Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

文字の大きさ
505 / 708

甘えモード全開で良いよ

しおりを挟む
 マグロ達はさすがの体力お化け達でまもなく復活した。陛下と父様は反省したのかもう競争しないと約束してくれたがマオは謝ったものの……どこかでやらかすだろう。
 復活の兆しが見えはじめた頃、3人が戻って来たのでお風呂へと送り出した。

 「……爺、あの3人は家族風呂?」

 もし家族風呂なら背中でも洗ってあげようかと思い聞いてみたら、そういう事を言われても大丈夫なようにαの大浴場に行ってると言った。爺いわく
「こんなに疲れてる時に番のそんな姿をみたら朝まで離してもらえない」らしい。疲れてるのなら体力回復の為に寝るのが先だろう。ええ、ええ。僕だって“朝まで離してもらえない”の意味はわかりますよ。でも疲れてるのなら寝ろって感じだ。
 ……でも疲れてるんだからここからは甘やかしてあげた方が良いだろう。

 「サミュエル~、トータ~」と2人をちょっと離れてる場所へ呼んだ。

 「あの3人疲れてるのに頑張ってくれたでしょ?だから食事処からは甘やかしてあげよう?」

 「そうですね、走り回ってくれた様ですし。疲れをとってあげるのも番の役目ですね!」

 「うんうん。すごいよカドラさんね、僕らを歩かせない為に馬車を用意しに走ってくれたらしいよ。アーノルド様はね、僕たちが食べやすい物を追加で用意させてくれて、ローランドは部屋に風を送り込めるように手配してきたらしいよ。」

 「すごいね皆。よし、やっぱり頑張ったんだからご褒美あげよう!」

 うんうん。と頷く僕らの後ろで爺がサミュエルのお付きの人と目で話し合っていたのを僕らは知らない。

 『……と主達は言ってますよ?』
 『明日の予定は変更ですね。』
 『ちょうど良い頃合いの休みでしょうか。』
 『ええ、こちらもそろそろ休みをと思ってました。』
 『では、そういうことで。』

 僕らがコソコソとどうやって甘えさせてあげるか考えてた裏で爺達はこんなに話しをしていた。

 ガタゴトと馬車の列が続く。急な手配だったので小型の物だからだ。陛下、提督、デジレ様、父様は乗って来ている王家の普通の馬車で。サミュエル、カドラさんは予備の馬車があったので僕とアーノルド、トータとローランド、マオとコウ、その他というように馬車に別れている。



 「良いからほら、横になって。はい、どうぞ。」

 馬車の中はいつもの馬車より狭いけど、だからといってぎゅうぎゅうでもない。だから僕は甘えさせ第1段としてアーノルドに膝枕をしてあげる事にした。ポンポンと自分の膝を叩くとアーノルドは目が点になって『え?』って顔をしている。『え?』じゃなくてはいどーぞ。とアーノルドの頭を誘導すると顔が赤い?……ああ、目の前に爺がいるのが恥ずかしいの?大丈夫だよ。爺は見ないふりしてくれるし気配消すのも上手だからそのうち気にならなくなるよ。……え?それでも恥ずかしい?うーん、あぁいい方法あった。

 よいしょっと。こうーして、はいこっち。

 「あ、あの…ノエルさん?」

 はい黙って目を瞑って~。ごしょごしょ言わないの、お腹がこしょばゆいでしょ。

 恥ずかしいのならと思って僕のお腹に顔を向けさせてあげたのになんだかもっと顔が赤くなってた。
しおりを挟む
感想 199

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。

毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。 そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。 彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。 「これでやっと安心して退場できる」 これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。 目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。 「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」 その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。 「あなた……Ωになっていますよ」 「へ?」 そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て―― オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。

あなたと過ごせた日々は幸せでした

蒸しケーキ
BL
結婚から五年後、幸せな日々を過ごしていたシューン・トアは、突然義父に「息子と別れてやってくれ」と冷酷に告げられる。そんな言葉にシューンは、何一つ言い返せず、飲み込むしかなかった。そして、夫であるアインス・キールに離婚を切り出すが、アインスがそう簡単にシューンを手離す訳もなく......。

魔王の息子を育てることになった俺の話

お鮫
BL
俺が18歳の時森で少年を拾った。その子が将来魔王になることを知りながら俺は今日も息子としてこの子を育てる。そう決意してはや数年。 「今なんつった?よっぽど死にたいんだね。そんなに俺と離れたい?」 現在俺はかわいい息子に殺害予告を受けている。あれ、魔王は?旅に出なくていいの?とりあえず放してくれません? 魔王になる予定の男と育て親のヤンデレBL BLは初めて書きます。見ずらい点多々あるかと思いますが、もしありましたら指摘くださるとありがたいです。 BL大賞エントリー中です。

公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜

上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。 体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。 両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。 せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない? しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……? どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに? 偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも? ……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない?? ――― 病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。 ※別名義で連載していた作品になります。 (名義を統合しこちらに移動することになりました)

陰キャな俺、人気者の幼馴染に溺愛されてます。

陽七 葵
BL
 主人公である佐倉 晴翔(さくら はると)は、顔がコンプレックスで、何をやらせてもダメダメな高校二年生。前髪で顔を隠し、目立たず平穏な高校ライフを望んでいる。  しかし、そんな晴翔の平穏な生活を脅かすのはこの男。幼馴染の葉山 蓮(はやま れん)。  蓮は、イケメンな上に人当たりも良く、勉強、スポーツ何でも出来る学校一の人気者。蓮と一緒にいれば、自ずと目立つ。  だから、晴翔は学校では極力蓮に近付きたくないのだが、避けているはずの蓮が晴翔にベッタリ構ってくる。  そして、ひょんなことから『恋人のフリ』を始める二人。  そこから物語は始まるのだが——。  実はこの二人、最初から両想いだったのにそれを拗らせまくり。蓮に新たな恋敵も現れ、蓮の執着心は過剰なモノへと変わっていく。  素直になれない主人公と人気者な幼馴染の恋の物語。どうぞお楽しみ下さい♪

流れる星、どうかお願い

ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる) オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年 高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼 そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ ”要が幸せになりますように” オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ 王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに! 一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが お付き合いください!

たとえば、俺が幸せになってもいいのなら

夜月るな
BL
全てを1人で抱え込む高校生の少年が、誰かに頼り甘えることを覚えていくまでの物語――― 父を目の前で亡くし、母に突き放され、たった一人寄り添ってくれた兄もいなくなっていまった。 弟を守り、罪悪感も自責の念もたった1人で抱える新谷 律の心が、少しずつほぐれていく。 助けてほしいと言葉にする権利すらないと笑う少年が、救われるまでのお話。

処理中です...