純和風お宿を異世界で

白いモフモフ

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え、そっちも?

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 宿に帰りフェインを待っていると、軽い足音が聞こえてきた。もう足音でフェインだと分かるくらいになっていた僕は、ドアを開けて迎えた。
 そしてラウルと出会った事、けっこう仲良くしてもらった事、今日の夜ご飯の時に紹介したい事を伝えた。

 「え、ミコトも?!」との返しに『も?!』の意味を考え…ないよね。こんな返し方をするって事はフェインの方も誰かに会って僕に紹介しようと思ったようだ。

 「僕が会ったのはねショウヘイっていう人。お爺さんが転移者で向こう風の名前らしいよ。呼びにくいからショウって呼ばれてるらしい。」

 フェインが僕に紹介しようと思っていた人とはここの食堂でと話をしていたらしく、ここで一度顔合わせしてからラウルの方へ移動することにした。
 ショウさん(ここがこういう世界だとわかっていてもまだ顔も合わせてない段階で呼び捨ては抵抗があってできない。)
はまだ宿が決まってないので決めてからここに来るそうだが、夕食時にはまだ2時間ほどあるだろうか?その間の中途半端な時間はどうしようかと思っていたが、フェインは何か荷物を漁りだした。

 「フェイン?……なんで服をベッドに並べてるの?」

 この街に来て少しずつ買っていた服を並べて、まるでデート前日のような様子に声をかけるとフェインは僕にも早く服を選べと言ってきた。

 「だってミコト、相手は高ランク冒険者だよ!注目の人だよ!そんな人達と食事するんだもん、精一杯おしゃれしなきゃ!!」

 ちょっと頬を赤くしてワクワクさを隠さないフェインを可愛く思いつつ、(あれか…推しの人と食事するイベントの感覚か)と理解して僕も服を選び始めた。
 ……服選びはちょっと苦労した。だって僕は家に帰れば服はあるので作業用にしか服を用意してなかったんだ。

 まさかまた家に帰って持って来るわけにもいかず、普段着のアーミーグリーンのチノパンと薄いベージュの半袖シャツという家でいつも着ていた格好になった。
 フェインの方はチャコールの綿パンツに白地に茶のチェック模様の半袖シャツでちょっと可愛い。
 うん。2人とも冒険者というより村の子がおしゃれしました!っていう感じだ。まぁしょうがないか。

 約束の時間ちょっと前に食堂前へ行くと、この人だろうなと思う様な大男がいた。身長はたぶん190センチはあるだろうし、鎧とかは着てないものの大剣を背中に背負っている。
 フェインを見ると手をかるく上げて合図を出してくれた。

 「ショウ!お待たせしました。」

 嬉しそうに僕の手を引っ張りながらフェインは寄って行く。ちょっと頬を染めて嬉しそうに話をするフェインを見て僕はすぐに気づいた。
 ……たぶん『名前は呼び捨てでいいよ。言葉遣いも普通にしてね。』のお約束会話があったのだろう。だって微妙に丁寧語と混ざっているもの。
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