【完結】闇落ちした聖女候補は神様に溺愛される

みやちゃん

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第2章

神様と結ばれて

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リーナはラリーン達と共に命の泉に到着した。馬車で入るわけにもいかず、ラハールがリーナを抱きかかえている。
「リーナ様、もうすぐです。」
ラハールはリーナに声をかける。

「ラハールさん、ありがとうございます。」
明らかに空気が変わったその地に入ってからリーナの穢れの浄化は早まっており、その分体は楽になっていた。
急速に変わる体の変化にリーナは戸惑いを隠せない。

だんだんと神様の神気が強くなってくる。あれだけ会いたくて堪らなかった神様が近くにいると思うとリーナの胸の鼓動は早くなった。


真っ青な泉が見えてきた。
これが神様が言っていた命の泉だろうか。
本当に綺麗だ‥

ラハールさんは私を下ろして立てるか確認してくれたが、正直それどころではなかった。
すごい、こんな綺麗なところがあるなんて信じられない。
吸い込まれそうなその美しい景色から目が離せなかった。

その泉の中に神様は立っていた。
キラキラと光る水面と腰まである金髪の輝きが重なり神様が眩い。
その様子は例えようのない幻想的な美しさがあった。

神様はすぐに私に気づいて優しく微笑んでくれた。前と同じ笑顔、いやそれよりもずっと甘い愛おしそうな眼差しを向けてくれている。
処刑場で向けられた冷たい視線をまた向けられたらというリーナの不安は一瞬で消えた。

「私のかわいい子、こっちへ」
神様が私を呼ぶ。とても優しい微笑みを浮かべたまま手を伸ばしいる。
あの手を掴めたらどんなにいいか。

でも、もし穢れが残っていたら‥
神様を見つめるが、その場から動く事ができない。

「大丈夫、飛び込んであげなさい。喜ぶわよ、フフフ」
私の中でお母さんの声がする。

でも、お母さん‥

「リーナ、マリーのいう通りだ。ヴォルティス様なら大丈夫だ。」
えっ?なんで?
なんでお父さんの声もするの?
慌てて後ろを振り返る。
昔のままのお父さんがすぐそばに立っていた。

「なんでお父さんがここにいるの?7年前に死んだよね‥」

マークバルダ様やラリーン先生はお父さんを見た。

お父さんは悲しそうに私を見つめる。
「ああ、リーナ達を残して死んでしまってごめんな。ここまで、よく頑張ったな。」
頭をクシュクシュと撫でてくれた。

「お父さん!!」
お父さんの胸に飛び込んだ。
一度はギュッと抱いてくれたが、すぐに離された。

「リーナ、お父さんは嬉しいんだけどな。飛び込むところが違うかなと思うんだ‥」
顔が若干引きつっている。お父さんの見ている方をみると神様が捨てられた子犬のような目をして手を伸ばしたまま、今にも神気が爆発しそうに体のまわりを渦巻いていた。

「神様‥ごめんなさい。忘れた訳では‥えっとっ」
言い訳は何も思いつかない。

「大丈夫、ヴォルティス様はすねているだけだ。リーナはヴォルティス様の希望だから。」
お父さんは笑いながらウィンクする。

私が希望?

「行っておいで。」
お父さんは背中をトンと押してくれる。

神様を真っ直ぐに見る。神様はまだ手を伸ばしたまま立っている。その手に向かい、私の手を伸ばした。

真っ青な命の泉に足を踏み入れる。
泉は見た目と違って冷たさは全くない。初めて水晶に触った時感じたあたたかさがあった。

体の中に染み渡るそのあたたかさに幸せを感じながら神様に向かう。神様が近づくと私の体が軽くなり、力が湧いてくるのを自分でも感じた。

神様の手に触れた瞬間、眩しい光に辺りは包まれた。そう、目を開ける事もできなかったあの眩しい光‥
私の中の穢れが消え去ったのを感じた。

「それが希望の光よ。」
私の中のお母さんが教えてくれる。

「希望の光‥」

神様は私の手を握り、抱き寄せた。
「成人を迎えただろう。おめでとう。名前を教えてほしい。」
神様は私を抱きしめたまま、耳元でささやく。
聖女の儀までまだ間はあるが、まとめて行われる為、皆が成人を迎えた時に行われる。リーナは3日前に誕生日を迎え16歳となっていた。
リーナの成人を待ちわびていたヴォルティスがその日を間違う訳がなかった。

「リーナと言います。神様。」
神様に笑いかける。

「リーナいい名だ。リーナお前を私の聖女とする。その名をもって絆を結ぼう。」
神様は私を初めて呼んだ。
体の中でブワッと熱いものが広がり、体じゅうを駆け巡る。浄化の力が一気に跳ね上がるのを感じた。
ギュッと苦しいくらいに抱きしめられ「リーナ、リーナ、リーナ」とずっと呼ぶ神様を愛おしく思った。
私も神様を抱きしめ返した。
その瞬間、もう一度私と神様の中から光が出た。神様は私を抱きしめる力が弱くなりいきなり膝が折れしゃがみこんだ。

「大丈夫ですか?やっぱり穢れが‥」
慌てて神様に声をかける。

「いや、穢れじゃない。今ので私の中の多くの穢れは浄化されたから体は楽になった。」
その神様の一言にホッとする。

「だが、大丈夫じゃない。幸せすぎて力が入らない。」
言葉の通り、足がガクガクと震え動けなくなった神様はマークバルダ様の肩を借りた。

それをお父さんは笑いながら見ている。

「なぜ、こんな奇跡が起こったんだ?」
ヴォルティス様を支えながらマークバルダ様は首を傾げている。

「ちょっと長くなるし、ゆっくり話そうか‥マークバルダお前は絶対怒るなよ。」

お父さんがマークバルダ様にやけに念押しをする。怒られるのがわかっているように。

「お父さん、マークバルダ様にそんな口の聞き方をしたら失礼だよ!」
慌ててお父さんを注意する。

「リーナ、マークバルダとは昔親友だったんだ。お前にも話しておかないといけない事がある。」
お父さんは真剣な顔をして私に言った。
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