【完結】闇落ちした聖女候補は神様に溺愛される

みやちゃん

文字の大きさ
15 / 87
第1章

リーナの負の感情

しおりを挟む
「じゃあ、今日はここまでにしましょう。質問はありますか?」
ラリーン先生はとても熱心に教えてくれた。
たぶん、こんなに手のかかる生徒はいないと思う。
わからないところは何度も教えてくれる。

「一つ聞きたい事があります。」
私はどうしても気になる事があった。

「何でしょう?」
ラリーン先生は真剣な眼差しを向けてくれる。
先生はとても厳しい。
人にも自分にも。
でも、きっと優しい人だ。
こんな風に私の話にも真剣に耳を傾けてくれるのだから。

神様と会っているのは内緒の事じゃないよね‥

「心を強く持ちなさい。神は穢れを嫌います。あなたのその劣等感が大きくなれば、穢れにつながる。」
先生が言った言葉が頭の中をグルグルと回っている。

私は今、負の感情がある事を自覚している。
穢れを持っていないだろうか。
神様を不快にしたりしないだろうか。

神様には嫌われたくない‥

「今の私は神様に会っても大丈夫だと思いますか?穢れはないと思いますか?」

令嬢達に対し、今もモヤモヤしている。
穢れを持っているかもしれない私が神様と会っても良いのだろうか?

その質問を聞いたラリーン先生は目を大きく見開いて驚いた表情をした。

「‥その言い方だと神に会う予定があるようですね。」
ジロリとラリーン先生は私を見る。

言ってはいけなかったのかと後悔したけど、先生に嘘をつくだけの演技力なんてない。
素直に言うしかない。

「はい‥ダメでしたか?」
私は恐る恐る聞く。

「いえ、少し驚いただけです。そうですね、そう言う事ならこれをあげましょう。」

首に手を回すと服の中から石のついたペンダントを取り出し、はずして私に渡してきた。

その石は選定の時に見た水晶と同じように吸い込まれそうな綺麗な青色をしていた。

「綺麗‥」
リーナは思ったまま呟いた。
その色は神様の瞳の色‥
ウットリとその石を見つめる。

「触ってみなさい。」
ラリーン先生に言われるまま石に触る。

石の色は変わらない。
澄んだ青い色をしている。

「それが答えよ。」
ラリーン先生が微笑む。

答え?
何でこれが答えになるの?

「それは水晶と同じものでできています。浄化の力をみる水晶とは違って、触った人の心の色を映し出すもの。心が澄んでいれば青、負の感情が強ければ赤、そして穢れをまとえば黒に色がかわります。」

じゃあ、私が触っても青のままだったから、大丈夫だ。

今日も神様に会いに行ける。
そう思うと嬉しくて今までのモヤモヤしていた感情も消し飛んでしまった。

「これから感情のコントロールや浄化の方法を学んでいきます。でも、今のあなたにはまだ難しいと思う。だから、神と会う前には必ず心の色を確認しなさい。どのような神かは知らないけれど、その縁を大切にした方が良いわ。」

「はい、ありがとうございます!いつかこの石のお礼を必ずしますね。」

今の私には返せるものが何もない。
感謝しか伝えられない。

「それなら立派な聖女になりなさい。一人でも多くの聖女を育て穢れを減らす。私の大切な神との約束なのです。」
そう言って微笑むラリーン先生はとても優しくて素敵だった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

存在感のない聖女が姿を消した後 [完]

風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは 永く仕えた国を捨てた。 何故って? それは新たに現れた聖女が ヒロインだったから。 ディアターナは いつの日からか新聖女と比べられ 人々の心が離れていった事を悟った。 もう私の役目は終わったわ… 神託を受けたディアターナは 手紙を残して消えた。 残された国は天災に見舞われ てしまった。 しかし聖女は戻る事はなかった。 ディアターナは西帝国にて 初代聖女のコリーアンナに出会い 運命を切り開いて 自分自身の幸せをみつけるのだった。

酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜

鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。 そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。 秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。 一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。 ◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。

【完結】赤ちゃんが生まれたら殺されるようです

白崎りか
恋愛
もうすぐ赤ちゃんが生まれる。 ドレスの上から、ふくらんだお腹をなでる。 「はやく出ておいで。私の赤ちゃん」 ある日、アリシアは見てしまう。 夫が、ベッドの上で、メイドと口づけをしているのを! 「どうして、メイドのお腹にも、赤ちゃんがいるの?!」 「赤ちゃんが生まれたら、私は殺されるの?」 夫とメイドは、アリシアの殺害を計画していた。 自分たちの子供を跡継ぎにして、辺境伯家を乗っ取ろうとしているのだ。 ドラゴンの力で、前世の記憶を取り戻したアリシアは、自由を手に入れるために裁判で戦う。 ※1話と2話は短編版と内容は同じですが、設定を少し変えています。

無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました

結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから―― ※ 他サイトでも投稿中

ヒロインと結婚したメインヒーローの側妃にされてしまいましたが、そんなことより好きに生きます。

下菊みこと
恋愛
主人公も割といい性格してます。 アルファポリス様で10話以上に肉付けしたものを読みたいとのリクエストいただき大変嬉しかったので調子に乗ってやってみました。 小説家になろう様でも投稿しています。

冷酷騎士団長に『出来損ない』と捨てられましたが、どうやら私の力が覚醒したらしく、ヤンデレ化した彼に執着されています

放浪人
恋愛
平凡な毎日を送っていたはずの私、橘 莉奈(たちばな りな)は、突然、眩い光に包まれ異世界『エルドラ』に召喚されてしまう。 伝説の『聖女』として迎えられたのも束の間、魔力測定で「魔力ゼロ」と判定され、『出来損ない』の烙印を押されてしまった。 希望を失った私を引き取ったのは、氷のように冷たい瞳を持つ、この国の騎士団長カイン・アシュフォード。 「お前はここで、俺の命令だけを聞いていればいい」 物置のような部屋に押し込められ、彼から向けられるのは侮蔑の視線と冷たい言葉だけ。 元の世界に帰ることもできず、絶望的な日々が続くと思っていた。 ──しかし、ある出来事をきっかけに、私の中に眠っていた〝本当の力〟が目覚め始める。 その瞬間から、私を見るカインの目が変わり始めた。 「リリア、お前は俺だけのものだ」 「どこへも行かせない。永遠に、俺のそばにいろ」 かつての冷酷さはどこへやら、彼は私に異常なまでの執着を見せ、甘く、そして狂気的な愛情で私を束縛しようとしてくる。 これは本当に愛情なの? それともただの執着? 優しい第二王子エリアスは私に手を差し伸べてくれるけれど、カインの嫉妬の炎は燃え盛るばかり。 逃げ場のない城の中、歪んだ愛の檻に、私は囚われていく──。

二度目の召喚なんて、聞いてません!

みん
恋愛
私─神咲志乃は4年前の夏、たまたま学校の図書室に居た3人と共に異世界へと召喚されてしまった。 その異世界で淡い恋をした。それでも、志乃は義務を果たすと居残ると言う他の3人とは別れ、1人日本へと還った。 それから4年が経ったある日。何故かまた、異世界へと召喚されてしまう。「何で!?」 ❋相変わらずのゆるふわ設定と、メンタルは豆腐並みなので、軽い気持ちで読んでいただけると助かります。 ❋気を付けてはいますが、誤字が多いかもしれません。 ❋他視点の話があります。

聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。

処理中です...