【完結】身体の入れ替わり先は聖女様で第二王子の婚約者⁉︎

みやちゃん

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彼氏と彼女

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「コトミ!コトミ!大丈夫か?」

ルイードに叫ばれながらユッサユッサと肩を揺らされている。

「ルイード‥寝起きの人間にひどくない?」

ホッとした顔をしたルイードは口を開く。
「なに言ってるだ。コトミが寝始めてもう丸一日はたってるんだ。どれだけ寝る気なんだ!」
と言いながらもベッドサイドで抱きつかれた。

「コトミが目覚めないのかと思った。」
耳元で言う。
心配をかけたんだ。
ごめんね。

ルイードに報告しなくちゃ。
アイーダと会ったこと。
抱きついて離れないルイードに話しかける。

「夢でアイーダと会ったの。」

「アイーダと?」

「そう、アイーダは私の世界で元気みたいだった。それに私にルイードと幸せになってと言ってくれたんだよ。」

「そうか‥」
ルイードはそれ以上、アイーダについては何も言わなかった。
ずっと一緒にいた二人だもん、私にはわからない繋がりや思いがあるのだろうな。

「コトミ、ここを出たいという気持ちは今でも変わりはないか?俺はずっとコトミの側にいたい。望むなら俺もここを出る。」

ルイードに真剣に見つめられる。
「処刑されるつもり?」

私の望みを叶えるのは難しいってわかった。
ルイードを犠牲にしてまで手に入れるなんて‥無理だよ。

「兄上が言ったのか?コトミは心配しなくていい。処刑はされない道を探す。」
バツが悪そうにルイードは言う。

処刑はされない道って‥
殺される程ではないけど、罰は受けるって事だよね?
もう、レオさんの言う通り馬鹿だね。

「外で生きていくのは諦めた。でもお出かけには付き合ってくれるんでしょ?」
ニッコリと笑いかける。

ルイードは驚いた顔をした。
まぁ、そうだよね。
今までルイードがずっと説得してきた事をいきなり覆すのだから。
どうして、そうなったのかもわかっている。

「兄上の言う事は聞くんだな。」
落ち込むルイード。

うーん、レオさんの言う事を聞くというか説得力が違うというか‥
ルイードは自分にとってのマイナスは一切言わなかったから。
ルイードを傷つけてまでは嫌なんだよ。
なんて言ったらいいんだろう?

どう答えても拗ねそう。
いや、もう拗ねている。

久しぶりに見た。
ルイードの拗ねているところ‥
そんな一面すら嬉しくなる。

「コトミ、おれが必要だと言ってくれ。」

「えっ、そんなの‥」
言わされた形で言いたくない。
今それを言ったらルイードは本当の想いだととってくれない。

どう返して良いか悩む。

「じゃあ、前に何でもいう事を聞くと言ってくれた、それを使う。今、ここで言ってくれ!嘘でもいい。」

嘘でもって‥
だから言いたくないんだって、わからないのかな?
にしてもよく覚えていたな、そんな約束。

ベット越しにいるルイードを抱きしめた。
「そんなの言わされて言いたくない。ルイードが好きだよ。ずっと側にいたい。だから外出で我慢する。」

「コトミ‥」

「うん、これからもよろしくお願いします。彼氏として」

「彼氏ってなんだ?」
そっか、王族はいきなり婚約者だもんね、付き合うとかないか。

「付き合うって事だよ。」

「婚約者となにが違う?」

「婚約者のまだ下かな?婚約者は結婚を約束した二人だし。好き合ったもの同士が一緒にいるのが彼氏と彼女。」

まだ私は女子高校生なんだよ、彼氏、彼女の関係を楽しみたい。
この世界がなんと言おうと結婚とか考える歳では断じてない!

「えっ‥」
ルイードはドン引きをしている。

「いや、おかしいだろ。今だって婚約者なのにそれより関係が落ちるなんて。想いが通じ合っているなら次は結婚だろう!」

だからこの歳で結婚なんてあり得ない!
「無理!高校卒業の歳までは女子高校生なの!結婚なんてまだ先の事だよ!」

「女子高校生ってやつはいつ終わるんだ?」

「18歳で卒業かな?」

「えっ、じゃ結婚できるまで2年もあるのか?」
ルイードはありえないと目で訴えている。

「それまで彼氏彼女を楽しもう!」
ルイードに抱きついて顔をみてニコッと笑う。

夢じゃない?
現実だよな?
オロオロ、ソワソワ。
手はどうしたらいい?
後ろに回したらいいのか?
ルイードはコトミから抱きついてきた事に舞い上がっている。

外で生きるという望みに答えるのは難しいが、この願いは叶えられる。

今までずっとコトミの望みを断ってきたルイードにとって、叶えられるお願いを言われた事が嬉しかった。

「わかった。兄上に伝えてみる。怒るだろうな‥」

コトミが嬉しそうだから言わないが、俺達が結婚しなければ、あと二年兄上は婚約者を作る事はできない。

コトミが笑ってくれるのが俺にとっての一番の幸せだから、兄上には犠牲になってもらおう。
怒るだけで終わればいいが‥はぁ。

「よくわからないけど頑張れ!レオさんの怒った笑顔怖いよね!」
他人事のようにコトミは俺にエールは送る。

「ところで‥」
神妙な顔をしてルイードは言う。

「彼氏彼女とは何をするんだ?」


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