【完結】闇落ちした聖女候補は神様に溺愛される

みやちゃん

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第1章

アリーティナの苛立ち(アリーティナ視点)

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どうしてこんな事になっているの。
ありえない‥
アリーティナは納得がいかない。
いや、憤りすら感じている。

あの平民すぐに神殿から消えると思っていたのに。
選定の儀から一年経ってもまだ、聖女候補として存在している。

アリーティナはこの国でも一番王家にも近いと言われている公爵の令嬢として誕生した。
王太子と年が近かったこともあり、王太子妃になるのは確実だと期待されていた。
アリーティナ自身もそう思っていた。
教養もマナーも美貌も家柄も全てアリーティナより勝る令嬢なんてこの世には、いないのだから。

なのに王太子が選んだのは冴えない侯爵令嬢だった。
幸せそうにほほえみ合う二人をみて苛立ちを隠せなかった。

私の方が優れているのになぜ?
自分がどうして選ばれなかったのか。
アリーティナのプライドは粉々に砕け、周囲の哀れみの目も苦痛でしょうがなかった。

その視線にも耐えれなくなり聖女選定の儀を受けたのだ。
ここなら2年間は周囲の者達から離れる事ができる。

そして‥
聖女になって見返してやる。
あの冴えない侯爵令嬢より上の立場になって王太子を後悔させる。
聖女になる事はアリーティナの王太子と冴えない侯爵令嬢への復讐だった。


リーナは立場もわきまえず、王太子の婚約者におさまったあの侯爵令嬢に似ていた。
あの笑った顔を見ると苛立ちは増した。
近くにいるだけで拒絶反応がでる。

それなのに、どうしてあの平民が目立つのか。
なぜ、水晶はあの子の時に一番光った?
どうして、あんな知性のかけらもない平民がみんなの注目を浴びて、嬉しそうに笑っているのか。

なぜ?なぜ?なぜ?
浄化の力も私よりあの平民の方が上だなんて。

許せるはずがない。
 
あの平民は選定直後、字の読み書きが出なかったのにラリーンという元聖女に補習を受けて聖典も読めるようになった。
ラリーンがリーナをかばっているように思わせる場面もある。
ラリーンを味方につけ、補習と称したその時間に裏で何か教わっているのかもしれない。

私より前に出る事は許さない。
私より目立つ者は排除する。
そういう風に親から教育されてきた。
私は人の上に立つ人間、何をしてといいのだと。

あの平民は聖女なんかにさせない。
聖女は高貴な血でないとなれないのよ。
平民と同じ立場だなんて真っ平御免だわ。

あんな者が浄化の力を持ち、聖女と崇められる事など許されない。

この国で最高の名誉も位も私のためにある。

あの平民をここから追い出す。
もう自分から出ていくのを待つのではなく、仕掛けていく。
ラリーンなどに邪魔などさせない。


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