61 / 87
第3章
リーナの初仕事は最高神つき
しおりを挟む
聖女の儀からしばらくしてリーナの初仕事が決定する。
これが決まるまでにリーナの知らないところで色々な駆け引きが行われていた。
その結果‥
ヴォルティス、マークバルダ、ラリーンという神々のトップ2と神殿一の聖女が補助につくという異例のデビューだった。
初仕事なので聖女の補助はつくのは当たり前だが、神がついていくなどありえない。
ヴォルティスがついていくというのを聞き、マークバルダは焦った。
神は穢れを嫌う。神々の中でも一番穢れへの抵抗力がなく溜め続けるヴォルティスがその現場についていくなんて。
リーナの浄化が間に合わなければ、世界が滅ぶ。そんな脅威を見過ごせない。
しかも今、石の力でヴォルティス様はリーナと直接繋がっている。リーナに穢れが入れば、ヴォルティスに流れ込む可能性がある。
リーナとヴォルティスの間で希望の力が働いているので取り越し苦労かもしれないが、少しでもリスクがあるのなら避けたいのだ。
マークバルダが行ったところでヴォルティスよりマシにしても役には立たない。
そこでラリーンに頼み、補助についてもらったのだ。本来ならラリーンクラスの聖女が新人聖女の補助につくなどあり得ない事だった。
ヴォルティスは「リーナに何かあれば‥」と神殿に圧もかけ、簡単な浄化を勝ちとった。本来、補助があるうちに大物の仕事をしなければならない。
大物にも一人で対応できるようにならないと、ひとり立ちができなくなるから。対応できないと判断したなら、引き際を見定めるのも聖女に必要なスキルだ。
リーナにはそんなスキル必要ない。
なぜなら、この浄化はリーナを納得させる為のただのポーズ。
今後、リーナに大きな穢れを浄化させるつもりなど、さらさらないヴォルティスはリーナが浄化するという事実さえあればよかったのだから。
ヴォルティスの溺愛ぶりに皆思った。
リーナを手に入れればこの世の支配もできのではないか‥
ただ、その考えを行動に起こすにはリスクが大きすぎるとすぐにわかってしまう。溺愛しすぎて、常にヴォルティスはリーナと一緒におり、誰も近づけないのだ。
そしてその周りをマークバルダ、ラリーン、ラハールで囲まれており、鉄の城壁となっていた。
リーナはそんな事が周りで起こっているなど一切知らずに浄化の復習をしていた。
「神様、私立派な聖女になれますか?」
日が近づくごとにリーナは心配になってきていた。
「今でも十分立派な聖女だ。」
ヴォルティスは微笑む。
自分だけの為に浄化する聖女ならもっと良かったのに‥という心の中で思う。
「まだまだです。聖女となって経験を積めばさらに浄化の力が増します。神様の穢れももっといっぱい浄化できる筈ですから待っててくださいね。」
ヴォルティスの手を握り、ヴォルティスの中の穢れを浄化する。
ヴォルティスはリーナによって穢れを浄化されていたが、水を吸うスポンジのように穢れを吸収し続けていた。
それだけ人がうむ穢れが多いのだとリーナも実感している。
「このくらい大丈夫だ。リーナがいない時はため続けるしかなかったんだから。今で満足している。」
そう、本気でヴォルティスはそう思っていた。
リーナの初仕事は穢れの残留物の浄化。
亡くなった者の残留で穢れはうみ続けるが、穢れの量なども把握できるし、対応はしやすいためだ。
穢れをうみだしている土地に行き、染み付いている穢れを見た。
事故で亡くなった者の苦痛でうみ出された穢れだった。
リーナは、死にたくないという若者の心の悲鳴が聞こえていた。助けてあげたいと心の底から思った。
「ごめんね、死んだ人は生き返らせる事はできないの。次は幸せになって。」
リーナはポツリと穢れに向かって話しかけ祈った。
村人全員の穢れを浄化したリーナだ、一人の者がうんだ穢れなど一瞬で浄化してしまった。
いや、正確には浄化したのではなく、リーナが近寄るだけで勝手に浄化されたのだ。
若者の魂が穢れから解放されて天に昇る。
「ありがとう」
リーナにはその声がはっきり聞こえた。
キラキラした魂、あたたかいもので包まれる土地が目の前に広がった。
「えっ?」
リーナ自身も戸惑ったが、それは周囲の者達にとっても同じだった。
穢れって近づくだけで勝手に浄化されるものなのか?歩くだけでこんな風に魂も土地も全て綺麗に浄化できるのか?
皆、目の前で起こった光景が信じられなかった。
なぜリーナにそんな事をできたのかはわからない。
だが、この光景はその後の浄化の際にも起こり続けていく。
これが決まるまでにリーナの知らないところで色々な駆け引きが行われていた。
その結果‥
ヴォルティス、マークバルダ、ラリーンという神々のトップ2と神殿一の聖女が補助につくという異例のデビューだった。
初仕事なので聖女の補助はつくのは当たり前だが、神がついていくなどありえない。
ヴォルティスがついていくというのを聞き、マークバルダは焦った。
神は穢れを嫌う。神々の中でも一番穢れへの抵抗力がなく溜め続けるヴォルティスがその現場についていくなんて。
リーナの浄化が間に合わなければ、世界が滅ぶ。そんな脅威を見過ごせない。
しかも今、石の力でヴォルティス様はリーナと直接繋がっている。リーナに穢れが入れば、ヴォルティスに流れ込む可能性がある。
リーナとヴォルティスの間で希望の力が働いているので取り越し苦労かもしれないが、少しでもリスクがあるのなら避けたいのだ。
マークバルダが行ったところでヴォルティスよりマシにしても役には立たない。
そこでラリーンに頼み、補助についてもらったのだ。本来ならラリーンクラスの聖女が新人聖女の補助につくなどあり得ない事だった。
ヴォルティスは「リーナに何かあれば‥」と神殿に圧もかけ、簡単な浄化を勝ちとった。本来、補助があるうちに大物の仕事をしなければならない。
大物にも一人で対応できるようにならないと、ひとり立ちができなくなるから。対応できないと判断したなら、引き際を見定めるのも聖女に必要なスキルだ。
リーナにはそんなスキル必要ない。
なぜなら、この浄化はリーナを納得させる為のただのポーズ。
今後、リーナに大きな穢れを浄化させるつもりなど、さらさらないヴォルティスはリーナが浄化するという事実さえあればよかったのだから。
ヴォルティスの溺愛ぶりに皆思った。
リーナを手に入れればこの世の支配もできのではないか‥
ただ、その考えを行動に起こすにはリスクが大きすぎるとすぐにわかってしまう。溺愛しすぎて、常にヴォルティスはリーナと一緒におり、誰も近づけないのだ。
そしてその周りをマークバルダ、ラリーン、ラハールで囲まれており、鉄の城壁となっていた。
リーナはそんな事が周りで起こっているなど一切知らずに浄化の復習をしていた。
「神様、私立派な聖女になれますか?」
日が近づくごとにリーナは心配になってきていた。
「今でも十分立派な聖女だ。」
ヴォルティスは微笑む。
自分だけの為に浄化する聖女ならもっと良かったのに‥という心の中で思う。
「まだまだです。聖女となって経験を積めばさらに浄化の力が増します。神様の穢れももっといっぱい浄化できる筈ですから待っててくださいね。」
ヴォルティスの手を握り、ヴォルティスの中の穢れを浄化する。
ヴォルティスはリーナによって穢れを浄化されていたが、水を吸うスポンジのように穢れを吸収し続けていた。
それだけ人がうむ穢れが多いのだとリーナも実感している。
「このくらい大丈夫だ。リーナがいない時はため続けるしかなかったんだから。今で満足している。」
そう、本気でヴォルティスはそう思っていた。
リーナの初仕事は穢れの残留物の浄化。
亡くなった者の残留で穢れはうみ続けるが、穢れの量なども把握できるし、対応はしやすいためだ。
穢れをうみだしている土地に行き、染み付いている穢れを見た。
事故で亡くなった者の苦痛でうみ出された穢れだった。
リーナは、死にたくないという若者の心の悲鳴が聞こえていた。助けてあげたいと心の底から思った。
「ごめんね、死んだ人は生き返らせる事はできないの。次は幸せになって。」
リーナはポツリと穢れに向かって話しかけ祈った。
村人全員の穢れを浄化したリーナだ、一人の者がうんだ穢れなど一瞬で浄化してしまった。
いや、正確には浄化したのではなく、リーナが近寄るだけで勝手に浄化されたのだ。
若者の魂が穢れから解放されて天に昇る。
「ありがとう」
リーナにはその声がはっきり聞こえた。
キラキラした魂、あたたかいもので包まれる土地が目の前に広がった。
「えっ?」
リーナ自身も戸惑ったが、それは周囲の者達にとっても同じだった。
穢れって近づくだけで勝手に浄化されるものなのか?歩くだけでこんな風に魂も土地も全て綺麗に浄化できるのか?
皆、目の前で起こった光景が信じられなかった。
なぜリーナにそんな事をできたのかはわからない。
だが、この光景はその後の浄化の際にも起こり続けていく。
0
あなたにおすすめの小説
存在感のない聖女が姿を消した後 [完]
風龍佳乃
恋愛
聖女であるディアターナは
永く仕えた国を捨てた。
何故って?
それは新たに現れた聖女が
ヒロインだったから。
ディアターナは
いつの日からか新聖女と比べられ
人々の心が離れていった事を悟った。
もう私の役目は終わったわ…
神託を受けたディアターナは
手紙を残して消えた。
残された国は天災に見舞われ
てしまった。
しかし聖女は戻る事はなかった。
ディアターナは西帝国にて
初代聖女のコリーアンナに出会い
運命を切り開いて
自分自身の幸せをみつけるのだった。
異世界召喚されたアラサー聖女、王弟の愛人になるそうです
籠の中のうさぎ
恋愛
日々の生活に疲れたOL如月茉莉は、帰宅ラッシュの時間から大幅にずれた電車の中でつぶやいた。
「はー、何もかも投げだしたぁい……」
直後電車の座席部分が光輝き、気づけば見知らぬ異世界に聖女として召喚されていた。
十六歳の王子と結婚?未成年淫行罪というものがありまして。
王様の側妃?三十年間一夫一妻の国で生きてきたので、それもちょっと……。
聖女の後ろ盾となる大義名分が欲しい王家と、王家の一員になるのは荷が勝ちすぎるので遠慮したい茉莉。
そんな中、王弟陛下が名案と言わんばかりに声をあげた。
「では、私の愛人はいかがでしょう」
聖女の任期終了後、婚活を始めてみたら六歳の可愛い男児が立候補してきた!
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
23歳のメルリラは、聖女の任期を終えたばかり。結婚適齢期を少し過ぎた彼女は、幸せな結婚を夢見て婚活に励むが、なかなか相手が見つからない。原因は「元聖女」という肩書にあった。聖女を務めた女性は慣例として専属聖騎士と結婚することが多く、メルリラもまた、かつての専属聖騎士フェイビアンと結ばれるものと世間から思われているのだ。しかし、メルリラとフェイビアンは口げんかが絶えない関係で、恋愛感情など皆無。彼を結婚相手として考えたことなどなかった。それでも世間の誤解は解けず、婚活は難航する。そんなある日、聖女を辞めて半年が経った頃、メルリラの婚活を知った公爵子息ハリソン(6歳)がやって来て――。
酒飲み聖女は気だるげな騎士団長に秘密を握られています〜完璧じゃなくても愛してるって正気ですか!?〜
鳥花風星
恋愛
太陽の光に当たって透けるような銀髪、紫水晶のような美しい瞳、均整の取れた体つき、女性なら誰もが羨むような見た目でうっとりするほどの完璧な聖女。この国の聖女は、清楚で見た目も中身も美しく、誰もが羨む存在でなければいけない。聖女リリアは、ずっとみんなの理想の「聖女様」でいることに専念してきた。
そんな完璧な聖女であるリリアには誰にも知られてはいけない秘密があった。その秘密は完璧に隠し通され、絶対に誰にも知られないはずだった。だが、そんなある日、騎士団長のセルにその秘密を知られてしまう。
秘密がばれてしまったら、完璧な聖女としての立場が危うく、国民もがっかりさせてしまう。秘密をばらさないようにとセルに懇願するリリアだが、セルは秘密をばらされたくなければ婚約してほしいと言ってきた。
一途な騎士団長といつの間にか逃げられなくなっていた聖女のラブストーリー。
◇氷雨そら様主催「愛が重いヒーロー企画」参加作品です。
無一文で追放される悪女に転生したので特技を活かしてお金儲けを始めたら、聖女様と呼ばれるようになりました
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
スーパームーンの美しい夜。仕事帰り、トラックに撥ねらてしまった私。気づけば草の生えた地面の上に倒れていた。目の前に見える城に入れば、盛大なパーティーの真っ最中。目の前にある豪華な食事を口にしていると見知らぬ男性にいきなり名前を呼ばれて、次期王妃候補の資格を失ったことを聞かされた。理由も分からないまま、家に帰宅すると「お前のような恥さらしは今日限り、出ていけ」と追い出されてしまう。途方に暮れる私についてきてくれたのは、私の専属メイドと御者の青年。そこで私は2人を連れて新天地目指して旅立つことにした。無一文だけど大丈夫。私は前世の特技を活かしてお金を稼ぐことが出来るのだから――
※ 他サイトでも投稿中
ボロボロになるまで働いたのに見た目が不快だと追放された聖女は隣国の皇子に溺愛される。……ちょっと待って、皇子が三つ子だなんて聞いてません!
沙寺絃
恋愛
ルイン王国の神殿で働く聖女アリーシャは、早朝から深夜まで一人で激務をこなしていた。
それなのに聖女の力を理解しない王太子コリンから理不尽に追放を言い渡されてしまう。
失意のアリーシャを迎えに来たのは、隣国アストラ帝国からの使者だった。
アリーシャはポーション作りの才能を買われ、アストラ帝国に招かれて病に臥せった皇帝を助ける。
帝国の皇子は感謝して、アリーシャに深い愛情と敬意を示すようになる。
そして帝国の皇子は十年前にアリーシャと出会った事のある初恋の男の子だった。
再会に胸を弾ませるアリーシャ。しかし、衝撃の事実が発覚する。
なんと、皇子は三つ子だった!
アリーシャの幼馴染の男の子も、三人の皇子が入れ替わって接していたと判明。
しかも病から復活した皇帝は、アリーシャを皇子の妃に迎えると言い出す。アリーシャと結婚した皇子に、次の皇帝の座を譲ると宣言した。
アリーシャは個性的な三つ子の皇子に愛されながら、誰と結婚するか決める事になってしまう。
一方、アリーシャを追放したルイン王国では暗雲が立ち込め始めていた……。
ヒロインと結婚したメインヒーローの側妃にされてしまいましたが、そんなことより好きに生きます。
下菊みこと
恋愛
主人公も割といい性格してます。
アルファポリス様で10話以上に肉付けしたものを読みたいとのリクエストいただき大変嬉しかったので調子に乗ってやってみました。
小説家になろう様でも投稿しています。
このたび聖女様の契約母となりましたが、堅物毒舌宰相閣下の溺愛はお断りいたします! と思っていたはずなのに
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
マーベル子爵とサブル侯爵の手から逃げていたイリヤは、なぜか悪女とか毒婦とか呼ばれるようになっていた。そのため、なかなか仕事も決まらない。運よく見つけた求人は家庭教師であるが、仕事先は王城である。
嬉々として王城を訪れると、本当の仕事は聖女の母親役とのこと。一か月前に聖女召喚の儀で召喚された聖女は、生後半年の赤ん坊であり、宰相クライブの養女となっていた。
イリヤは聖女マリアンヌの母親になるためクライブと(契約)結婚をしたが、結婚したその日の夜、彼はイリヤの身体を求めてきて――。
娘の聖女マリアンヌを立派な淑女に育てあげる使命に燃えている契約母イリヤと、そんな彼女が気になっている毒舌宰相クライブのちょっとずれている(契約)結婚、そして聖女マリアンヌの成長の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる