Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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例外な求婚

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 確かにざわついてしまうだけの異例の事だ。だってデジレ様は前グリフウッド領の領主であり今は一応大臣の職にある。僕の件で移動になり元の世界でいう交通省のような所の大臣になっている。

 それにデジレ様自身もαだし、もう亡くなって大分たつけどアーノルドの母親、つまり奥さんもいた人だ。確かβではあったが侯爵家の方だったと思う。
 しかもデジレ様は今40才くらいだし、求婚した海軍提督も同じくらいの年齢だろう。海軍提督は奥さんいないのか?

「此方の海軍提督は王妃の従兄弟であり、人柄も良い。かの国では海軍の鬼神とも呼ばれるほど勇猛さも知られている。貴公がグリフウッド領主であった頃より好意を抱いていたそうでな。私としてはその恋心をかつての自分と重ねてしまうのだ。」

 私は番に選んでもらえた、だから今はこうして幸せだ。と言葉を続けた王だけど…周りは静けさを保ちつつ近くの者と視線で会話が続いている。

 だって、デジレ様本人に求婚の答えを出すように言わず王自身がこの求婚を歓迎しているのだ。
 強制とはいわないが断り辛い場面をわざと作りだしてるようだ。

 それに外交的に断るのは得策では無い。
実は母の実家の国は…海賊国家なんだよね。

 周りを荒れた海に囲まれて岩礁も多い海域を、いとも簡単に船を操り近くを通る船を略奪していったのが国の成り立ちだ。
 今では敵対国の船は襲うけど友好国や同盟国にはその易を上手く使って様々な利益をもたらせる国となっている。

 僕の国は3方が陸地で1方が海に面しており、グリフウッド領がその海に面している領の1つなので以前から海軍提督とは面識があったのだろう。
 デジレ様本人は全く考えた事すら無いだろうけど。

 これらの事を考えると無碍に断る訳にはいかないし、王が乗り気だ。…ううん、乗り気どころじゃない多分…嫁がせたいんだ。国家の為?

 そんな訳ないじゃない。こんな事普通無い筈なんだけど……僕をあちらに嫁がせようとしたからだよ。

 現に今まで来たこともなかった海軍提督が僕の誕生会というごく私的な集まりに来た。

 確かに今回は私的というには規模が大きいけど、初めから王と海軍提督との間ではこのデジレ様への求婚が予定されていたために規模が大きくなったとも考えられる。

 おそらく間違ってないと思う。
ここに集まった人達の中に何人も僕の件に関わって軽い罰で済んでいる人がいる。ちょっと拍子抜けするくらいの罰で済んでいるとアーノルドも言っていたが、こうなると訳が違う。
…父の与える罰はまだ終わってなかったらしい。

 この後のこと考えてみよう。
デジレ様がどう返事しても嫁ぐ事になるだろう。嫁げばどういう形であれ今より身分は上がる。
 海軍提督は王族の1人でその地位から相当の有力者だろうから罰にはあたらない。表向きはね?……これが男性αじゃないならね。

 でも、デジレは妻と子供をなした男性αだから…罰を与えられていた方が自尊心は保てただろう。
 海軍提督が本気のようだから逃げ道も無さそうだし、気の毒になってきた。


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
書き手よりお読みの皆様へ

ちょっと暴走しております。(゚゚)(。。)ペコッ
5話ほどおじ様達が暴走しそうです。
ので御容赦願います。
おじ様の絡みが苦手な方は飛ばしてください。
おじ様達の絡みがある話には*を付けます。
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