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第3章
ルキアとヴォルティスの語らい(ルキア視点)
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リーナの取り計らいもあり、私とヴォルティスだけで話をすることになる。
私はヴォルティスに自分の想いを伝えた。
それを黙ってヴォルティスは聞いていたが、ヴォルティスの反応を見るのが怖くて顔は見る事ができなかった。
聞き終わりしばらく考えてからヴォルティスは口を開いた。
その口を開く時間まで本当に長い時間のように感じた。
「ルキア、お前の気持ちはわかった。ずっとお前を傷つけてきた。本当にすまない。だが、これからもお前を一番に考える事はできない。」
ヴォルティスは頭を下げる。
そんなヴォルティスを見たくて話したわけではない。謝ってなど欲しくない。
「‥わかっている。」
何て返してよいのかもわからない。
私の想いは受け入れられない。そんな事は前からわかっていた。わかっていて拒絶されたくなくない為、黙っていたのだ。
「リーナは死ぬ時の事をもう考え始めている。人はいつ死ぬかわからない弱いものだから。」
ヴォルティスがいきなりあの娘の話をし始めた。
「ああ、そうだな。」
そう、あの娘は自分の死んだ後のヴォルティスの心配をしていた。
私があの娘なら横にいる喜びを噛み締めているはずだ。自分がいなくなった後のヴォルティスの事など今考えるべきとは思いもしなかっただろう。
ヴォルティスを想う気持ちは同じでも、自分が消滅した後もヴォルティスに思われ続けたいと考えていた私とは全く違う。
「自分の死んだ後の聖女なども育てようとしている。ルキアと希望の力を持つリーナの代わりなどいるはずがないのに‥」
ヴォルティスはため息をつきながら辛そうに言う。
「ルキア、お前の希望をできるだけ叶える。だから、リーナが死んだ後、私も眠っていいか?お前がいてくれるなら世界は維持できる。」
ヴォルティスにまっすぐ見つめられる。
言葉を出そうとするが、口が震えてなかなか出せない。
「‥それを私に言うのか?お前がリーナに執着しているように私はお前を想っている。その私に独りで残れと言うのか?」
今私の話を聞いてなぜ、そんな事が言える?
残酷だ。
希望を叶えると言いながら、ヴォルティスを失いたくないっていう私の願いは無視するのか‥
「許して欲しい‥リーナのいない世界で生きていけない。リーナがいなくなれば、穢れを浄化しきれない。何よりリーナを失った私は心が死んでいるのも同然だ。」
知っている。命の泉に浮かんでただ息をしていただけのヴォルティスを見た。
ただ生きているだけの状態のヴォルティスを救いたくて今回動いたんだ。
あんなヴォルティスは見たくはない。だが、本当に消えてしまうのも受け入れられない。
「穢れを吸収するな。呪いが解けたお前ならできるだろう。」
そうすれば、穢れが急激に溜まる事はない。普通の聖女でも十分浄化できる。
「私がうみだしたものだ。最後まで責任は持ちたい。お前の大地を汚したくない。」
「私の事など気にしなくてもいい。人を滅ぼすのが嫌なら減らせばいい。今までと同じだ。」
だから、死ぬなんて言うな。
お前がしたくないなら私がしてもいい。
そういう私にヴォルティスは静かに首を横に振った。
「もう無理だ‥リーナから温もりをもらってしまったから。人の優しさも知ってしまったから。私が死んだ後の核を使ってその後も穢れを浄化してくれ。お前ならできるだろう?」
最高神の核なら聖女の力を力をかなり底上げできる。皆に少しずつ渡すだけでも問題ない。
だが、そういう問題ではない。
「ヴォルティス‥わたしの核を使え。もともと死ぬはずだったんだ。」
残されるくらいなら私が死んだ方がいい。
「‥ルキアにはすまないと思っている。リーナが死ぬまではお前の希望は叶えていこう。側にいて欲しいならお前の側にいる。リーナと会うなというなら穢れの浄化以外はリーナとも会わない。それで許して欲しい。」
あの娘より私を選んで欲しい。そう思った。
だが、あの娘と一緒に死ぬ為に私の望みを叶えるなど‥
自分だけが残されるのか?
ヴォルティスを失うのか。
そんな事は許さない。
あんな娘のためにヴォルティスはこの世から消えるのか。
私を捨ててあの娘を選ぶのか?
ヴォルティスに聖女などつくるのではなかった。どんなに後悔しても取り返しはつかない。
私のヴォルティスはもう私を見てはくれない。
私はヴォルティスに自分の想いを伝えた。
それを黙ってヴォルティスは聞いていたが、ヴォルティスの反応を見るのが怖くて顔は見る事ができなかった。
聞き終わりしばらく考えてからヴォルティスは口を開いた。
その口を開く時間まで本当に長い時間のように感じた。
「ルキア、お前の気持ちはわかった。ずっとお前を傷つけてきた。本当にすまない。だが、これからもお前を一番に考える事はできない。」
ヴォルティスは頭を下げる。
そんなヴォルティスを見たくて話したわけではない。謝ってなど欲しくない。
「‥わかっている。」
何て返してよいのかもわからない。
私の想いは受け入れられない。そんな事は前からわかっていた。わかっていて拒絶されたくなくない為、黙っていたのだ。
「リーナは死ぬ時の事をもう考え始めている。人はいつ死ぬかわからない弱いものだから。」
ヴォルティスがいきなりあの娘の話をし始めた。
「ああ、そうだな。」
そう、あの娘は自分の死んだ後のヴォルティスの心配をしていた。
私があの娘なら横にいる喜びを噛み締めているはずだ。自分がいなくなった後のヴォルティスの事など今考えるべきとは思いもしなかっただろう。
ヴォルティスを想う気持ちは同じでも、自分が消滅した後もヴォルティスに思われ続けたいと考えていた私とは全く違う。
「自分の死んだ後の聖女なども育てようとしている。ルキアと希望の力を持つリーナの代わりなどいるはずがないのに‥」
ヴォルティスはため息をつきながら辛そうに言う。
「ルキア、お前の希望をできるだけ叶える。だから、リーナが死んだ後、私も眠っていいか?お前がいてくれるなら世界は維持できる。」
ヴォルティスにまっすぐ見つめられる。
言葉を出そうとするが、口が震えてなかなか出せない。
「‥それを私に言うのか?お前がリーナに執着しているように私はお前を想っている。その私に独りで残れと言うのか?」
今私の話を聞いてなぜ、そんな事が言える?
残酷だ。
希望を叶えると言いながら、ヴォルティスを失いたくないっていう私の願いは無視するのか‥
「許して欲しい‥リーナのいない世界で生きていけない。リーナがいなくなれば、穢れを浄化しきれない。何よりリーナを失った私は心が死んでいるのも同然だ。」
知っている。命の泉に浮かんでただ息をしていただけのヴォルティスを見た。
ただ生きているだけの状態のヴォルティスを救いたくて今回動いたんだ。
あんなヴォルティスは見たくはない。だが、本当に消えてしまうのも受け入れられない。
「穢れを吸収するな。呪いが解けたお前ならできるだろう。」
そうすれば、穢れが急激に溜まる事はない。普通の聖女でも十分浄化できる。
「私がうみだしたものだ。最後まで責任は持ちたい。お前の大地を汚したくない。」
「私の事など気にしなくてもいい。人を滅ぼすのが嫌なら減らせばいい。今までと同じだ。」
だから、死ぬなんて言うな。
お前がしたくないなら私がしてもいい。
そういう私にヴォルティスは静かに首を横に振った。
「もう無理だ‥リーナから温もりをもらってしまったから。人の優しさも知ってしまったから。私が死んだ後の核を使ってその後も穢れを浄化してくれ。お前ならできるだろう?」
最高神の核なら聖女の力を力をかなり底上げできる。皆に少しずつ渡すだけでも問題ない。
だが、そういう問題ではない。
「ヴォルティス‥わたしの核を使え。もともと死ぬはずだったんだ。」
残されるくらいなら私が死んだ方がいい。
「‥ルキアにはすまないと思っている。リーナが死ぬまではお前の希望は叶えていこう。側にいて欲しいならお前の側にいる。リーナと会うなというなら穢れの浄化以外はリーナとも会わない。それで許して欲しい。」
あの娘より私を選んで欲しい。そう思った。
だが、あの娘と一緒に死ぬ為に私の望みを叶えるなど‥
自分だけが残されるのか?
ヴォルティスを失うのか。
そんな事は許さない。
あんな娘のためにヴォルティスはこの世から消えるのか。
私を捨ててあの娘を選ぶのか?
ヴォルティスに聖女などつくるのではなかった。どんなに後悔しても取り返しはつかない。
私のヴォルティスはもう私を見てはくれない。
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