9 / 87
第1章
聖女候補になりました
しおりを挟む
聖女候補として神殿の案内を受けた後、自分の部屋を教えられた。
神殿の中にリーナの部屋があるのだ。
嬉しくて嬉しくて仕方がない。
生まれて初めてできた一人部屋、ウキウキしながら扉を開けた。
隣から怒鳴り声が聞こえてきてドア越しにそちらの方を見た。
アリーティナだった。
「何、この汚い部屋!ここで生活しろっていうの?私を誰だと思っているの?」
アリーティナは神官に向かって怒鳴っている。
汚い?
部屋は綺麗に整理整頓されていて、ベットのシーツも清潔感がある。
何が汚いのだろう?
どれもピカピカじゃない。
アリーティナはまだ怒鳴り続けており、神官がなだめている。
リーナは自分の部屋に足を踏み込んだ。
何が不満なのかさっぱりわからない。
バタン
自分の部屋の扉を閉め、ベットに飛び込んだ。
布団はフワフワだ!
お母さんがいたら行儀が悪いって怒られるんだろうなぁと思いながら嬉しくて枕に顔を突っ込んでいた。
家にいた頃は弟達と同じベットで寝ていたし、ラハールさんと一緒にいた時も簡易ベットとかが多かった。
これが2年間の私のベットかぁ。
ルートとネマもこのベットみたらとても喜ぶのに‥
お給料ももらえるっていってたからいつかこのベットをプレゼントしたい。
あの二人なら絶対、感動して泣くよ。
ベットの横には本棚もあり、本もぎっしり入っている。
本棚の本の表紙を見る。
読めない。
きっと聖女に関するものだとわかるが、リーナが習ったのは日常生活に使う物の単語くらいだ。
専門的な内容の本は全く読めなかった。
リーナの持ってきたものは少ない。
整理もすぐに終わり、少し神殿の中を散歩する事にした。
神殿の庭に色々な花が咲いている。
「綺麗‥」
キョロキョロと周りを見る。
こんな綺麗な花が村の近くで咲いていたら高く売れただろうなと考えてしまう。
みんな、元気かな?
私、聖女候補になれたよ。
綺麗な花に囲まれて油断したのか、涙が溢れてくる。
ホームシック‥?こんなに家族から離れて生活した事はなかったから。
会いたい‥。
家族の事を考えると、今まで張り詰めたものが緩んでしまう。
ガサッ
すぐ後ろで音がした。
一人だと思って泣いていたのに、誰かいる?
振り返ると男の人が驚いた顔で立っていた。
20台前半と思われる綺麗な青年だ。
綺麗と一言では言えない美しさがある。
こんな綺麗な人を初めてみた。
腰まである金色の髪はキラキラと輝き、真っ青の瞳には吸い込まれそうになる。
あの水晶と同じ色の瞳‥
真っ白い衣服を着ているところを見ると神殿の関係者かもしれない。
「泣いているのか?」
その青年の美しさに気を取られて涙を拭くのも忘れていた。
青年が手を伸ばしてくる。
手を伸ばされ一瞬ビクッとなったが、その手は涙を拭ってくれる。
優しくてあたたかい、大きな手だ。
余計に涙が出てくる。
青年はその様子を見て、どうして良いかわからずオロオロしていた。
「ごめんなさい、あなたが悪いわけじゃないのに泣いてしまって。家族を思い出して寂しくなっていただけです。」
目に涙を拭って笑ってみせた。
「そうか、私には家族がいないからどのような感情かはわからないが、寂しいというのなら私が側にいよう。」
青年はそう言って微笑んだ。
神殿の中にリーナの部屋があるのだ。
嬉しくて嬉しくて仕方がない。
生まれて初めてできた一人部屋、ウキウキしながら扉を開けた。
隣から怒鳴り声が聞こえてきてドア越しにそちらの方を見た。
アリーティナだった。
「何、この汚い部屋!ここで生活しろっていうの?私を誰だと思っているの?」
アリーティナは神官に向かって怒鳴っている。
汚い?
部屋は綺麗に整理整頓されていて、ベットのシーツも清潔感がある。
何が汚いのだろう?
どれもピカピカじゃない。
アリーティナはまだ怒鳴り続けており、神官がなだめている。
リーナは自分の部屋に足を踏み込んだ。
何が不満なのかさっぱりわからない。
バタン
自分の部屋の扉を閉め、ベットに飛び込んだ。
布団はフワフワだ!
お母さんがいたら行儀が悪いって怒られるんだろうなぁと思いながら嬉しくて枕に顔を突っ込んでいた。
家にいた頃は弟達と同じベットで寝ていたし、ラハールさんと一緒にいた時も簡易ベットとかが多かった。
これが2年間の私のベットかぁ。
ルートとネマもこのベットみたらとても喜ぶのに‥
お給料ももらえるっていってたからいつかこのベットをプレゼントしたい。
あの二人なら絶対、感動して泣くよ。
ベットの横には本棚もあり、本もぎっしり入っている。
本棚の本の表紙を見る。
読めない。
きっと聖女に関するものだとわかるが、リーナが習ったのは日常生活に使う物の単語くらいだ。
専門的な内容の本は全く読めなかった。
リーナの持ってきたものは少ない。
整理もすぐに終わり、少し神殿の中を散歩する事にした。
神殿の庭に色々な花が咲いている。
「綺麗‥」
キョロキョロと周りを見る。
こんな綺麗な花が村の近くで咲いていたら高く売れただろうなと考えてしまう。
みんな、元気かな?
私、聖女候補になれたよ。
綺麗な花に囲まれて油断したのか、涙が溢れてくる。
ホームシック‥?こんなに家族から離れて生活した事はなかったから。
会いたい‥。
家族の事を考えると、今まで張り詰めたものが緩んでしまう。
ガサッ
すぐ後ろで音がした。
一人だと思って泣いていたのに、誰かいる?
振り返ると男の人が驚いた顔で立っていた。
20台前半と思われる綺麗な青年だ。
綺麗と一言では言えない美しさがある。
こんな綺麗な人を初めてみた。
腰まである金色の髪はキラキラと輝き、真っ青の瞳には吸い込まれそうになる。
あの水晶と同じ色の瞳‥
真っ白い衣服を着ているところを見ると神殿の関係者かもしれない。
「泣いているのか?」
その青年の美しさに気を取られて涙を拭くのも忘れていた。
青年が手を伸ばしてくる。
手を伸ばされ一瞬ビクッとなったが、その手は涙を拭ってくれる。
優しくてあたたかい、大きな手だ。
余計に涙が出てくる。
青年はその様子を見て、どうして良いかわからずオロオロしていた。
「ごめんなさい、あなたが悪いわけじゃないのに泣いてしまって。家族を思い出して寂しくなっていただけです。」
目に涙を拭って笑ってみせた。
「そうか、私には家族がいないからどのような感情かはわからないが、寂しいというのなら私が側にいよう。」
青年はそう言って微笑んだ。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
ヒロインと結婚したメインヒーローの側妃にされてしまいましたが、そんなことより好きに生きます。
下菊みこと
恋愛
主人公も割といい性格してます。
アルファポリス様で10話以上に肉付けしたものを読みたいとのリクエストいただき大変嬉しかったので調子に乗ってやってみました。
小説家になろう様でも投稿しています。
異世界召喚されたアラサー聖女、王弟の愛人になるそうです
籠の中のうさぎ
恋愛
日々の生活に疲れたOL如月茉莉は、帰宅ラッシュの時間から大幅にずれた電車の中でつぶやいた。
「はー、何もかも投げだしたぁい……」
直後電車の座席部分が光輝き、気づけば見知らぬ異世界に聖女として召喚されていた。
十六歳の王子と結婚?未成年淫行罪というものがありまして。
王様の側妃?三十年間一夫一妻の国で生きてきたので、それもちょっと……。
聖女の後ろ盾となる大義名分が欲しい王家と、王家の一員になるのは荷が勝ちすぎるので遠慮したい茉莉。
そんな中、王弟陛下が名案と言わんばかりに声をあげた。
「では、私の愛人はいかがでしょう」
酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜
鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。
そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。
秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。
一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。
◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
「魔道具の燃料でしかない」と言われた聖女が追い出されたので、結界は消えます
七辻ゆゆ
ファンタジー
聖女ミュゼの仕事は魔道具に力を注ぐだけだ。そうして国を覆う大結界が発動している。
「ルーチェは魔道具に力を注げる上、癒やしの力まで持っている、まさに聖女だ。燃料でしかない平民のおまえとは比べようもない」
そう言われて、ミュゼは城を追い出された。
しかし城から出たことのなかったミュゼが外の世界に恐怖した結果、自力で結界を張れるようになっていた。
そしてミュゼが力を注がなくなった大結界は力を失い……
二度目の召喚なんて、聞いてません!
みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。
その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。
それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」
❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。
❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。
❋他視点の話があります。
聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる