603 / 708
どういうことだ?
しおりを挟む
フールフーガの船乗りにとって船とは家だ。提督にしてみれば旗艦は城であり鎧であり武器でもあるだろう。たぶん離れて生活するとは考えられない。その旗艦オブティシアンは何処にいるかにもよるが、もしフールフーガにあるとすれば何かあるんだ。
そう思って爺に言ってみた。爺も気になったのか直ぐに調べてくれたが結果は次の日の夕方にわかった。
大変だったよ~、もう皇太子達は出発する用意が出来ていたから直ぐにでも連れて帰りたい皇太子をなんとか引き留めた。まぁ、引き留めたられたのはシモンのおかげなんだけどね。
偶然シモンがグリフウッドの次期領主だと聞いた皇太子はこの国の窓口となるシモンと顔繋ぎしておくべきだと思ったみたいで出発を伸ばしてお茶の時間をとった。
で、そのおかげで得た情報とはとんでもないものだった。ええ、信用できる情報ですよ。……だって情報元はデジレ様だもの。
爺の影でも情報が集まりきれなかったので僕がデジレ様にシレッと聞いてみたのだ。
「デジレ様、なんで飛行船で来たんですか?オブティシアンは何処にいますか?」
「……オブティシアン?旗艦ならばグリフウッドの港にいる。どうしてまた?」
「ええと、言いにくいのですが提督がオブティシアンを置いて来るのに違和感がありまして。」
「ああそうか。置いて来るという感じではなかったな。確かにフールフーガから飛行船に乗っては来たが飛行船のみでは丸腰だろう。録に飛行訓練を詰んでるわけでもないのだ安全の意味をもっても船の並走は当然。……セオが飛行船の操縦に興味を示さなければこんな事もなかっただろうが。」
……はい?!提督が操縦?
「ああ。海と空では勝手が全く違うので面白いらしい。少しだが操縦を習って飛ばしていた。」
僕の感じた違和感は杞憂だったと思ったがそんな些細な気になる事より重大な事を知った。提督が操縦……そう聞こえた。
僕が固まってしまったのに気づいたデジレ様は「本当に面倒な事になった」と呟いた。デジレ様にしてみれば提督と一緒に行動するのは当たり前なので提督が興味をもった飛行船の操縦は自分も一緒だから本当に困った事なんでしょうね。
「……もっと困ってる事を教えよう。私だけでは不公平だからな。
セオはそのうち艦隊の中に飛行船を組み込む。」
……何が不公平なのか思い当たる伏しもないがデジレ様は大爆弾発言で僕の顔色を無くす事に成功した。艦隊の中に組み込むということは?ともうパニック中の頭で考えても録な考えは浮かばない。
頭からプシュ~という音が出てないのが不思議なくらいだ。
「……王はいったい何を考えて…」
僕の思考停止を見たデジレ様はもう一度深い溜め息をつきつつ父様のせいだと言うが何の反論もない。
デジレ様は僕の為に爺を呼びこうなった経緯を話して僕を休ませてくれたけど自分の休む部屋も頼み暫く籠っていたらしい。
そう思って爺に言ってみた。爺も気になったのか直ぐに調べてくれたが結果は次の日の夕方にわかった。
大変だったよ~、もう皇太子達は出発する用意が出来ていたから直ぐにでも連れて帰りたい皇太子をなんとか引き留めた。まぁ、引き留めたられたのはシモンのおかげなんだけどね。
偶然シモンがグリフウッドの次期領主だと聞いた皇太子はこの国の窓口となるシモンと顔繋ぎしておくべきだと思ったみたいで出発を伸ばしてお茶の時間をとった。
で、そのおかげで得た情報とはとんでもないものだった。ええ、信用できる情報ですよ。……だって情報元はデジレ様だもの。
爺の影でも情報が集まりきれなかったので僕がデジレ様にシレッと聞いてみたのだ。
「デジレ様、なんで飛行船で来たんですか?オブティシアンは何処にいますか?」
「……オブティシアン?旗艦ならばグリフウッドの港にいる。どうしてまた?」
「ええと、言いにくいのですが提督がオブティシアンを置いて来るのに違和感がありまして。」
「ああそうか。置いて来るという感じではなかったな。確かにフールフーガから飛行船に乗っては来たが飛行船のみでは丸腰だろう。録に飛行訓練を詰んでるわけでもないのだ安全の意味をもっても船の並走は当然。……セオが飛行船の操縦に興味を示さなければこんな事もなかっただろうが。」
……はい?!提督が操縦?
「ああ。海と空では勝手が全く違うので面白いらしい。少しだが操縦を習って飛ばしていた。」
僕の感じた違和感は杞憂だったと思ったがそんな些細な気になる事より重大な事を知った。提督が操縦……そう聞こえた。
僕が固まってしまったのに気づいたデジレ様は「本当に面倒な事になった」と呟いた。デジレ様にしてみれば提督と一緒に行動するのは当たり前なので提督が興味をもった飛行船の操縦は自分も一緒だから本当に困った事なんでしょうね。
「……もっと困ってる事を教えよう。私だけでは不公平だからな。
セオはそのうち艦隊の中に飛行船を組み込む。」
……何が不公平なのか思い当たる伏しもないがデジレ様は大爆弾発言で僕の顔色を無くす事に成功した。艦隊の中に組み込むということは?ともうパニック中の頭で考えても録な考えは浮かばない。
頭からプシュ~という音が出てないのが不思議なくらいだ。
「……王はいったい何を考えて…」
僕の思考停止を見たデジレ様はもう一度深い溜め息をつきつつ父様のせいだと言うが何の反論もない。
デジレ様は僕の為に爺を呼びこうなった経緯を話して僕を休ませてくれたけど自分の休む部屋も頼み暫く籠っていたらしい。
44
あなたにおすすめの小説
公爵家の末っ子に転生しました〜出来損ないなので潔く退場しようとしたらうっかり溺愛されてしまった件について〜
上総啓
BL
公爵家の末っ子に転生したシルビオ。
体が弱く生まれて早々ぶっ倒れ、家族は見事に過保護ルートへと突き進んでしまった。
両親はめちゃくちゃ溺愛してくるし、超強い兄様はブラコンに育ち弟絶対守るマンに……。
せっかくファンタジーの世界に転生したんだから魔法も使えたり?と思ったら、我が家に代々伝わる上位氷魔法が俺にだけ使えない?
しかも俺に使える魔法は氷魔法じゃなく『神聖魔法』?というか『神聖魔法』を操れるのは神に選ばれた愛し子だけ……?
どうせ余命幾ばくもない出来損ないなら仕方ない、お荷物の僕はさっさと今世からも退場しよう……と思ってたのに?
偶然騎士たちを神聖魔法で救って、何故か天使と呼ばれて崇められたり。終いには帝国最強の狂血皇子に溺愛されて囲われちゃったり……いやいやちょっと待て。魔王様、主神様、まさかアンタらも?
……ってあれ、なんかめちゃくちゃ囲われてない??
―――
病弱ならどうせすぐ死ぬかー。ならちょっとばかし遊んでもいいよね?と自由にやってたら無駄に最強な奴らに溺愛されちゃってた受けの話。
※別名義で連載していた作品になります。
(名義を統合しこちらに移動することになりました)
番解除した僕等の末路【完結済・短編】
藍生らぱん
BL
都市伝説だと思っていた「運命の番」に出逢った。
番になって数日後、「番解除」された事を悟った。
「番解除」されたΩは、二度と他のαと番になることができない。
けれど余命宣告を受けていた僕にとっては都合が良かった。
性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました
まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。
性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。
(ムーンライトノベルにも掲載しています)
愛を知らない少年たちの番物語。
あゆみん
BL
親から愛されることなく育った不憫な三兄弟が異世界で番に待ち焦がれた獣たちから愛を注がれ、一途な愛に戸惑いながらも幸せになる物語。
*触れ合いシーンは★マークをつけます。
どうせ全部、知ってるくせに。
楽川楽
BL
【腹黒美形×単純平凡】
親友と、飲み会の悪ふざけでキスをした。単なる罰ゲームだったのに、どうしてもあのキスが忘れられない…。
飲み会のノリでしたキスで、親友を意識し始めてしまった単純な受けが、まんまと腹黒攻めに捕まるお話。
※fujossyさんの属性コンテスト『ノンケ受け』部門にて優秀賞をいただいた作品です。
男子高校に入学したらハーレムでした!
はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。
ゆっくり書いていきます。
毎日19時更新です。
よろしくお願い致します。
2022.04.28
お気に入り、栞ありがとうございます。
とても励みになります。
引き続き宜しくお願いします。
2022.05.01
近々番外編SSをあげます。
よければ覗いてみてください。
2022.05.10
お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。
精一杯書いていきます。
2022.05.15
閲覧、お気に入り、ありがとうございます。
読んでいただけてとても嬉しいです。
近々番外編をあげます。
良ければ覗いてみてください。
2022.05.28
今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。
次作も頑張って書きます。
よろしくおねがいします。
やっと退場できるはずだったβの悪役令息。ワンナイトしたらΩになりました。
毒島醜女
BL
目が覚めると、妻であるヒロインを虐げた挙句に彼女の運命の番である皇帝に断罪される最低最低なモラハラDV常習犯の悪役夫、イライ・ロザリンドに転生した。
そんな最期は絶対に避けたいイライはヒーローとヒロインの仲を結ばせつつ、ヒロインと円満に別れる為に策を練った。
彼の努力は実り、主人公たちは結ばれ、イライはお役御免となった。
「これでやっと安心して退場できる」
これまでの自分の努力を労うように酒場で飲んでいたイライは、いい薫りを漂わせる男と意気投合し、彼と一夜を共にしてしまう。
目が覚めると罪悪感に襲われ、すぐさま宿を去っていく。
「これじゃあ原作のイライと変わらないじゃん!」
その後体調不良を訴え、医師に診てもらうととんでもない事を言われたのだった。
「あなた……Ωになっていますよ」
「へ?」
そしてワンナイトをした男がまさかの国の英雄で、まさかまさか求愛し公開プロポーズまでして来て――
オメガバースの世界で運命に導かれる、強引な俺様α×頑張り屋な元悪役令息の元βのΩのラブストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる