Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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母様、待って!

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 僕のところへ陳情書という名のお手紙が山のように届けられている。
 これはある地方にいる文官からで、木こりの家に王妃様が自ら出向いて家具にするための木材を見つけに来た。知らないのも不思議は無いと思い、家具にするためには4.5年乾かさないといけないからと言ったら『婚礼は早くても6.7年先でしょうから問題ないです』と言ったらしい。
 その木こりの家の先にある炭焼小屋にも、母様らしき人物が現れ今年の冬から使う暖炉用の炭として特級品の予約をして帰ったそうだ。……先行投資という名の新しく作る竈の代金白大金貨30枚は謹んでお返しすると。そのうちその辺りの村長が脂汗をかきながら役場に飛び込むだろう。
 可哀想だから爺に言っておくよ?直ぐになんとかしてくれるだろう。

 次……これはいつも小物を買ってる商人だね???いつも母様御用達なんだから特に言いたいことは……これか。『娘可愛さにノエルが城に滞在する日も多いでしょう』という言葉あり。……有難う母様の思惑Get。

 次……おや?リリーに付けてる侍女さんだ。え~と…『お披露目の為の衣装が変な方に進んでます?リリー·ローズという名の通り百合と薔薇の妖精に……』なんてこったい。おそらくリリーの趣味とは真反対だ!リリーの好きな色は緑。スタイルはスッキリ爽やか系。
 それとなく母様に言おう。

 
 こういうお仕事をチマチマと勧めていたのだけど、突然「ノエ~~ルゥ~!」と僕の名を歌うように呼ぶ声と共に母様が入室してきた。

 「母様……ご機嫌ですね?」

 「ええ!ええ!私は今とっても良い気分なのよ!」

 ニコニコルンルンの母様はそう言って僕の頭を撫でたり手をとったりと本当に浮かれて様子だ。爺は母様に落ち着いてもらおうとお茶を用意し僕に視線をよこしたので僕はそれに従ってテーブルヘ母様をエスコートした。

 「ところで母様……ちょっと、母様の言い間違いで大問題になりそうなのでお伺いしたいのですが?」

 そう、ここまでの流れの中で大きな間違いあるよね?とっても!とっても!大きな間違い!!

 「あら?そんな事が?いったい何かしら?」

 ……母様……リリーは母様の養女ではありません!ローランドとサミュの養女ですよ。母様ったら浮かれて自分の養女の様に言ったものだからアッチコッチから発表と王妃の言葉が違うって混乱した問い合わせがあるんですよ。
 それにサミュだって混乱してる筈だ。とりあえず明日スサエナに帰ってサミュに説明してくるので母様はこれ以上ややこしくしないで下さい!

 アッチコッチへの説明やら後始末やらで疲れてるのに明日会うサミュの様子次第ではもっと大変になる……と大きなため息が出た。
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