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第3章
リーナの想い
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リーナはヴォルティス様と一緒に過ごしているが、その横にルキアが必ずいるようになった。
ヴォルティス様はそれを嫌がり、苛立ちは増しているのが私の目から見ても明らかだ。
そんな風に思ってもらえて嬉しいと思う気持ちと勝手に名付けを行いヴォルティス様へ申し訳ないという気持ちで揺れている。
「ヴォルティス様、少しルキアと2人で話してもよいですか?」
「何故だ?私がいてもいいだろう?」
ヴォルティス様は嫌そうな顔をする。
「お願いします。」
ヴォルティス様がいたらルキアは本音を言うことはないのはわかっているから。
ルキアの視線はいつだってヴォルティス様に向かっている。
私にすらわかるその想いに気づかないヴォルティス様は相当鈍いらしい。
何度かそのやり取りをして渋々ヴォルティス様の許可がおりた。
ヴォルティス様を「ルティ」という愛称で呼ぶ約束とともに‥
ヴォルティス様と呼ぶのにも勇気が必要だったのに愛称なんて。
「ルティ様」
「ルティ。」
様を付けられるのも嫌らしい。
「ルティ」
そう呼ぶと嬉しそうに抱きしめられた。
「もう一回呼んでくれ。」
そう言いながらも口づけを落とすヴォルティス様。
口を塞がれてたら言えませんからと言いたい。
ルキアが来てから口づけやスキンシップが増え、距離感がさらに近くなった。
それを私は拒めない。
神様相手というだけではなくて、ヴォルティス様に向けられるその想いを表しているようで嬉しいと思ってしまうから。
「ルティ」
ヴォルティス様が喜んでくれるなら頑張って呼んでいこう。
練習がかなり必要そうだけど。
「話とはなんだ?」
ルキアがめんどくさそうに聞く。
一応主なんだよねと心の中で思ってしまうのは許して欲しい。
「私の方がかなり強いし、お前からの強制力はほぼない。まぁ、傷つけるとか殺すとかはできないが‥」
私の心を読んだように欲しい答えを出してくる。
私に対し、危害を加えられないためヴォルティス様も私達だけで話す許可ができたのだと知った。
「そう、私だけがこんなに縛られてるのにずるい。」
ルキアに対し呼び捨ても敬語なしなのもストレスなのに敬称も敬語もどうしても言う事ができない。
「人という最弱な生き物に生まれたのだから仕方ないだろう。」
ルキアは呆れ気味に答える。
私と話すのもめんどくさそうだ。
「そんなに態度に出てるのにヴォルティス様が気づかないなんて、鈍感だよね。」
その言葉を聞いてルキアに睨みつけられる。
「ヴォルティスに言う事は許さない。」
ヴォルティス様の前では明らかに態度が違う。ルキアなりにヴォルティス様を気にして行動しているのだろう。バレバレだが‥
「どうしてヴォルティス様にあなたの想いを伝えないの?憎まれ口ばかり言ってると嫌われてしまうよ?」
こんな軽口が言えるのも強制力のせいだろうなと思うが、ルキアが想いが空回っている今の状況に歯がゆさもあった。
「‥ヴォルティスはお前に夢中だ。その目を私に向けるのは難しいだろう。それならばヴォルティスの悪意でもいい、私という存在を意識して欲しい。」
ルキアもヴォルティス様もどうしてコミュニケーションがこんなに不器用なんだろう。
悪意でもいいといいながらそんなに苦しそうな顔をしているくせに。
ヴォルティス様が大好きで仕方ないくせに。
だけど、私もルキアにヴォルティス様を譲るつもりなどない。
私だってヴォルティス様が大好きなのだから。
だけど‥私はずっとヴォルティス様の側にはいられない。どうしても先に死んでしまう。
その後の事を考えるとルキアとヴォルティス様の関係を作っておくことは必要だ。
ヴォルティス様のために。
「ルキア、ヴォルティス様とちゃんと話し合って。ルキアやヴォルティス様の生きる時間から考えたら私の生涯なんてあっという間でしょう。その時ヴォルティス様の側にいて。ちゃんと想いを伝えていい関係性を築いて。これはお願いではなくて命令だよ。」
ルキアは私の方をみた。
泣きたい気持ちを隠して微笑む。
先になんて死にたくないけど、どうしようもできない事だ。
「わかった‥」
ルキアは頷く。
ルキアに命令などできないのはわかっている。それでも素直じゃないルキアがこんな事お願いしてもきいてはくれない。
主からの命令という形が言い訳も立つ。
ヴォルティス様は最高神という立場はどうしても孤独にさせる。ルキアという存在はヴォルティス様にとって必要なものだ。
ルキアにも。ヴォルティス様は唯一なのだろう。
ヴォルティス様は呪いから解放されたが、自分の責任だと結局は穢れを吸収している。
「リーナが浄化してくれてるから大丈夫だ。」
そう笑ってヴォルティス様は言うけれど、いつまでも私ができるわけではない。
いつかは新しい聖女も探していかなければならない。
ヴォルティス様を残し死ぬ私がこんな風にヴォルティス様の側にいる事はいけないのかもしれない。
だけど、あんなに嬉しそうなヴォルティス様を見ると何も言えないし、嬉しいと思う私もいる。
大好きです、ルティ。
私も素直にそう言っていきたい。
まだ呼ぶ事ができないヴォルティス様の愛称を心の中でつぶやく。
あなたの為に私の死後の環境を整えていく。決して孤独にはしない。
だから、今のこの時間は許して‥
ヴォルティス様はそれを嫌がり、苛立ちは増しているのが私の目から見ても明らかだ。
そんな風に思ってもらえて嬉しいと思う気持ちと勝手に名付けを行いヴォルティス様へ申し訳ないという気持ちで揺れている。
「ヴォルティス様、少しルキアと2人で話してもよいですか?」
「何故だ?私がいてもいいだろう?」
ヴォルティス様は嫌そうな顔をする。
「お願いします。」
ヴォルティス様がいたらルキアは本音を言うことはないのはわかっているから。
ルキアの視線はいつだってヴォルティス様に向かっている。
私にすらわかるその想いに気づかないヴォルティス様は相当鈍いらしい。
何度かそのやり取りをして渋々ヴォルティス様の許可がおりた。
ヴォルティス様を「ルティ」という愛称で呼ぶ約束とともに‥
ヴォルティス様と呼ぶのにも勇気が必要だったのに愛称なんて。
「ルティ様」
「ルティ。」
様を付けられるのも嫌らしい。
「ルティ」
そう呼ぶと嬉しそうに抱きしめられた。
「もう一回呼んでくれ。」
そう言いながらも口づけを落とすヴォルティス様。
口を塞がれてたら言えませんからと言いたい。
ルキアが来てから口づけやスキンシップが増え、距離感がさらに近くなった。
それを私は拒めない。
神様相手というだけではなくて、ヴォルティス様に向けられるその想いを表しているようで嬉しいと思ってしまうから。
「ルティ」
ヴォルティス様が喜んでくれるなら頑張って呼んでいこう。
練習がかなり必要そうだけど。
「話とはなんだ?」
ルキアがめんどくさそうに聞く。
一応主なんだよねと心の中で思ってしまうのは許して欲しい。
「私の方がかなり強いし、お前からの強制力はほぼない。まぁ、傷つけるとか殺すとかはできないが‥」
私の心を読んだように欲しい答えを出してくる。
私に対し、危害を加えられないためヴォルティス様も私達だけで話す許可ができたのだと知った。
「そう、私だけがこんなに縛られてるのにずるい。」
ルキアに対し呼び捨ても敬語なしなのもストレスなのに敬称も敬語もどうしても言う事ができない。
「人という最弱な生き物に生まれたのだから仕方ないだろう。」
ルキアは呆れ気味に答える。
私と話すのもめんどくさそうだ。
「そんなに態度に出てるのにヴォルティス様が気づかないなんて、鈍感だよね。」
その言葉を聞いてルキアに睨みつけられる。
「ヴォルティスに言う事は許さない。」
ヴォルティス様の前では明らかに態度が違う。ルキアなりにヴォルティス様を気にして行動しているのだろう。バレバレだが‥
「どうしてヴォルティス様にあなたの想いを伝えないの?憎まれ口ばかり言ってると嫌われてしまうよ?」
こんな軽口が言えるのも強制力のせいだろうなと思うが、ルキアが想いが空回っている今の状況に歯がゆさもあった。
「‥ヴォルティスはお前に夢中だ。その目を私に向けるのは難しいだろう。それならばヴォルティスの悪意でもいい、私という存在を意識して欲しい。」
ルキアもヴォルティス様もどうしてコミュニケーションがこんなに不器用なんだろう。
悪意でもいいといいながらそんなに苦しそうな顔をしているくせに。
ヴォルティス様が大好きで仕方ないくせに。
だけど、私もルキアにヴォルティス様を譲るつもりなどない。
私だってヴォルティス様が大好きなのだから。
だけど‥私はずっとヴォルティス様の側にはいられない。どうしても先に死んでしまう。
その後の事を考えるとルキアとヴォルティス様の関係を作っておくことは必要だ。
ヴォルティス様のために。
「ルキア、ヴォルティス様とちゃんと話し合って。ルキアやヴォルティス様の生きる時間から考えたら私の生涯なんてあっという間でしょう。その時ヴォルティス様の側にいて。ちゃんと想いを伝えていい関係性を築いて。これはお願いではなくて命令だよ。」
ルキアは私の方をみた。
泣きたい気持ちを隠して微笑む。
先になんて死にたくないけど、どうしようもできない事だ。
「わかった‥」
ルキアは頷く。
ルキアに命令などできないのはわかっている。それでも素直じゃないルキアがこんな事お願いしてもきいてはくれない。
主からの命令という形が言い訳も立つ。
ヴォルティス様は最高神という立場はどうしても孤独にさせる。ルキアという存在はヴォルティス様にとって必要なものだ。
ルキアにも。ヴォルティス様は唯一なのだろう。
ヴォルティス様は呪いから解放されたが、自分の責任だと結局は穢れを吸収している。
「リーナが浄化してくれてるから大丈夫だ。」
そう笑ってヴォルティス様は言うけれど、いつまでも私ができるわけではない。
いつかは新しい聖女も探していかなければならない。
ヴォルティス様を残し死ぬ私がこんな風にヴォルティス様の側にいる事はいけないのかもしれない。
だけど、あんなに嬉しそうなヴォルティス様を見ると何も言えないし、嬉しいと思う私もいる。
大好きです、ルティ。
私も素直にそう言っていきたい。
まだ呼ぶ事ができないヴォルティス様の愛称を心の中でつぶやく。
あなたの為に私の死後の環境を整えていく。決して孤独にはしない。
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