純和風お宿を異世界で

白いモフモフ

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だるまさんがこーろんだ

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 一歩、足を踏み出した途端変な重みを感じた。ん?って思ってラウルのせいかと見回しても姿すら見えない。だからまたそーっとそーっと歩いて止まりまた歩いて止まりを繰り返した。絶対領域を2回、3回重ねて家が見えなくなった頃ようやく安心して普通に歩き出した……いや、歩こうとしたんだ。

 「いやいや、キミさっきの子だろ?バレバレだよ?」

 と、まだ絶対領域内にいる僕に向こうにいるはずのラウルが笑いながら話しかけてきた。びっくりしたけどなんとか声は出さずにすんでいる。
(おかしいな?バレてる?でも僕ちゃんと消えてるよね?)しばらく考え込んでたけど見てるはずないのだ。試しに一歩右に移動してみた。ラウルは動かない。もう一歩右に移動…動かないね。じゃ2歩移動してラウルを見る。また2歩移動して見るといつの間にかラウルは傍に来ていた。

 思わず「ギャァ!!」って叫んだら「ゴメンゴメン」と謝ってくれた。

 「ゴメン、やっぱりキミさっき会ったミコト君でしょ。もうわかってるから出ておいで?」

 クスクス笑いながら手を差し伸べてくれている。

『もう誤魔化せませんよ。この人。信用できるオーラ持ってますし良いんじゃないですか?』

 ナビ君のアドバイスもあり、僕は慎重に絶対領域をといてラウルの手をとった。

 「やっぱりミコト君だった。色々と聞きたいところだけど一旦町に戻らない?今夜の宿も決めたいし。」

 ね?と言われてしまえば僕も「はい」と頷くしかない。そのままなぜか仲良く手をつないだまま町に戻った。
 どうせなので一緒の宿にと誘ってみたけど微妙な笑みを返された。『クマの寝床』は遠慮されたけどせっかくだからと向かいの『飯の旨い宿』に決まった。因みにお酒の種類も多いらしい。…なるほど、「お酒は飲みたい」と。

 「ミコトは1人そろで動いてるの?」

 なぜか手は繋いだまま、ラウルの宿の食堂でお茶をご馳走になっている。…本当になぜ?
 この『飯の旨い宿』は名前だけみると【早い.安い.旨い】が売りの宿に思えるけど実態は【早くはない.安くもない.飯は旨くて量が多い】の宿だった。
 因みにバーカウンターの向こう側にはお酒の瓶がズラリと並んでいるのだが二つとして同じ瓶が無い。テレビに映るバーカウンターの後ろは結構同じ瓶が並ぶのを見ていたのでここはお酒に力を入れてるんだとわかった。

 そんな様子でラウルの言葉が聞こえてない僕をラウルは面白そうに眺める。たまたまその視線に気づいた僕はもう一度同じ質問をしてもらい、相部屋のフェインの事を教える。

 「話すと長くなるんですけど…」と僕は転移者でつい最近来たばかりな事、一応生活の為冒険者してるけどレベルをガンガン上げて行こうとは思ってない事を告げた。
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