Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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α、α、α……

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 2日後の朝には机にながーい巻物になった名簿リストがあった。名前の横には爵位や功績、賞罰がかかれ現在の資産と血縁関係があった。名前の前にある数字は来園回数だとか。その巻物の他にうず高く積まれた書類は一人一人の調査報告書だという。その報告書と一緒にその本人からの手紙が閉じられている。

「約何人?」

 朝の挨拶で子供達を連れてくる前のザサに聞くとにこやかに「ざっと250人程の希望者ですよ。」と答えてくれたが、更なる僕からの質問にあう前に子供部屋へと行ってしまった。

 なんてことでしょうね。招待予定数は50人だったんだけどこれは大幅に数を増やさなければいけなくなるかもしれない。
 ふぅと息をはきつつ一番上の調査書を見る。リストと同じ順になっているのでリストに気になるとこを書き込みながら進めていくと覚えのある名も出てくる。ある一枚の調査書の名前で大きく息をつかざるをえなかった。……だってこの人50才越えてる人だよ?自分の運命のΩを求めてるのはわかるけど今回参加するΩは皆学生!20才前の学生!
 今回のお見合いに遠慮してもらう人が最速で決まった瞬間だった。

 一通り目を通して明らかに招待しない人を決定。遠すぎる国の人とか、あまり良い噂を聞かない人、既に結婚してる人、年が離れすぎてる人と理由は様々だがなんでこの人が出てくるかなと目を疑う人もいた。だってこの人、僕を城から追い出した後、僕の幽閉未遂で捕まった大臣の息子だ。イヤ、印象悪すぎでしょ。

「隣国の第2王子……こんな人も来たいのか?こっちは紹介状付き?紹介者は……は?アーノルド?
爺~爺~ちょっと来て~!」

 まだ数が多いから絞ろうとしていると今考えてるお見合いパーティーには不似合いな人も多いと気づいた。他国の王族、大臣の息子をこの扱いにすると国同士の問題に発展することがある。扱いが軽すぎると騒ぐことがあるのだ。

 ……でもこの直筆の手紙見てると真摯に番を求めてると受け取れて僕としてはなんとかしてあげたくなっちゃうんだよね。


「……左様ですね、確かにこちらの方々はご身分が高いようです。ご本人様はお手紙にもあるように気にせず一個人として考えてほしいとお望みのようですが、回りがそうはいかないでしょう。」

「そうだよね?第一、隣国の第2王子なんて本人はまだ15才。個人として扱うとまだ社会的に未熟だけど……将来的に有望な人みたいだし人柄も問題無し、なんと言っても学生達と年が釣り合うから招待はしたいけど。うぅぅぅ~。」

 逃したくない招待予定者に頭を絞ると……浮かんだ!そーだよ。そーだ!僕個人のお客さんとして遊びに来てもらった寄宿学校を案内したのがちょうどお見合いパーティー当日だったとすればいいんだ!
 そうだね、このお見合いに招待するのは信用できると思った人だけにするんだから表向きは飛行船の外国に向けてのお披露目ということにして良くないかな!?

「……良くないですよノエル様。飛行船の外国へのお披露目ともなれば王様の許可が必要ですし、王様主催でなされるべき事です。もっと考えてください。


 爺の目は遠かった……。
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