Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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理不尽

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 「そうではございませんよノエル様。
よろしいですか?ノエル様はあまり気にされておりませんが、現王の溺愛する息子、皇太子の兄、王族の一員、スサエナ領主、グリフウッド領主の運命の番……とこれだけの立場がノエル様にはございます。本来ならどれか一つでも色々な事に警戒しなければならないお立場です。」

 改めて言われると僕けっこうややこしい人だな。

「ノエル、君のその飾らないところは長所でもあるけど短所でもある。トータと友達になりたかったのはわかるよ…しかし、これだけの立場上周りの人達に相談なく側近ともいえる役につけてはいけない。あの子は問題が無かったけど、ノエルは優しさに付け込もうとする奴はいるだろうから。」

 それもそうだね。普段なら多分その判断はあったのかもしれないけど、今回は友達が出来たという事で舞い上がってしまったようだ。……ごめんなさい。

「いえ…ノエル様がそんなにもご友人を望んでらしたとは……爺は長年お側におりながら気づけませんでした。不甲斐ないばかりでございます。」

 ちょっと…爺…泣くほどじゃないよ。

「うん、ノエルがこんなに友達を望んでいたなんて知らなかった。でもそうだよな…私は彼方に友人が居てそれなりに楽しく過ごす時もあったのだから気づくべきだったのに……。悪いことをした。ノエル、出会った時に私がまず最初の友人になり、恋人そして夫になるべきだった。本当にすまない。」

 シモンを爺に預けて僕をギュッと抱きしめてくれる。それがとても心地よくて……油断した。

「でも、ノエル……ソレとコレは別だよ。」

 僕を抱き上げて大きめの1人用ソファーに座ると僕を膝の上に座らせてがっちりと抱え込んだ。
 あっ!爺!何処へ行くの!アーノルドが不穏な空気だから行かないで!シモン連れて笑って「それではごゆっくり。」じゃないよ!!

「ノエル?私を忘れてたって?……おしおきだよ。」

 ……ある意味怖いです。アーノルド、お願いだからものすごく良い笑顔で僕を見ないで……。

「あ…アーノルド?あのね、あの…僕、一応…産後なの。まだ…ふた月目なのよ?…あの…だからね?ね?」

「ああ……ノエル、大丈夫だよ。産後ふた月でも王都から此処までシモン連れて自力で帰って来たじゃないか……。しかも最初はロバの餌の下草を刈りながら背中の籠に入れてシモンを抱っこしていたんだって?報告を受けた瞬間、眩暈に襲われたよ。」

 全っ然大丈夫じゃないよね?アーノルド、目が据わってるよ。

「あの…あの時は必死で……」

「ねぇ、ノエル?ノエルは早朝の開門と同時に王都を出た。でも、ノエルが姿を眩ましたのは前日の夕食前……それまで何処で何をしていたの?」

 よかった……ちょっと話が逸れた。

「ああうん。秘密の通路に居たの。僕、小さい頃から其処を遊び場にしていて詳しいのね。中には休憩所もあるしトイレもあるから困らないんだよ。それに台所に抜ける場所もあるから誰もいないの見計らってご飯食べられるんだ。だから夜はロバ連れ込んで暖とって、シモン抱えて寝たの。で、目が覚めてからまた台所で朝用と昼用のご飯とって、門まで行ったんだよ。」
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