Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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これでもエステ中

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 「ねぇノエル~、今さらなんだけどさぁ~」

 「ん~?なぁにぃ~?」

 リラックス効果のある足湯で体を暖めていると同じ様にしてるトータがのんびりとした声で聞いてきた。
 はふぅ~……ポカポカして眠くなってきちゃうよね?

 「卒業する子達、いるじゃない?」

 トータも眠いのだろう。いつもよりおっとりとした声でゆっくりな口調だ。

 「あの子達さぁ~、なんの職業訓練だったかしってる~?」

 んんん~?職業…くんれん?
ああ、僕が学校の子達に将来好きな仕事ができるようにって興味のある所に手伝いに行かせてるアレね?
 ちょっと頭動いてきたぞ。ええと……何処だったかなぁ。

 「たしかぁ~…仕立て屋さん、チーズ工房、アクセサリー職人……」

 いろいろ行ってるはずだ。卒業にあたってお手伝いも終わるので其々に挨拶状を書かせて…直に行ける子は先生同伴でお礼に行かせたと。僕も今までのお礼を書いたね?
 ……ちょっとまて。んん?あれ?

 「おもいだした~?」

 頭が冴えてきた僕とは反対にもう眠りに落ちそうなトータの声が聞こえた。

 え、ええ…ええと。『蒸気機関開発場』ってあったよね?それから『特別特区開発課』もあったな?

 「『秘書課』がぬけてるよ~。」

 もう眠りに落ちる寸前でトータが教えてくれた。しまった、結構重要な処まで職業訓練にいっていたな……。領内に残る子は再雇用もできそうだけど番さんが出してくれるか?すぐには無理でも半年後とかくらいから……と気持ちいいはずのエステの最中僕はずっと頭を悩ませていた。



 「という訳で、カドラさん。大型蒸気船の開発をしましょう!」

 「え。え…え。??あの…?ノエル様?」

 翌日、僕はサミュエルのお家でイチャイチャしていたカドラさんを捕まえて大型蒸気船の開発を打診した。いや、お願いした。
 だって僕は出来るんだと知ってるけど構造とか理論なんてサッパリ解らない。だからいつものごとく提案だけして丸投げ方式をとっています。

 なんでこんなに急なのか?それはあの子達の嫁入りに箔をつけるためです!
 友好国の第一王子の僕がバックアップをしているのに普通に嫁入り道具だけじゃちょっと…ねぇ?
 だから何か無いかな?って思っていたんだけどトータとの会話から蒸気機関開発場の名前が出て、(そういえば蒸気機関開発って僕の専売特許じゃない!?)って思い当たった。なら、この技術を持っての嫁入りなら胸張れるじゃない?って。

 「うん。だからカドラさん蒸気船作ろう!」
 
 「ええと?あ、はい。……え?」


 サロンの長椅子で寛いでいたカドラさんに捲し立てるとその腕の中にいたサミュエルは「凄い!新しい船作るんだねぇ。」と詳しいことは気にせずニコニコしていた。
 その一方でカドラさんは僕とサミュエルに圧しきられる形で『はい。』といったももの何も理解ができずに始終困惑していたが僕が爺を呼んであげると「ああ……成る程」と何かを悟っていたようだ。
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