Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
440 / 708

魔法の一声※

しおりを挟む
 久しぶりに真剣に考えたよ。まずはリラックスすることが大事だ。……こんな状況で無理だ?そうだよね。じゃあ強制的に弛緩させる方法が必要だね。

「この島に麻痺させるものはありますか?眠らせてしまう物でもいいです。」

「海にいるが毒生物だな。ウニやカニ、魚のなかに麻痺毒を持つ物がいる。後はフィーアという植物の実の汁は痺れを起こさせる。」

 淡々と今困ってる人だとは思えない声で答えてくれるのは提督だ。毒は薬にもなるけど調べてある物でもないので薬としては作用させられないだろう。
 駄目だ。使えない……となれば針?つぼ押し?確か針で痛みを無くさせる所があったよね?どこだっけ?いや、その前に針がないじゃん。詳しい場所も膝の下くらいしか知らない。

「えーと、とりあえずリラックスさせるつぼを押して下さい。手の親指の……ここら辺をギュゥっと。」

「ここら辺?か?」
 僕のお手本を見ながら提督がデジレ様の手をとって一撫でしてから押す。
 うーん、みた感じそんなに切羽詰まってる感じじゃないから大事じゃなさそう。最悪、船に有るだろう痛み止めの香を焚いて下半身を麻痺させる方法もあるけどそれだとおそらく被害もでるだろうから……本人達も嫌だろうね。たぶんちょっとの差で抜けると思うんだけど?

 あ、良い方法思いついた!香を焚くんじゃなくて嗅がせるか、ほんのちょっとだけ焚くなら?香の先っぽちょんぎって鼻につめる?
 僕が咄嗟に思いついた方法の一部分を口にした時と提督の疑問が良い感じに?重なってしまった。

「……何のためにリラックスを?」

「ちょんぎる?」

 …………………………
 グゥゥっとどこからか低く動物の唸りのような音が聞こえ、すぐにデジレ様のちょっと拍子抜けしたような声が聞こえた。

「ぬ  けた。」

 ん?

「ぬけた。…大丈夫だ。大丈夫だ!」

 本当?!え?本当に?良かった~って…あれ?提督、顔色悪いです?デジレ様もなぜそんなに動けるアピールを?
 抜けた今の方がお二方とも顔色が悪い?

「お顔の色が悪いですよ。急に血が回るようになってご気分を悪くしてませんか?!痛みは?!」

 デジレ様はともかく提督の顔色まで変わってしまうなんて!大変だと焦り、聞けば二人とも黙って僕を見ていた。
 僕がなんかした?

「……ノエル様、とても気になる事なので聞くが、先程なんと言われた?」

 ??何にも言ってませんよ。あぁ、そういえば提督が何のためにリラックスをするのかと聞いていたね。

「ノエル様は先程、ちょんぎる と言われたのだが?」

 ……言った?あれ?

「いえいえ、あれは香を~」

 ああああ、理解。提督とデジレ様は痛みを少なくさせて提督のアレをちょんぎる事で僕が解決をしようとしていると勘違いをしたんだ。
 僕はちゃんと香の事、つぼの事を話してデジレ様の下半身を一時的に麻痺させて抜こうとした事、でもそうすると筋肉の締まりを無くした下半身は垂れ流しになるので最小限に抑えようとした事を説明して解ってもらえた。
 あー疲れた。
しおりを挟む
感想 199

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

処理中です...