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「アルト、アビーナルは付いて来い。」
クリストファーは会議の後、二人を連れ出した。
ミルアージュを抜きでの話とはなんだろうか?
いつもクリストファーからの話の時には上官であるミルアージュが一緒だったのに。
アルトは早く第三部隊に戻りたかったが、王太子の命令には逆らえない。
「承知しました。」
そう返答したもののできれば付いて行きたくないというのが正直なところ。
それなのに…この忙しい時に…
自分の執務室に連れてきてだんまりとかなしだろう。
三人とも無言のまま、時間だけが過ぎていく。
「あの、クリストファー様。色々と準備しなければならない事もあるので用事がないのなら退室したいのですが…」
アビーナルがアルトをチラッと見て言った。
アルトがイライラし出したのを見かねてアビーナルが助け舟を出してくれた。
「ああ、悪い。どう話したら良いのか少し悩んでてな。」
こんなに歯切れが悪いクリストファー様はなかなか見る事ができない。
いつでも自信満々の王太子が…
アビーナルはそんなクリストファー様に慣れているのか、悩んでいると言われているのに待つことをしない。
「ミルアージュ様のことですか?まだミルアージュ様の出陣に反対しているのですか?それは王太子としてですか?夫としてですか?」
「王太子としてはこれが一番いい戦略だとはわかっている。夫としては反対だ…」
「ミルアージュ様が死ぬ恐れがあるからですか?」
ミルアージュは司令官だ。
実際に動くのはアルト達隊員であり、ミルアージュが命の危機になる事は想定しにくい。
何よりあの強いミルアージュが死ぬところなどアルトには全くイメージできない。
例え危機があったとしてもミルアージュだけで逃すのは決定事項だ。
「それは私が死ぬ可能性より低いがな。まぁ、ミアが死ねばこの国が終わる事は自覚していると思うから無理はしないと思うが…」
クリストファーはブツブツと独り言を言う。
自分をなんとか納得させようと頑張っているようだ。
「では、何が心配なんだ?」
アルトはクリストファーの言い方にイラつきが増しており、アビーナルの前でも敬語を使わなかった。
そんなアルトを見てアビーナルは一瞬驚いた表情をした。
「敬語なしは二人の時だけと言ってあっただろう、まぁ、いいが。」
仕事さえきちんとすれば良いと考えるアビーナルにとって大した問題ではないのはアルトにもクリストファーにもわかっていた。
「心配なのはミアの心だ。」
「心…」
「ミアはお前たち第三部隊の誰かが死ねば、自分の責任だと悔やむ。敵兵の死すら戦を止められなかった自分のせいと心を痛めるから目も当てられない。」
ハァーとクリストファーは大きなため息をついた。
「これが正攻法である以上、犠牲者は必ず出る。こちらも向こうもな。ミアなら負ける事はないだろうが…夜一人の時間を作ってやってくれ。」
「一人にしてはいけないのではなくて?」
「お前ら臣下がいればミアは弱さを出せない。司令官の迷いは士気に関わるからな。」
クリストファーは悲しそうに二人を見つめた。
クリストファーはずっとミルアージュだけを見つめてきた。
だからこそ、今回の件は必ずミルアージュの心に陰を落とすのはわかっている。
ずっと、幸せにしたいと思っていた。
それなのに自分の不甲斐なさが悔しい。
行かせたくなどない。
だが…もう起こってしまった以上、ミルアージュを止められない。
止めたらもうミルアージュではなくなるのだから。
あの人形のようになったミアは二度と見たくない…クリストファーは拳をギュッと握った。
クリストファーは会議の後、二人を連れ出した。
ミルアージュを抜きでの話とはなんだろうか?
いつもクリストファーからの話の時には上官であるミルアージュが一緒だったのに。
アルトは早く第三部隊に戻りたかったが、王太子の命令には逆らえない。
「承知しました。」
そう返答したもののできれば付いて行きたくないというのが正直なところ。
それなのに…この忙しい時に…
自分の執務室に連れてきてだんまりとかなしだろう。
三人とも無言のまま、時間だけが過ぎていく。
「あの、クリストファー様。色々と準備しなければならない事もあるので用事がないのなら退室したいのですが…」
アビーナルがアルトをチラッと見て言った。
アルトがイライラし出したのを見かねてアビーナルが助け舟を出してくれた。
「ああ、悪い。どう話したら良いのか少し悩んでてな。」
こんなに歯切れが悪いクリストファー様はなかなか見る事ができない。
いつでも自信満々の王太子が…
アビーナルはそんなクリストファー様に慣れているのか、悩んでいると言われているのに待つことをしない。
「ミルアージュ様のことですか?まだミルアージュ様の出陣に反対しているのですか?それは王太子としてですか?夫としてですか?」
「王太子としてはこれが一番いい戦略だとはわかっている。夫としては反対だ…」
「ミルアージュ様が死ぬ恐れがあるからですか?」
ミルアージュは司令官だ。
実際に動くのはアルト達隊員であり、ミルアージュが命の危機になる事は想定しにくい。
何よりあの強いミルアージュが死ぬところなどアルトには全くイメージできない。
例え危機があったとしてもミルアージュだけで逃すのは決定事項だ。
「それは私が死ぬ可能性より低いがな。まぁ、ミアが死ねばこの国が終わる事は自覚していると思うから無理はしないと思うが…」
クリストファーはブツブツと独り言を言う。
自分をなんとか納得させようと頑張っているようだ。
「では、何が心配なんだ?」
アルトはクリストファーの言い方にイラつきが増しており、アビーナルの前でも敬語を使わなかった。
そんなアルトを見てアビーナルは一瞬驚いた表情をした。
「敬語なしは二人の時だけと言ってあっただろう、まぁ、いいが。」
仕事さえきちんとすれば良いと考えるアビーナルにとって大した問題ではないのはアルトにもクリストファーにもわかっていた。
「心配なのはミアの心だ。」
「心…」
「ミアはお前たち第三部隊の誰かが死ねば、自分の責任だと悔やむ。敵兵の死すら戦を止められなかった自分のせいと心を痛めるから目も当てられない。」
ハァーとクリストファーは大きなため息をついた。
「これが正攻法である以上、犠牲者は必ず出る。こちらも向こうもな。ミアなら負ける事はないだろうが…夜一人の時間を作ってやってくれ。」
「一人にしてはいけないのではなくて?」
「お前ら臣下がいればミアは弱さを出せない。司令官の迷いは士気に関わるからな。」
クリストファーは悲しそうに二人を見つめた。
クリストファーはずっとミルアージュだけを見つめてきた。
だからこそ、今回の件は必ずミルアージュの心に陰を落とすのはわかっている。
ずっと、幸せにしたいと思っていた。
それなのに自分の不甲斐なさが悔しい。
行かせたくなどない。
だが…もう起こってしまった以上、ミルアージュを止められない。
止めたらもうミルアージュではなくなるのだから。
あの人形のようになったミアは二度と見たくない…クリストファーは拳をギュッと握った。
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