Ωの僕がお偉いさん

白いモフモフ

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大臣の顔

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 王子の姿で庭に行く。さっきの大臣達に会いに行くのだ。

「こんにちは、そんな所では日に焼けてしまいますよ?宜しければお茶にご一緒しませんか?」

 まだ立ち話中の大臣達の所へ行って話かけた。直ぐ先に四阿があるのだが、母のお気に入りの場所なので臣下だけでは使い辛いのだろう。

「これはこれは、第一王子。お邪魔ではありませんか?それでは少しだけ。」

 あらまぁ。お邪魔ではと思うのなら少しだけと返答するのは早すぎですよ?

「いいえ、そんな事ありませんよ。あちらの四阿に用意をお願いしているのでまいりましょう。」

 先にある四阿を指す。後ろの方で1人が小さく「え、良いのでしょうか…」と言うともう1人が「第一王子なのだから良いに決まってるでしょう」と返している。…ごめんね。後で母様に四阿を独り占めするならもう1個別に作ろうって言っておくからね。

 四阿ではメイドさんがお茶の用意をしていた。後は自分でやるから良いよと伝えて下がらせる。
…さて、僕の入れた紅茶のお味はどうかな?

「お王子!自らお茶など!…私がいたします。」

「良いの良いの。座っていて?」

 ポットに葉を入れてお湯を注ぐ。カップも暖めておいて…。ポットが硝子だから茶葉が沈むのもよく見えて良いね。

「さぁ、皆様どうぞ。」

 カップを配り僕もお茶を飲む。うん、美味しい。
最近は料理も覚えていて誰かに食べてみてほしいとさえ思うほど完成度は上がっていた。
最初は火加減に苦労したよね~なんて思っていたから、皆の視線に気づくのが遅れた。

「あ…あれ?どうなさったのですか?」

僕なにか変?変装はちゃんとしたの鏡で確かめたし何だろう。僕の方を見て何か言いたそうにしていながらも言わない。

「王子はお茶をご自分で淹れられるのですね。」

僕に最初に話かけたのは3人の中で一番若い人だ。確か大臣の中では穏健派…そうそう、国内で二番目に大きな都市を持つ領地グリフウッドの前領主だ。

「はい。必要なことでしょう?」

そっと3人の視線が外される。何…こういう感じ慣れてないから嫌な感じだ。言いたい事あるんならはっきり言ってくれないかな。

「……王子、なぜ我々をお茶に?」

「……そうですね…。」

ああそうだ。僕がお茶に誘うっておかしいよね。
まさか、僕が早く出て行かないかな~って話をしていた人の顔が見たかったなんて言えないよね。

「王子は我々にご用が?」

「ええ。少し…大変聞きにくい事なのですが。」

ごまかす為に言いよどんで時間稼ぎしたが思い出した事がある。ちょっとした疑問があるのでそれを聞きたいが、本当に聞きにくい事なんだ。

「ええと…僕はもうそろそろ城から出る事になっていると思うのですが、その後の対応を何も知らされていないのです。どうなっているのでしょうか?」

僕に、出て行け出て行けという割には何も言ってこないのは何故なのだろうと常々思っていたんだ。










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