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飛行船で
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爺にお尻をつねられて僕の構想はようやく止まった。良かった本当に良かった。危うく餌をばら蒔くところだったよ。こう言っちゃ失礼だけど陛下も父様も餌がばら蒔かれたら猪並みの突進をして熊並みの力で次の餌を寄越せと暴れるだろうから止めてもらって本当に良かった。
今は飛行船に乗り込みアスレチック施設に向かっている。本当は行きたくないサミュエルをはじめとする数人もいるけど一応、公務の日程の中に組み込まれたので渋々着いてきてくれた。
その飛行船の中ではシモンが送ってくれたアスレチックのクリア者、ダンドワグさん(以下、ダンさん)が陛下のお話相手を努めてくれている。え?父様?父様は別室で書類仕事です。
近いうちにフールフーガにアスレチック施設を作る事が決まってしまったから、デジレ様の案で先手を打った。
「父様?フールフーガの施設が出来たら父様も行きたい?」
デジレ様の案とは、僕が無邪気に「自分は設計者だから公務として行くが、父様も今回の陛下の訪問のお返しとして公務で行くか?」と聞き、遊び大好きな父様が『大義名分を得た!』と飛び付いてきたらそれを餌に書類仕事をどんどん回そう!というものだ。最近の父様はお仕事をローランドにも回してるせいかサボリが目立つと母様がぼやいていたものね。
「ノエル殿、この回転丸太の仕組みを……」
ダンさんが陛下と話してる間にも攻略を考えているらしく僕に質問が入るけど僕は仕組みなんて知りませ~ん。そうそう、僕がアスレチック施設を作るに当たっては相当人数で大移動が必要だと言った時の陛下は結構驚いていた。大工はフールフーガの大工をお借りするって話していたから、お付きの人抜きで数十人連れて行くと言ったら……ね。だって僕は『こういう場所にこんな物を作って。あっちにはコレ、そっちはあーいう物。』等の指示しかしてない。仕組みはすべて僕の脳ミソである“発明課”が必要です。
やっぱり僕のイメージは一人歩きしてるみたいで、陛下は僕が全指揮をとっていると思っていたみたいだけど、そんな訳ないじゃん。αだって習ってない事は出来ないのにΩの僕にどこまで期待してるのよ?
こんな感じでもうあと少しで到着という頃、漸く最後まで揉めていた“挑戦する人”が決まった。陛下と父様は絶対やるときかないから人数に入れて、あと4人ね。と僕が言うと立候補がやたらと多かったんだ。マオのみならず、コウや他の船乗りさん達、父様のお付きの人、護衛の人……爺まで手をあげたし。
「ハッハッハッハッまだまだ若い者には負けませんぞ?私が最年長の挑戦者ですな。」
くじ引きの結果、ちゃんと挑戦権を獲得した爺はホクホクの笑顔だ。ちなみにマオもちゃっかり挑戦権を獲得。えーとあとは?あ、提督もですか?おめでとうございます。あ、コウ……残念だったんだ。いやいやダメだよ!マオが行く以上はコウも行って!はい、強制です。ストッパー大事!
ふーっ、これで決まり。ん、あれ?爺、それは挑戦者だけがつければいい命綱だよ?僕のはいらないよ?
…………そして僕は恐怖に包まれた。
今は飛行船に乗り込みアスレチック施設に向かっている。本当は行きたくないサミュエルをはじめとする数人もいるけど一応、公務の日程の中に組み込まれたので渋々着いてきてくれた。
その飛行船の中ではシモンが送ってくれたアスレチックのクリア者、ダンドワグさん(以下、ダンさん)が陛下のお話相手を努めてくれている。え?父様?父様は別室で書類仕事です。
近いうちにフールフーガにアスレチック施設を作る事が決まってしまったから、デジレ様の案で先手を打った。
「父様?フールフーガの施設が出来たら父様も行きたい?」
デジレ様の案とは、僕が無邪気に「自分は設計者だから公務として行くが、父様も今回の陛下の訪問のお返しとして公務で行くか?」と聞き、遊び大好きな父様が『大義名分を得た!』と飛び付いてきたらそれを餌に書類仕事をどんどん回そう!というものだ。最近の父様はお仕事をローランドにも回してるせいかサボリが目立つと母様がぼやいていたものね。
「ノエル殿、この回転丸太の仕組みを……」
ダンさんが陛下と話してる間にも攻略を考えているらしく僕に質問が入るけど僕は仕組みなんて知りませ~ん。そうそう、僕がアスレチック施設を作るに当たっては相当人数で大移動が必要だと言った時の陛下は結構驚いていた。大工はフールフーガの大工をお借りするって話していたから、お付きの人抜きで数十人連れて行くと言ったら……ね。だって僕は『こういう場所にこんな物を作って。あっちにはコレ、そっちはあーいう物。』等の指示しかしてない。仕組みはすべて僕の脳ミソである“発明課”が必要です。
やっぱり僕のイメージは一人歩きしてるみたいで、陛下は僕が全指揮をとっていると思っていたみたいだけど、そんな訳ないじゃん。αだって習ってない事は出来ないのにΩの僕にどこまで期待してるのよ?
こんな感じでもうあと少しで到着という頃、漸く最後まで揉めていた“挑戦する人”が決まった。陛下と父様は絶対やるときかないから人数に入れて、あと4人ね。と僕が言うと立候補がやたらと多かったんだ。マオのみならず、コウや他の船乗りさん達、父様のお付きの人、護衛の人……爺まで手をあげたし。
「ハッハッハッハッまだまだ若い者には負けませんぞ?私が最年長の挑戦者ですな。」
くじ引きの結果、ちゃんと挑戦権を獲得した爺はホクホクの笑顔だ。ちなみにマオもちゃっかり挑戦権を獲得。えーとあとは?あ、提督もですか?おめでとうございます。あ、コウ……残念だったんだ。いやいやダメだよ!マオが行く以上はコウも行って!はい、強制です。ストッパー大事!
ふーっ、これで決まり。ん、あれ?爺、それは挑戦者だけがつければいい命綱だよ?僕のはいらないよ?
…………そして僕は恐怖に包まれた。
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