Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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考え中

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 ただでさえ忙しい時に突如組まれた予定の準備は地獄のようなものだった。領主館でもそれは同じで僕も例外ではない。それなのに、そういう時に限ってシモンが機嫌が悪くなった。母様に抱っこされてむずがるので父様が抱っこすると大泣き。仕方無いとアーノルドが抱っこしたら“お前じゃない”という顔をした。
 もう本当に仕方無いので僕がおんぶしてます。皆、おんぶ紐1本でおんぶする方法にびっくりしてたけど、こうでもしないとどうしようもないんだもん!
 一応、貴族達には表向きの、事情があったのだというポーズをとるために今晩の舞踏会では王が提督に労いの言葉をかけそれなりの持て成しをしなければならない。僕は今それで頭を悩ませている。
 先程から街の報告書が届きはじめていて、情報操作は上手くいっているらしい。
 さて、どんな演出をする?

 良いアイデアが浮かばなくて散歩に出てみたら今、揉みくちゃになってます……誰か~。

「あらまっ!!シュチュアート様じゃ!」

 どこかで呼ばれた気がしたら、トピアリーの中のベンチにおばあさんがいた。どう見ても街人だ。
どうしてこんな所に……あれ?いつの間にか一般解放区に来ちゃった?

「まぁまぁまぁ…シモン様連れてお散歩ですか?」

「ええ、お天気も良いので。顔を見てやってもらえますか?」

 来てしまったものは仕方無い……まさか“考え事してたら来ちゃったので戻ります”なんて言えない。僕がシモンを連れて交流したという事実はこの子にとってもアーノルドにとってもマイナスにはならないだろうと思い愛想を振りまいた。
 その結果、2,3人と適当に話をして帰ろうとした思惑は外れかなりの人数と交流をもってしまった。
まぁ…そのおかげで報告にあった“デジレ様人気者説”を確認出来たので良いけど。これで演出も決めれたらしね~。
 ……でもこの後、爺にめいっぱい叱られた。

 今回の演出は名付けて“コンニチハじーじ”!
舞踏会では普段通り、貴族の皆さんが集まった所へ王族が入場という形をとるけど、今回は父様、母様と一緒に提督が。僕とアーノルドと一緒にシモンを抱えたデジレ様が入場する。そのまま上座に移動し王に次ぐ位置の壇上で僕と一緒に席を用意し寛いでもらう。
 父様が王として今回の事件解決の礼を述べ、提督が犯人達の身柄がほしいと要求し、それを受け入れるという筋書きだ。その間デジレ様はシモンと幸せの一時を送っていただこう。

 もちろん夜遅くまで続く舞踏会にシモンが居続ける事はないし、僕もまだ授乳中という事で途中退場させていただくのでそれまでの間だけなんだけどね。それでも兵達に目撃はされるので噂は確かだったという事が兵士にわかり、噂と現実の辻褄が合えばOKだ。ついでにデジレ様は孫…シモンを抱っこしたと知ってもらいたい。
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