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第1章
マークバルダとラリーン(ラリーン視点)
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「マークバルダ様、お久しぶりです。」
ラリーンはマークバルダに頭を下げる。
リーナに段取りをしてもらい、マークバルダとラリーンは会う事になった。
まぁ、リーナが日時を決めたくてマークバルダに駆け寄り、ヴォルティスが拗ねるというおまけはついてきたが。
「あぁ、2年ぶりか。元気そうで何よりだ。」
マークバルダも自分の元聖女に微笑む。
2人の絆はとても強いものだったとマークバルダもラリーンも思っている。
絆は切っても、連絡を取りあわなくても心はずっと繋がっていると。
このまま、思い出話でもしながら笑いあえたら、どんなにいいだろう。
マークバルダもラリーンもそう思ったが、今日しなければならない話は別にある。
最初に切り出したのはラリーン。
「マークバルダ様、リーナさんのペンダントについて話があります。」
マークバルダはなぜラリーンに呼ばれたのかわかっていたし、責められるだけの事をしている自覚はあった。
「わかっている。だが、私ではどうする事もできなかった。あれは最高神ヴォルティス様の贈り物だ。」
「どうして、最高神が?」
ラリーンは驚きを隠せない。
裁きの神がどうしてリーナさんに‥
「ヴォルティス様の穢れを浄化できるのがあの娘だけだからだ。」
最高神の穢れを浄化できる?
聖女ではできないはずでは‥
マークバルダはラリーンの視線を感じ、返答する。
「今までヴォルティス様を浄化できる者などいなかった。初めて、聖女と絆を結べる‥ヴォルティス様の喜びは大きい。あの娘への執着はすごい。いや、もう依存といってもいいかもしれない。あの娘を失えば、この世は終わる可能性すらある‥」
マークバルダの疲れ切った様子を見るとそれが事実である事がわかる。
ラリーンはなぜ、そんな事になったのかという気持ちが大きい。
最高神の穢れを増やさないように、ラリーンは聖女を増やし穢れの浄化を、マークバルダは人と関わり、注意喚起をしていたのだ。
少しでも神の裁きを遅らせるために。
「ですが、リーナさんは人です。ずっと一緒にいられる訳がない‥」
「わかっている。あの娘の生きているうちに何とかしなければならない。後何十年かでヴォルティス様が落ち着いてくれれば良いが‥」
マークバルダのため息が聞こえる。
「それまであの娘を守ってくれ。今何かあれば‥」
マークバルダは言葉を続けられない。
ラリーンも聞くことができない。
最悪の結果しか考えつかないのだから。
ラリーンもため息が出る。
久しぶりに会ったマークバルダ様との会話はこんなに重たいものになるなんて。
大体、私の残りの寿命を考えてもリーナさんを見守る余裕があるのかどうか‥
それに平民であるリーナさんを大っぴらにかばうと余計に令嬢達から目をつけられる。
アリーティナ公爵令嬢の存在がラリーンの不安要素だが、どうする事もできない。
神が出てくると余計に面倒な事になる。
神殿に伝えれば‥パニックになるだろう。
神の裁き自体知らないのだから。
もう私は引退した元聖女ですよ?
権限も時間も限られている。
何でこの世の破滅みたいな話に巻き込まれているのでしょう‥
リーナさんを陰ながら守るしかない。
彼女に何か起こるなんて事は絶対に許されない。
ラリーンはマークバルダに頭を下げる。
リーナに段取りをしてもらい、マークバルダとラリーンは会う事になった。
まぁ、リーナが日時を決めたくてマークバルダに駆け寄り、ヴォルティスが拗ねるというおまけはついてきたが。
「あぁ、2年ぶりか。元気そうで何よりだ。」
マークバルダも自分の元聖女に微笑む。
2人の絆はとても強いものだったとマークバルダもラリーンも思っている。
絆は切っても、連絡を取りあわなくても心はずっと繋がっていると。
このまま、思い出話でもしながら笑いあえたら、どんなにいいだろう。
マークバルダもラリーンもそう思ったが、今日しなければならない話は別にある。
最初に切り出したのはラリーン。
「マークバルダ様、リーナさんのペンダントについて話があります。」
マークバルダはなぜラリーンに呼ばれたのかわかっていたし、責められるだけの事をしている自覚はあった。
「わかっている。だが、私ではどうする事もできなかった。あれは最高神ヴォルティス様の贈り物だ。」
「どうして、最高神が?」
ラリーンは驚きを隠せない。
裁きの神がどうしてリーナさんに‥
「ヴォルティス様の穢れを浄化できるのがあの娘だけだからだ。」
最高神の穢れを浄化できる?
聖女ではできないはずでは‥
マークバルダはラリーンの視線を感じ、返答する。
「今までヴォルティス様を浄化できる者などいなかった。初めて、聖女と絆を結べる‥ヴォルティス様の喜びは大きい。あの娘への執着はすごい。いや、もう依存といってもいいかもしれない。あの娘を失えば、この世は終わる可能性すらある‥」
マークバルダの疲れ切った様子を見るとそれが事実である事がわかる。
ラリーンはなぜ、そんな事になったのかという気持ちが大きい。
最高神の穢れを増やさないように、ラリーンは聖女を増やし穢れの浄化を、マークバルダは人と関わり、注意喚起をしていたのだ。
少しでも神の裁きを遅らせるために。
「ですが、リーナさんは人です。ずっと一緒にいられる訳がない‥」
「わかっている。あの娘の生きているうちに何とかしなければならない。後何十年かでヴォルティス様が落ち着いてくれれば良いが‥」
マークバルダのため息が聞こえる。
「それまであの娘を守ってくれ。今何かあれば‥」
マークバルダは言葉を続けられない。
ラリーンも聞くことができない。
最悪の結果しか考えつかないのだから。
ラリーンもため息が出る。
久しぶりに会ったマークバルダ様との会話はこんなに重たいものになるなんて。
大体、私の残りの寿命を考えてもリーナさんを見守る余裕があるのかどうか‥
それに平民であるリーナさんを大っぴらにかばうと余計に令嬢達から目をつけられる。
アリーティナ公爵令嬢の存在がラリーンの不安要素だが、どうする事もできない。
神が出てくると余計に面倒な事になる。
神殿に伝えれば‥パニックになるだろう。
神の裁き自体知らないのだから。
もう私は引退した元聖女ですよ?
権限も時間も限られている。
何でこの世の破滅みたいな話に巻き込まれているのでしょう‥
リーナさんを陰ながら守るしかない。
彼女に何か起こるなんて事は絶対に許されない。
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