集団転移ですよ。

白いモフモフ

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第一回、ソロ活動

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 ギルドでタグを作り冒険者としての体裁は整った!(最低限)一応、合宿も無事終わり安全地帯で夕方6時までなら依頼の仕事も出来ると言われた。
 そうなると僕らはワサワサと動き出すのは当然だと思うんだ。

 リュックに水筒、お弁当、ちょっとのお金、応急処置セットを入れてカゴを持つ。常設依頼の薬草採取及び山菜採りに出かける準備はばっちり!

 「ナオ~、準備できた?~」

 「今行く~」

 廊下で声を掛けると同じ様な服装、装備のナオが出てきた……いや、もう双子コーデだコレ。
 そっとナオが引っ込んでキャメル色のシャツに換えて来たのに笑った。


 ……ギルドのカウンターで『街の外に出るよ、帰りは何時くらい』の手続きをして(独立してない日本人のみ)門に行くと何故かウルフが仁王立ちして待ち構えていた。その途端にナオが「忘れてた!」と言ったのでウルフにナオを渡して華麗に風魔法を使って草原に。……ナオ、後でちゃんと文句聞くからね。


 今日の目標は傷薬用のヨモギとホオバ。お茶用のドクダミと虫刺され用のオトギリソウ……本当に日本の草と同じでわかりやすくて助かる。
 あ、姫竹ありそうな…在るな。アレも採っていこう。

 香りが独特すぎる草達ばっかりで鼻がマヒして来た頃、離れた処に相沢君の姿が見えた。

 「お~い相沢君~。」

 「おー、ジュンさん……すっごい匂いですけど?」

 「そうなのよ。この匂いのせいで獣人の皆さんは絶対受けないお仕事No.1なんだって。だから僕らみたいなのは納め放題。」

 そう、この1本でも凄い匂いを出す草を20本一束で納めるお仕事は獣人さんにはきつい。そうでなくてもこの匂いが苦手な人は多いだろう。そのせいかこの薬草達はそこら中に生えている。

 「……ジュンさん平気なんですね?」

 そう言う相沢君は苦手そうだね。ちょっとづつ僕から離れていってるもの。苦手な人にはこの匂いは可哀想だからちょっと話をしたらバイバイして作業に戻った。
 因みに相沢君は粘土堀りの仕事を受けたらしくリヤカーに袋に入れた粘土を詰んでいた。

 相沢君と別れたあとも地道に薬草を摘み、3時にきりあげた。帰りの門番は猫獣人さんで荷物検査は『いなくておわがる……いっで。』と鼻を摘んだまま通され、ギルドでは入口で止められ倉庫に直納品となった。
 それほど酷い匂いらしく、ライバルがいないならしばらくはこの仕事で稼げそうだ。


 「ジュン~、この匂いオマエ平気なの?」

 部屋に向かう途中、だいぶお腹の大きくなった先生に聞かれたけど先生も平気なのね?

 「ん~~、なんか最近は臭いものが好きで」

 つわりの1種らしいがそういうのもあるらしい。僕はといえば、小さい頃から肌が弱くておばあちゃんが作った薬草茶や薬で虫除けや治療してたから馴れだと思う。
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