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夜会準備って大変
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知らなかった。
夜会というのに出るためにこんなに準備がいるなんて‥
っか上から下まで身体は磨かれて
コルセットをギューと締められ
フワフワの高そうなドレスを着せられて
これまた、お高そうな宝石がついたアクセサリーをつけられて‥
汚したらどうしよう。
宝石無くしたらまずいよね‥
こんなドレスや宝石なんか一生お目にかかれなかっただろう私にはストレスでしかない。
プルプルと足も震える。
ドレスも宝石も重いし‥
あの体力も筋力もないアイーダがこれを着て歩いてるの?
無理じゃない?
こんなに毎日、筋トレをしている私でさえ、この重さに耐えられないのに。
確かに可愛い薄黄色のドレスにフリルにレースがいっぱい付いている。
宝石だってキラキラ光って綺麗だ。
女の子なら一度は憧れるお姫様スタイル。
小さな頃の話だけどね。
だけど、今こんなドレスを着るのは恥ずかしすぎる。
ハロウィンの仮装かって言いたくなる。
「ミルダさん、前はこんなの着てたの?重くて歩けないんだけど。」
「‥‥」
髪の毛のセットをしているミルダさんの手が止まった。
「ミルダさん?」
「申し訳ありません。前の聖女様のドレスとは違います。ですが、アーリア姫がいるなら‥着飾った方が良いと思いました。ルイード様のお色ですし‥エスコートもルイード様に頼みましょう。」
ドレスの色がルイードの髪の色なんだと気づいた。
ルイードを意識したドレスなんだ。
偽物の私が着て良いものじゃないよと言いたい。
「外務大臣さんがエスコートしてくれることになったでしょう?それではダメなの?」
「いえ、いけなくはないのですが‥」
「じゃあ、このままで。それとも元々のドレスにして。」
「‥承知しました。」
すぐに変更したドレスを着た。
アイーダの趣味なのだろうか?
真っ白なシンプルなドレス。
フリルなどはないが、小さないくつかの宝石を散りばめており、着心地もめちゃくちゃ良かった。
ドレスの良し悪しなんかわからないけど、このドレスもお高いのは間違いない。
そして、立食パーティーのようだけど、このドレスでご飯を食べたらいけないやつ。
それだけはわかる。
ポトっと汁がドレスについた日には泣くしかない。
さっきのをザ・お姫様と言うならこちらはザ・聖女様というような神秘的な清楚さがある。
アイーダの趣味かな。
私はこっちの方が好きだなぁ。
こっちの世界のファッションは私の価値観とは合わない。
でも、このドレスは私好みだ。
やっぱりアイーダと私は繋がった存在なのだと思うと少しだけ嬉しくなった。
夜会に数分顔を出すだけで大げさだなと思ってたけど‥
ミルダさんが何を心配していたのか夜会会場ですぐにわかった。
外務大臣のお迎えがあり、出向いた夜会会場の入り口で見てしまったのだ。
ルイードとキラキラ・フワフワドレスを着た美人のザ・お姫様が腕を組み、歩いている姿を。
正装しているルイードは本当にカッコいい。
他の人とは明らかにオーラが違う。
人を惹きつける。
そんな彼は隣にいるザ・お姫様に優しく微笑んでいる。
私に見せるような気さくに笑う彼ではなく、お姫様に優雅に笑いかけるルイードもまたザ・王子様だ。
あんなルイードを初めて見た。
私とお姫様への扱いの違い‥
私とルイードはいつもふざけ合って友達みたいな関係だった。
それが楽しくて仕方なかった。
だけど‥
あの二人は歩くだけで絵になるような完璧なカップルに見える。
お姫様と王子様‥本当にお似合いだ。
あぁ、ルイードが忙しいと言っていたのはこれだったんだとボンヤリと思った。
夜会というのに出るためにこんなに準備がいるなんて‥
っか上から下まで身体は磨かれて
コルセットをギューと締められ
フワフワの高そうなドレスを着せられて
これまた、お高そうな宝石がついたアクセサリーをつけられて‥
汚したらどうしよう。
宝石無くしたらまずいよね‥
こんなドレスや宝石なんか一生お目にかかれなかっただろう私にはストレスでしかない。
プルプルと足も震える。
ドレスも宝石も重いし‥
あの体力も筋力もないアイーダがこれを着て歩いてるの?
無理じゃない?
こんなに毎日、筋トレをしている私でさえ、この重さに耐えられないのに。
確かに可愛い薄黄色のドレスにフリルにレースがいっぱい付いている。
宝石だってキラキラ光って綺麗だ。
女の子なら一度は憧れるお姫様スタイル。
小さな頃の話だけどね。
だけど、今こんなドレスを着るのは恥ずかしすぎる。
ハロウィンの仮装かって言いたくなる。
「ミルダさん、前はこんなの着てたの?重くて歩けないんだけど。」
「‥‥」
髪の毛のセットをしているミルダさんの手が止まった。
「ミルダさん?」
「申し訳ありません。前の聖女様のドレスとは違います。ですが、アーリア姫がいるなら‥着飾った方が良いと思いました。ルイード様のお色ですし‥エスコートもルイード様に頼みましょう。」
ドレスの色がルイードの髪の色なんだと気づいた。
ルイードを意識したドレスなんだ。
偽物の私が着て良いものじゃないよと言いたい。
「外務大臣さんがエスコートしてくれることになったでしょう?それではダメなの?」
「いえ、いけなくはないのですが‥」
「じゃあ、このままで。それとも元々のドレスにして。」
「‥承知しました。」
すぐに変更したドレスを着た。
アイーダの趣味なのだろうか?
真っ白なシンプルなドレス。
フリルなどはないが、小さないくつかの宝石を散りばめており、着心地もめちゃくちゃ良かった。
ドレスの良し悪しなんかわからないけど、このドレスもお高いのは間違いない。
そして、立食パーティーのようだけど、このドレスでご飯を食べたらいけないやつ。
それだけはわかる。
ポトっと汁がドレスについた日には泣くしかない。
さっきのをザ・お姫様と言うならこちらはザ・聖女様というような神秘的な清楚さがある。
アイーダの趣味かな。
私はこっちの方が好きだなぁ。
こっちの世界のファッションは私の価値観とは合わない。
でも、このドレスは私好みだ。
やっぱりアイーダと私は繋がった存在なのだと思うと少しだけ嬉しくなった。
夜会に数分顔を出すだけで大げさだなと思ってたけど‥
ミルダさんが何を心配していたのか夜会会場ですぐにわかった。
外務大臣のお迎えがあり、出向いた夜会会場の入り口で見てしまったのだ。
ルイードとキラキラ・フワフワドレスを着た美人のザ・お姫様が腕を組み、歩いている姿を。
正装しているルイードは本当にカッコいい。
他の人とは明らかにオーラが違う。
人を惹きつける。
そんな彼は隣にいるザ・お姫様に優しく微笑んでいる。
私に見せるような気さくに笑う彼ではなく、お姫様に優雅に笑いかけるルイードもまたザ・王子様だ。
あんなルイードを初めて見た。
私とお姫様への扱いの違い‥
私とルイードはいつもふざけ合って友達みたいな関係だった。
それが楽しくて仕方なかった。
だけど‥
あの二人は歩くだけで絵になるような完璧なカップルに見える。
お姫様と王子様‥本当にお似合いだ。
あぁ、ルイードが忙しいと言っていたのはこれだったんだとボンヤリと思った。
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