純和風お宿を異世界で

白いモフモフ

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街に

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 ぼろい白シャツは元は父さんの通勤用シャツ。ズボンはお爺ちゃんの綿素材の黒い農作業用ズボン。靴は自分のぼろい運動靴。肩掛け鞄にはあえて何も入れずにもつ。
 これから街に行くつもりだが、自分の服装、持ち物が街中で浮かずにすむものなのかが判断がつかずこうなった。今日は目的を果たしたあとは街中を見て回り必要な物をそろえるつもりなのだ。何となくだが、自分の持ち物は綺麗すぎてしまう気がしている。こちらで使う為に百均でデニム素材の袋とかも買ったのだが今まで見てきたところ、あんな厚地で目の揃っている物をみていない。ちょっとした不安を残しながら街へ行った。もちろん途中までは絶対領域で安全に。


 街を囲む壁に近づくととても大きくて丈夫な壁だとわかった。街は川に囲まれているようで吊り橋を渡って門に入っていく人達を見る。来る途中で大きな道に出た僕はそこで絶対領域を解いてフィルター無しの異世界に出た。大きな道は人が行き来しており目指す街は大きな都市なのだと知った。
 人に紛れて門に近づくと兵隊らしき人が立っていた。ドキドキしたが何の問題もなく通り抜ける。
 門のなかでは簡単な荷物検査と身分証提示をしているらしい。

 (ナビ君、どうすれば良い?)
『大丈夫です。鞄から昨日の角ウサギを出しておいて下さい。それからギルドに登録に行くと伝えれば問題ありません。』

 ナビ君と頭のなかで会話していたのだが回りの検査してる人からは田舎者に見えたのか、こっちに来いと手招きをされた。

「交易都市マハベルは初めてか?」

 愛想よく話しかけてくれた検査員に頷くとそうかそうかと笑ってくれる。

「わかるぞ、俺の息子も今年成人なんだ。そのクチだろ?じゃあギルド登録が目的だな?ギルドはこの大通り沿いにある。字は読めるか?ならわかるな。宿はギルド紹介の方が安いからそっちで聞くと良い。じゃあ頑張れよ!」

 頷くだけで何も話さないうちに話が進み完了されてしまった。そのまままた人の流れにのって大通りに出ると石畳の道に石造りの店が並び、賑わっていた。かすかに香る肉料理の臭いに気をとられるが角ウサギの袋を見てギルドに急いだ。

 ギルドはすぐに見つけられた。門から近いせいもあるが建物の外見がごつくて多分あれだろうなと思って看板を確かめると確かに冒険者ギルドだった。
 中に入ればまんま、ゲームの世界で入って正面にクエストボードがあり、インフォメーションと受付が並んでいる。その奥に買い取りカウンターがあり、その向かいに売店がある。

「ご用の人こちらへ~」との声にカウンターに寄っていき登録に来たと言えばいくつか質問されるという。

「今まで他のギルドに登録されたことはありますか?…無しと。今まで故意に犯罪を犯したことは?…無し。ここに登録後、なるべく法を守る意思は?…有る。じゃ、ここにサインを。……はい結構です。」

 なんだろう、またもや必要最低限の頷きで話がすんでしまってる。そして手を出してと言われるまま差し出すと横の水晶玉に乗せられて淡い光が出た。

「はい結構です。このカードに魔法適正とスキル、賞罰が記録されました。クエストを受ければランクは上がって行きますが、身分証のつもりならこのままでも失効しないから大丈夫ですよ。ランクは最後に受けたクエストから1年間、次のクエストを受けないでいると降格になりますので気をつけて下さい。」

 次々と登録、説明が終わると「今日の宿は決まってますか」と聞かれ、つい首を横に振ってしまった。まぁそうなれば宿の紹介になるよね。そうだよね。
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