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第3章
ルキアの決断(マークバルダ視点)
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ヴォルティスと話をしてルキアは決断をした。
本当ならそんな決断などしたくはなかった。
だが、ヴォルティスがリーナと死ぬ方がもっと嫌だとルキアは自分に言い聞かせた。
「マークバルダの聖女と絆を結んでいる神達を呼べ。」
ルキア様はマークバルダに命じた。
ヴォルティス様に内密だといわれ、警戒した。
ヴォルティス様に仕える私がヴォルティス様に隠れてというのはあり得ない。だが、ルキアの苦しそうに歪んだ顔をみると従うしかなかった。
ラリーンと絆を結んだ女神達メビール、ルーマ、ミラージュが集められた。
ルキアの怒りを抑えたその歪んだ顔を見て皆、息をのんだ。
ルキアがひと睨みするだけで自分達を消滅できる。口を挟んだ神とのやりとりを彼女達も知っていた。
そのルキアが自分達を睨みつけているのだ、怖くない者などいるはずもなかった。
「なぜ、集められたのですか?」
マークバルダは皆を代表して聞いた。
「ヴォルティスと話した。ヴォルティスはあの娘が死ねば、自分も眠ると言っている‥」
皆、ヴォルティスの想いに納得した。
世界の維持ができるならヴォルティス様はそうするだろうと。
「私はそんなの許すつもりはない。」
ルキア様はさらに顔が歪む。ヴォルティス様に対する怒りなのか、それともリーナ様に対するものなのかはわからないが、その返答に苛立っているのがありありと出ている。
ルキア様のヴォルティス様への執着は皆が知っている。
知らないのはヴォルティス様くらいだった。
皆の為にずっと苦しみ続けてきたヴォルティス様がリーナ様と一緒に眠る。
今までヴォルティス様と共にいた者はその状態をしっているだけにヴォルティス様を止められる訳がない。
だが、ルキア様が反発し動けば、ルキア様を止められる者もいない。
「そこでお前達を呼んだんだ。リーナにも永遠の命を授けろ。そうすればヴォルティスも後を追う事はない。」
人であるリーナ様に永遠の命を?
何を無理な事を言っているのだ。
そんな事ができるならもうとっくにしている‥と思いラリーンや女神達をみる。
ラリーンも女神達も呼ばれた理由がわかったのか顔が青ざめている。
「できるだろう?そこの聖女のように永遠に生きられるようにしろ。」
ルキア様は女神達に言う。
慌ててラリーンを見た。
下を向き、私と視線が合わない。
手もフルフルと震えているのをみると後ろめたい事があるようだ。
「ですが、まだお試しなのでうまくいくか結果が出ていません。リーナ様が若返りをする時にやろうかと‥」
ルーマが慌てて言い訳をする。
「問題ない。うまくいくのはわかっている。私がヴォルティスに関して適当な事は絶対に言わない。」
ルキア様はラリーンを見つめる。何が行われているのか全てが見えているようだ。
「ラリーンは永遠の命があるのか?」
私だけが状況を飲み込めていないようだ。
ルキア様は私をチラッと横目で見る。
「言ってなかったのか?それでか。マークバルダの神気ではなく、女神達の神気を入れているのは。その聖女に執着しているマークバルダなら自分でやりそうだと思っていたので意外だったが、謎がとけた。」
私はそこで初めてラリーンの真実を知った。
命の泉にリーナ様を連れていっていたあの時、力を使いすぎたラリーンは生命力にも手を出して老化が始まっていた。
女神達は自分達の力ではどうしようもないと悟った。だから、より高位の男神と絆を結ぶか、老化を止められるかもしれない神の力をラリーンに選ばせた。
保存の神メビール、情報の神ルーマ、人の死に関わるミラージュ。
この3神の得意分野を合わせて老化を防ぎ永遠の命を得ることに成功した。
ラリーンの生命力を使っても老化することがないように人を永久保存にしたのだ。
「なぜ、その事を黙っていた!」
私の怒りが爆発した。うまくいったからよかったもののラリーンを実験台したこの3神への怒りは頂点に達した。
私から神気の圧をもろにぶつけられ立っていられず、ルーマとミラージュは膝をついた。ヒラヒラと飛んでいたメビールは地面に墜落しそうになり、ラリーンに救助されていた。
「その話は後でしろ。で、やるのかやらないのか決めてくれ。」
ルキアはどうでもいいと言わんばかりに話を進める。
やるかやらないかと聞きながらも、やらないという選択肢がないのは皆わかっている。
「‥やります。」
ルーマが渋々答える。
私はルキア様の決断が意外だった。
あんなにリーナ様とヴォルティス様が一緒にいると憎むような視線で見つめていたのに‥
「意外そうな顔をしているな。」
私の視線に気づき、ルキア様は聞く。
「いえ、ルキア様がそのような選択をされるとは思っていなかったので‥」
思わず素直に答えてしまい、しまったと思った。こんな失礼な事言ってはいけなかった。
ルキア様は怒りもせず、苦笑する。
「今だってあの娘とヴォルティスが一緒のところをみるのは苦痛だ。だが、それ以上にヴォルティスが死ぬなど許せる訳がない。ヴォルティスが生きていてくれるなら我慢はできる。あの娘は私の主だ。嫉妬で殺す事もできないしな。」
ヴォルティス様が生きている。
それがこの方にとって一番重要なのだ‥
本当ならそんな決断などしたくはなかった。
だが、ヴォルティスがリーナと死ぬ方がもっと嫌だとルキアは自分に言い聞かせた。
「マークバルダの聖女と絆を結んでいる神達を呼べ。」
ルキア様はマークバルダに命じた。
ヴォルティス様に内密だといわれ、警戒した。
ヴォルティス様に仕える私がヴォルティス様に隠れてというのはあり得ない。だが、ルキアの苦しそうに歪んだ顔をみると従うしかなかった。
ラリーンと絆を結んだ女神達メビール、ルーマ、ミラージュが集められた。
ルキアの怒りを抑えたその歪んだ顔を見て皆、息をのんだ。
ルキアがひと睨みするだけで自分達を消滅できる。口を挟んだ神とのやりとりを彼女達も知っていた。
そのルキアが自分達を睨みつけているのだ、怖くない者などいるはずもなかった。
「なぜ、集められたのですか?」
マークバルダは皆を代表して聞いた。
「ヴォルティスと話した。ヴォルティスはあの娘が死ねば、自分も眠ると言っている‥」
皆、ヴォルティスの想いに納得した。
世界の維持ができるならヴォルティス様はそうするだろうと。
「私はそんなの許すつもりはない。」
ルキア様はさらに顔が歪む。ヴォルティス様に対する怒りなのか、それともリーナ様に対するものなのかはわからないが、その返答に苛立っているのがありありと出ている。
ルキア様のヴォルティス様への執着は皆が知っている。
知らないのはヴォルティス様くらいだった。
皆の為にずっと苦しみ続けてきたヴォルティス様がリーナ様と一緒に眠る。
今までヴォルティス様と共にいた者はその状態をしっているだけにヴォルティス様を止められる訳がない。
だが、ルキア様が反発し動けば、ルキア様を止められる者もいない。
「そこでお前達を呼んだんだ。リーナにも永遠の命を授けろ。そうすればヴォルティスも後を追う事はない。」
人であるリーナ様に永遠の命を?
何を無理な事を言っているのだ。
そんな事ができるならもうとっくにしている‥と思いラリーンや女神達をみる。
ラリーンも女神達も呼ばれた理由がわかったのか顔が青ざめている。
「できるだろう?そこの聖女のように永遠に生きられるようにしろ。」
ルキア様は女神達に言う。
慌ててラリーンを見た。
下を向き、私と視線が合わない。
手もフルフルと震えているのをみると後ろめたい事があるようだ。
「ですが、まだお試しなのでうまくいくか結果が出ていません。リーナ様が若返りをする時にやろうかと‥」
ルーマが慌てて言い訳をする。
「問題ない。うまくいくのはわかっている。私がヴォルティスに関して適当な事は絶対に言わない。」
ルキア様はラリーンを見つめる。何が行われているのか全てが見えているようだ。
「ラリーンは永遠の命があるのか?」
私だけが状況を飲み込めていないようだ。
ルキア様は私をチラッと横目で見る。
「言ってなかったのか?それでか。マークバルダの神気ではなく、女神達の神気を入れているのは。その聖女に執着しているマークバルダなら自分でやりそうだと思っていたので意外だったが、謎がとけた。」
私はそこで初めてラリーンの真実を知った。
命の泉にリーナ様を連れていっていたあの時、力を使いすぎたラリーンは生命力にも手を出して老化が始まっていた。
女神達は自分達の力ではどうしようもないと悟った。だから、より高位の男神と絆を結ぶか、老化を止められるかもしれない神の力をラリーンに選ばせた。
保存の神メビール、情報の神ルーマ、人の死に関わるミラージュ。
この3神の得意分野を合わせて老化を防ぎ永遠の命を得ることに成功した。
ラリーンの生命力を使っても老化することがないように人を永久保存にしたのだ。
「なぜ、その事を黙っていた!」
私の怒りが爆発した。うまくいったからよかったもののラリーンを実験台したこの3神への怒りは頂点に達した。
私から神気の圧をもろにぶつけられ立っていられず、ルーマとミラージュは膝をついた。ヒラヒラと飛んでいたメビールは地面に墜落しそうになり、ラリーンに救助されていた。
「その話は後でしろ。で、やるのかやらないのか決めてくれ。」
ルキアはどうでもいいと言わんばかりに話を進める。
やるかやらないかと聞きながらも、やらないという選択肢がないのは皆わかっている。
「‥やります。」
ルーマが渋々答える。
私はルキア様の決断が意外だった。
あんなにリーナ様とヴォルティス様が一緒にいると憎むような視線で見つめていたのに‥
「意外そうな顔をしているな。」
私の視線に気づき、ルキア様は聞く。
「いえ、ルキア様がそのような選択をされるとは思っていなかったので‥」
思わず素直に答えてしまい、しまったと思った。こんな失礼な事言ってはいけなかった。
ルキア様は怒りもせず、苦笑する。
「今だってあの娘とヴォルティスが一緒のところをみるのは苦痛だ。だが、それ以上にヴォルティスが死ぬなど許せる訳がない。ヴォルティスが生きていてくれるなら我慢はできる。あの娘は私の主だ。嫉妬で殺す事もできないしな。」
ヴォルティス様が生きている。
それがこの方にとって一番重要なのだ‥
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