わがまま妃はもう止まらない

みやちゃん

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「さあ、私たちの番よ。行きましょう。」

ミルアージュはアルトに声をかけた。
ミルアージュも特別扱いはなく、一緒に試合にのぞんでいた。

「今度こそ、姫に勝つよ。」
あの一瞬で負けて以来ミルアージュとアルトは対戦していなかった。
だからこそ、アルトのこの試合にかける思いは強かった。

「私も負けないわ。」
アルトが強くなっているのはミルアージュも知っている。

この先が楽しみね。
まだアルトは若いし、伸びしろが大きい。

昔のアンロック軍部大将見てるみたい。
ミルアージュはフフフと笑った。

アルトは強い。
そして状況判断力も人をまとめる力もある。
平民…そんな理由で力のあるものを潰している現状が辛くもあった。

「始め!」
ミルアージュとアルトは剣を交え、試合開始した。




「まだ拗ねているの?」
ミルアージュはアルトに声をかけた。

「拗ねてなどない。」
そう言うアルトの顔は明らかに落ち込んでいる。

ミルアージュに勝つと意気込んでアルトは試合にのぞんだが…

ミルアージュが勝った。

前回のように一瞬で勝負がつくことはなかった。アルトはミルアージュの攻撃を避ける事ができた。
だが、アルトの攻撃がミルアージュに届くことはなく、アルトの動きを抑えるように責め立てられ手も足もでなかった。

「アルト殿、いつまでも子どものようですね。明日のミルアージュ様とムランド殿の試合の審判を逃げないでくださいよ。」

ミルアージュの後ろに立っていたアビーナルが呆れながら言う。

クリストファーの補佐官だったアビーナルはミルアージュの補佐官に出向していた。
「ミルアージュに付いて学んでこい」というクリストファーの意向だ。

ミルアージュのスケジュール把握もあり、ここ数日アビーナルはミルアージュに付いて回っている。

「アビーナル殿は表情が変わらないな。表情筋が死んでないか?」
アルトは鼻で笑う。

「あなたのように感情が前面に出ているような愚か者では仕事はできません。」
アビーナルはアルトに冷たい視線を送る。

「二人ともやめなさい。」
二人が初めて会ってまだ数日なのに、どうしてこんなに仲が悪いの?

顔を合わせるたびにどうして嫌味合戦になるのか。

この先の事を考え、クリスはアビーナルを私の元に寄越してきた。
アルトも計画に外せない。

この二人に協力体制がなければ計画が根本からすら崩れるかもしれない。

元々軍人と文官は相性が良くない。
アンロックだって宰相と軍部大将も意見がぶつかる事が多かった。
それでもあの二人は信頼し合っていた。

アンロックを他国から守る。
その為にあの二人は相性は最悪でも協力し合えたし、その苦難を乗り越えて強い信頼関係が結ばれた。

仲良くなる方法…
共通の目的を持って一緒に苦楽を共にすれば仲は深まるわよね。

ミルアージュは言い合う二人を見ながら作戦を考えていた。
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