃん、どうすればその高回復ハイヒールを使えるようにやるの?」

「そうじゃな、回復魔法に関しては分からないのじゃよ。だから、ミミの感覚が頼りじゃ。じゃから、まずは小回復ヒールから練習していこう。」


 ゼロが唯一と言っていいほどに苦手としていた魔法は「回復魔法」だったのである。魔法にも相性というものがあるらしく、ある魔法を使うと、ある魔法が使いにくくなるなど、特性が存在しているのだという。



「魔法陣も少し特殊でこのような感じじゃ。」

 アリアは回復魔法の魔法陣を黒板へと書いた。

「あ、私これできるかも。」

 ミミはそれを見た瞬間に感覚的に出来ることを確信したような感じだった。


「ほぉ、やはり適性持ちは違うのぉ。」

「適性持ち??」

「あぁ、わしがそう呼んどるだけじゃよ。魔力の流れ方で凡そ、その者がどんな魔法を使えるかわかんじゃよ。」

「え、アリアちゃんは魔力がないのに魔力の流れが見えるの?」


 基本的には魔力を感知するためには自らが魔力を放出している必要がある。そのため、魔力を持たざる者は魔力を感知することは不可能である。


 しかし、アリアは3200年の経験から魔力を使わずして魔力感じることが出来る経験からなる特殊な力があった。



「まあ、感覚じゃな。歩き方とか立ち振る舞いにも意外に出るもんじゃしな。それより、ミミ出来たか?」

「うん、出来た!!!」


 ミミは瞬く間に小回復ヒールを出来るようになった。


「では、高回復ハイヒールを行うぞ。」

「え、まだ小回復ヒールが出来たとこだよ!?出来ないよ、魔力量も足りないし。」

「回復魔法というのは魔法陣と魔力と才能があればできるものじゃ。今主にないのは魔力のみ。魔力はここにいるみなから借りる。いいな、皆の者?」


 アリアはクラスのみんなに問いかけた。


「もちろんだぜ!ミストを俺らで救おうぜ!」

「そうだな、Aクラスをギャフンと言わせるためにもな!」


「では、始めよう。わしの身体に皆の手を載せよ。」


 ミミの左手はミストへ、右手はアリアへ、そして、アリアの身体にみんなの手が置かれた。



「共有魔術"魔力共有マジックパワーシェアリング"」
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