Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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デジレ様登場

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 えーと、アーノルドを呼んできてくれるんじゃなかったんですかマオさん?
 なーんでカウチと仲良くなってる僕の横にデジレ様が居るんでしょうね?しかも僕は今デジレ様によってお着替えの真っ最中ですよ?

「ごめんノエル~、アーノルドさんに言ったらもう提督が来るから取り敢えず事情話して伸ばしてもらおうかって話してる所で提督が来ちゃって……こうなった。」

 うん。僕は“こうなった”部分が詳しく聞きたいよ。何故こうなった?

「警戒されるなノエル殿。立場は同じだ辛さは分かる。とはいえ私も一応αだから警戒も致し方無しだろうが。」

 僕からアクセサリーを外して机に並べ、ガウンをクローゼットから持ってきてくれるデジレ様は今日は優しい。……同じ立場って、デジレ様が言うと意味深だ。まぁ受け入れる側だからと言ってくれてるんだけどね。

「……しかし……熱も出てきてるようだな。熱が上がってるのに香りは強くならないところをみると無理が祟ったのだろう。アーノルドもまだまだだな。」

 シャツを脱がして下着になるとデジレ様の眉が寄った。身体中に痕があるからだろうね。

「本当なら肌着も取り替えた方が良いのだろうが辞めておこう。さぁこちらのガウンを着てゆっくり休まれよ。」

 軽くて暖かいガウンに袖を通すのを手伝ってもらい着るとほっとした。ちょっと寒気すら感じるんだよね。あれ?この身体中の痛みももしかして熱も関係あるのか?

 デジレ様は僕を横にさせると邪魔になるからとマオを連れて出ていった。アーノルドは今提督と話をしているので僕の様子を伝えてくれるらしい。それから船の引き渡しも先に伸ばして、先ずは自分達の用事等を済ませるようにするので3、4日は時間があると言ってくれた。
 ありがたいよ~、この分だと今夜は熱が上がる。しかも爺が居ないなんて……。不馴れな屋敷、侍女さん、爺なしって不安しかないじゃん!あ、でもアーノルドは居るか。



 目が覚めると衝立ついたての向こう側から声が聞こえる。どうやらアーノルドとカシスが話してるみたいだ。

「ノエル様が特別な訳ではなく?」

「ああ、どちらかと言えばノエルはΩの中では丈夫なんじゃないかな。幼い頃から栄養管理もされているし大きな怪我も今まではない。ただ、体がΩの中でも小さい方だし、力仕事をする訳じゃないから体力は少ない。カシスもパートナーの子がどれくらい体力があるのか知っておかないと……こうなる。」

 はぁ…とため息をついたのはどちらだろう。寝起きのせいなのか、熱のせいなのか、どちらもなのかはわからないがぼぉっとした頭で聞いていた。

「しかし、父上がすぐに気づいて下さって助かった。マオは良い子なんだが……」

「性格に裏表がなく安心して付き合える子ではありますが、大雑把で考えずに動くのでこういうときは期待できませんよ。先程も『熱にはサウナが効くんだ!』と言って用意してました。体力のある人間には良くても弱ってる人間には逆効果だと丁寧に説明してやっと諦めましたよ。」

 ……マオ、ありがとう。でも僕は無理だよ?普通の時でもサウナ入ったらぐったりしちゃうもん。
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