Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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気を取り直して

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 一件落着!!  と無理やりしたあとは密かに水面下で揉めているリリーのエスコート役を決めましょう!
リリーのお披露目は正式な物なので当然エスコート役が必要なんだけど皆が手をあげた。普通なら父親のアーノルドか兄弟のシモンかアンリで決まるのだけど、物凄い手土産を持って来た祖父であるデジレ様も無下にはできない。そして養父となるローランドも政治絡みだけで養子にする訳では無いアピールをするのに良いと尤もらしい理由を付けて手をあげている。
 色々と面倒だし僕で良くない?リリーは女の子だからΩだけど男性として僕がエスコートできるよね?親だし王族だし良いんじゃない?

 「いや、ノエルじゃ無理だろう?」
 「兄上…それはちょっと。」
 「ノエル様、体力持たないでしょ。」

 ……僕で。と言った瞬間にアーノルド、ローランド、爺から間髪を入れずにNOと言われた。

 「ノエル様、リリー様は実質上これが社交界デビューになるんですよ?ファーストダンスからはじまりラストダンスまでをエスコート側で出来ますか?いつもローランド様に楽させてもらってるでしょ?」

 ……しまった!そうだった!たま~にパーティに出てもダンスはアーノルドにリードを任せて疲れたら運んでもらって、飲食の面倒も見てもらっていたんだった。
 え~、それは無理だな~。

 「ノエル……お前、そういうパーティの愉しみ方なのか?」

 城のパーティに出た事のないマオが『そりゃダメだ』って顔してる。
 いやいやいや!全部のパーティにそんな感じじゃないから!ダンスのあるパーティだけ。

 「マオ、私もそうだよ?何故か張り切ったaのダンスになんてそうそう付いて行けないよ。」

 そうだよ。何故か着飾った番をエスコートするαは張り切る事が多いんだ。
 サミュがフォローしてくれたのでマオは『そんなものか~』と納得してくれたようだ。

 まぁ脱線はここまでとして……ウ~ン誰にするべきか?

 「エスコートはデジレ様お願いできますか?」

 僕はデジレ様にニッコリ笑顔でお願いをした。色々と尤もらしい理由はあるけれど、孫にデレるデジレ様を見たいからだ!……悟られてはいけないから気をつけないとね。



 後日談になるんだけど、デジレ様はやっぱり凄いαだった。提督にエスコートされる時は妖艶さのある姿なのにリリーをエスコートした姿は『凄いa』のイケオジだった。そこに父様からデジレ様の手土産の発表があり、そこの持ち主はリリーであり管理はフールフーガがしてくれるなんて話をしたものだから更に注目を集めた。
 一部の令嬢達の間に広がっていた『提督の足枷』なんていう悪口はあっという間に『提督が引き抜いた人材』に変わっていたが、この先もパーティに出るなら『提督の最愛』と言われるのも直ぐだろう。
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