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プロローグ

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 今日、僕は18才の誕生日を迎えた。
大きいケーキ。綺麗なリボンのかかったプレゼント。夕食は大好きなメニューばかりが並ぶ食卓。
家族からのオメデトウという言葉。家族からのハグ。
…そんな誕生日を僕は知らない。


 両親はαだ。兄もα。弟はβ。でもΩは親戚中を探しても僕以外にはいない。
白河家は代々αが多い家系だ。一族で会社を運営して成功してきた為、αに生まれればそれなりの社会的地位につき、恵まれた人生を歩めただろう。そしてβであったとしてもそれなりに選択肢を与えられた筈だと思う。実際そうしてこの一族は成り立ってきた。
…でも、Ωは? 僕は…?



 僕がΩと解ったのは5才の時だった。
第3の性別検査がDNAから可能になり、生まれたばかりの弟や3才年上の兄と一緒に検査を受けた。

 兄の賢一はα。両親は満足げに頷いていた。
弟の翔はβ。両親は兄弟の2番目が抜かされた事に嫌な予感がしたのか、目を見開いて僕を見下ろしていた事を覚えている。
 その予感が当たったのだろう。Ωと聞かされた途端の両親の反応を僕は忘れられない。
 
 …どちらだっただろう。繋いでいた手を離され、ほんの一瞬だけ冷たい目を向けたのが僕を次男と認識していた最後の時だった。
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