【完結】聖騎士を死なせた聖女は平民として生きる?

みやちゃん

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それからレピアはアールを常に一緒に行動するようになった。
お茶会や食事も共にしていた。
もう聖女と聖騎士だけの関係でない。
公にしても良い関係である事は誰の目にもわかるようになるのに時間はかからなかった。

アールはレピアの夫候補と噂されるようになった。

「ノルディ様レピア様の事はもう良いのですか?」
側近のウースは恐る恐るノルディに聞いた。

ノルディが最近ずっと機嫌が悪いのはレピア絡みなのはわかっていた。
これ以上レピア様と聖騎士アールが近づけばノルディの入る隙間などなくなってしまう。

「…レピア様が望めば、手に入らないものなどない。私が良い悪いという話ではない。」

ノルディはずっとずっとレピアだけを見てきた。

誰よりも近い場所にいたのに、その場所をポッと出の男に取られるなんて。
いや、自分よりもレピア様と距離は近いだろう。

ノルディはその事が悔しくて仕方がなかった。

今まで頑張ってきたのはレピア様を妃に迎え入れる為だったのに…

神殿側もアールを全面に支持している。
それはそうだ。
聖女を取られたくない神殿側の思惑と一致しているのだから。

レピアの反対をするものなど誰もいない。
皇帝である父も自分の味方などしてくれないのはわかっていた。

いや、反対されてもレピアは従う義務はない。
この国で一番身分が高いのは彼女なのだから。

ノルディはギリギリと拳を握りしめた。

腹立たしく思う一方で、レピアのアールに向ける笑顔を思い出していた。

「あの笑顔を私に向けて欲しかった。」

あの笑顔が手に入るなら何だってするのに…
どうして自分ではない者に向ける?

この場にウースがいなければノルディは涙を流したかもしれない。

ポツリと呟くノルディをウースは見つめることしかできなかった。

「どうして聖女様はノルディ様の気持ちに気づかないのか…」
聖女様もノルディの事を大切にしていたのを知っている。
恋愛対象には見ていなかったとしても。

お似合いだった二人なのに…

レピアとノルディが楽しそうにお茶をしている場面を思い出しウースは悔しかった。

あのアールという聖騎士。
一見人当たりがよさそうだが、裏がありそうだ…ウースはそう思っていた。
優しそうな目が時々鋭くなる時がある。

そう考えてから自分の考えを否定した。

ノルディに肩入れしている自分はアールをよく思っていない為、そう見えてしまうのかもしれないからだ。

先入観を持つのはやめよう。

聖女様のためにもノルディ様のためにも…

そう思うとノルディにもアールから感じる違和感について話す事をためらってしまった。

何より意気消沈しているノルディに何の根拠もないウースの違和感など言えるはずもなかった。

そう、話しておけば良かったと後から悔やむ事になるなんてその時のウースは思ってもいなかった。
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