純和風お宿を異世界で

白いモフモフ

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森の恵み

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 今日で三日目。気分的にあんパンとフルーツジュースを飲みながら観察してます。…甘いものばかりと言わないで。甘党なんだよ。

 この三日間でわかったことはこの森の名前は“水の森”らしい。子供がお父さんに聞いていた。水が豊かでこの先の泉は枯れたことがないのでそう呼ばれてるんだって。因みに街の井戸水より美味しいからここの水を汲んでいって売る水売り屋もあるそうだ。金持ちに売れるらしい。森の恵みも豊かで鳥や小動物を狩って帰る姿も目にしたし、山菜や果物は自分でもナビ君で見つけた。
 さて、食べ終えた事だし……ちょっと行ってみますか!

 鞄の中にお茶のペットボトル、コンビニのおにぎり2個、双眼鏡、メモ帳とペン、ビニール袋を入れて探検だ。
 トコトコと歩いてはマーク。また歩いてはマークを繰り返す。何してるかって?絶対領域の延長に決まってるじゃない。どれくらい長さが確保できるのか知りたいし折れ曲がっても可能なのかも知りたいから。
結果は、自転車移動したいくらいの距離は可能。折れ曲がった場合、前の絶対領域にふれるとそこはつながる。そしてナビ君は学習しているせいか絶対領域内に入った食べられるものはアテンションマークで教えてくれるようになった。

 戻ってきた僕の手には重くなったビニール袋。その中身は、黄金ベリーというベリーが入っている。僕の絶対領域内に入ったベリーは虫が除外されているので安心して摘めた。そう、果物についていそうなちっちゃい虫もいないのだ。ナビ君は糖度13と表した。めっちゃ甘い!これでジャムを作ってみるのだ。
 まずよーく水洗いしてから(気分的に)フォークで潰す。木で熟しているせいか潰しやすい。お鍋に入れて弱火でコトコト煮込み、お砂糖を適量……甘すぎるって?いいの。甘党だから。煮込んで水分飛ばして~出来上がったジャムはさっそくクラッカーと一緒にいただきまーす。


 ベリージャムで味をしめた僕はオレンジもとってきた。2種類のジャムを成功させ、調子に乗って他の食材も試して見ようとウロウロしていたら何かが絶対領域に突っ込んできた。情けない声をあげて腰を抜かした僕は突っ込んできた衝撃で勝手に息絶えた物を見た。頭に角を生やしたウサギ……どこかのゲームで見かけた姿そのもの。そこら辺の棒でつつくとピクリともしないので安心してナビ君に話しかけた。

『角ウサギですね。街に持っていけば捌いてもらえます。ちょうど良いでしょう。明日、街に行って冒険者ギルドで身分証明書を作りついでに角ウサギを売ってみましょう。』

 ……コレ、手で掴むの?

『……。』

 頑張った。一度家に戻って、お爺ちゃんの農作業用皮手袋をはめて麻袋に入れた。これからはこういうことにも慣れなきゃいけないと気づいたが、しばらくは気合い入れる必要があるだろう。
 それにしてもと思う。
 ナビ君、角ウサギは僕が見えていて攻撃してきたのかな?

『いえ。今回は絶対領域をあの角ウサギの通り道に偶然ひいてしまったために突っ込まれるかたちになりました。今後も絶対領域に阻まれる動物や魔獣がいると思いますが、自爆してくれるのであればラッキーと思ってください。大きい動物だった場合の為に街で“浮遊”の魔法を教えてもらいましょう。』

 明日の予定が決まった。街に行って身分証明書を作り、角ウサギを売って、浮遊の魔法を習う。なんだかこれぞ異世界って感じの予定にウキウキした気分になった。
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