Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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母様の気合いが入ります

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 母様が来た。
いやもう来るのは珍しくもないのだけど、今回は先に来ると知らされていてこちらが了承してからちゃんと馬車に乗ってやって来たのだ。

 「ノエル~会いたかったわ~。」

 「母様お久しぶりです。」

 なるほど、リリーの教育上の仕様でしたか。
そうとわかればお手本になる様にちゃんとマナーに則って母様にご挨拶。僕の挨拶の後にリリーが淑女のマナー通りの挨拶を僕にした。
 スカートの裾をチョンと摘まんで優雅に膝をおってのお辞儀だ。とっても上手に出来ていたので褒めると嬉しそうな顔になる。
 それがもぅとっても可愛い!

 「早速で悪いのだけどノエル、あの子達を呼んでほしいのよ。」

 そうだった。今回母様が来たのにはちゃんと理由があった。もちろん数ヶ月後に控えた成婚式の事なんだけど正装をあのフールフーガの古式型にしたと知った母様はどこかスイッチ入っちゃったらしい。御披露目式も本当ならちょっと出席だけして後はごまかそうとしていたのだ。
 
 「そんなのもったいないわ!この衣装を取り入れたのなら古式のフールフーガ流をもっと取り入れるべきよ!」

 とやる気になってるらしい。いっそのこと招待客にはこの国かフールフーガのどちらかの古式衣装を纏ってもらうのはどうだろう?と提案すると母様の目が変わった。

 「それですノエル!」そう叫んだと思ったら踵を返してなぜか爺を呼んでいる。今爺は僕の部屋でリリーとエンジュを会わせてるんだから邪魔しないであげて。

 母様の暴走が始まっているので僕はサミュとトータにこの事を伝えて来るように伝言。直ぐに来た2人は母様に捕まって説明を受けてるようだ。

 「御披露目式は一瞬だけ2人を見せた後は『疲れの為』と退出させる予定でした。ですが表向きの事しか知らなくてよい者達が多いのも事実です。」

 「でも母様、少しは僕たちの体力も考えて下さいね?朝からお風呂、化粧、婚姻式、衣装替え……もうここら辺で僕らはヘトヘトですよ。それなのに顔見せは必要だからと無理して動いて今の予定です。」

 もうここまで興奮してる母様を止められるのは僕しかいない。城側の都合で色々とさせられそうだと察した僕は間に割って入った。『嫌だ』ではもう止められないのでΩ側ならではの事情をだす。皆さんαだけあって体力が桁違いですもん。

 「えっ……あ、あら…まぁ。」

 さすがの母様も僕ら3人を見て明らかにテンションを下げた。そうでしょうねぇ誰一人として母様より体格が小さく日頃から筋肉の塊の父様を見てる母様から見ればなんとも頼りなさげだろう。
 それでも母様は何かウーンと考えているようだ。

 「……でもね?サミュちゃんが正妃だって解らせとく必要があるの。ね?ちょっと、ちょっとで良いのよ。顔を出してローランドの隣に並べないかしら?
1回祝杯をあげれば良いから!そうしたらもう引っ込んで良いから!」

 そこで僕は閃いた!
もしかして成婚式の方をなんとかしちゃえるんじゃない?
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