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「マリア…お前はお前の幸せも一緒に考えるべきだ。お前が死ぬことで私達が助かったとしても喜べると思っているのか?」
「お兄様…」
「王族として国や民を守る役割や我慢すべきこともある。だが、お前の全てを犠牲にしようと思っているわけではない。私がそんな事させない。」
マリアはブランに抱きしめられながら頷いている。
ブランはマリアの瞳から落ちる涙を拭って微笑む。
「お前がムランドの元に嫁げるように手を回す。だから、バカな事を考えずにもう少し待ってくれ。」
マリアとムランドは驚いていたが、ミルアージュはブランならきっとそうするだろうと思っていた。
ブランは情に熱い。
妹を優しく見つめるブランは自分の弟に向ける気持ちと同じだとミルアージュは思っていた。
レンラグスの民衆は悪政で追い詰められていた。
そして、マリア王女も…
マリアを臣下に嫁がせる。
そんな事は子どもを駒としか考えていなかった前レンラグス国王の統治の頃では考えられない。
ブランは全てを抱え、レンラグスの政権交代を早めることにしたのだ。
自力ではまだ力不足を自覚していたのだろう。
ミルアージュ、クリストファーを巻き込んでまで事を急いだ…
大切にしているマリア王女に毒物摂取の芝居までさせるやり方をブランが好んでするはずはなかった。
昔からクリスと揉める時も正面から向かっていく人だったから。
クリスと違ってね。
フフッとミルアージュは笑って部屋を出ようとした。
「待て、ミルアージュ!」
「今日はマリア王女とゆっくりして。国に戻ると難しいでしょう?」
「ああ、後からゆっくりさせてもらう。ミルアージュ、本当にありがとう。」
ブランはもう一度頭を下げる。
そんなブランをみてミルアージュは微笑んだ。
「マリア王女にも幸せになって欲しかったのよ。ムランドが無理をしない道ができてよかったわ。」
ミルアージュはマリアとムランドの方をみてニコリと笑った。
「全てお見通しだな。ムランドは腕はいいが、性格が軍部には向かない。」
「そうね…」
「ミルアージュ、お前もそうだ。今回かなり堪えただろう…」
「大丈夫よ。私はずっと戦場にいたのよ、慣れているわ。強いの私。」
微笑むミルアージュの内側を見透かすようにブランはミルアージュを見つめた。
「ミルアージュ、マリアの行動をどう思った?俺たちの為に兄に唆され毒を飲んだマリアを…」
「…何が言いたいの?」
「バカだと思わないか?独りよがりもいいところだ。そんな事をされても全く嬉しくないし、そんな事は望んではいない。大切な者を守れない自分を一生悔やむだろう…生き地獄だ。」
「…」
ミルアージュはブランの言葉に反応ができなかった。
なぜなら、ミルアージュに向けてもその言葉を投げかけているのがわかったから。
「ミルアージュはマリアと同じだ。自分勝手な行いはもうやめろ。どれだけ自分と周りを傷つける?」
「そんな事は…」
「さっきクリストファーに会ったが、あいつ何かを覚悟しているような面持ちだった。そんな顔をさせられるのは昔からミルアージュだけだ。少しはクリストファーの事も考えてやってくれ。」
「…」
「この戦いに巻き込んだ私が言えることではないがな。」
ブランは苦笑いをした後、真剣な顔になった。
「ミルアージュが不幸になれば国がどうなろうとクリストファーは全ての元凶を滅ぼすし、お前が死ねば、きっとあとを追うぞ。」
「そんな事はない…」
王太子であるクリストファーがミルアージュと共に死ぬなど許されるものではない。
だが、ミルアージュも今までの経過からブランのその言葉を完全には否定できなかった。
「この国を守りたければミルアージュは幸せでないといけない。」
ミルアージュは固まってしまった。
何と言葉を返して良いのかわからない。
自分がしてきた事は間違いなのか…
幸せって何?
皆が幸せになるのを見るだけではダメなの?
完全に混乱していた。
「すぐには結論は出ないだろう。だが、忘れるな。クリストファーはミルアージュが全てだ。」
ブランもわかっている。
クリストファーほどミルアージュの事だけを考えられない。
あれほど惚れ込む事はできない…
それならミルアージュとうまくいってもらってルーマンとの関係性を築く方がレンラグスの為…結果私の為になる。
ブランは混乱しているミルアージュを残し、マリアとムランドと部屋を出た。
「お兄様…」
「王族として国や民を守る役割や我慢すべきこともある。だが、お前の全てを犠牲にしようと思っているわけではない。私がそんな事させない。」
マリアはブランに抱きしめられながら頷いている。
ブランはマリアの瞳から落ちる涙を拭って微笑む。
「お前がムランドの元に嫁げるように手を回す。だから、バカな事を考えずにもう少し待ってくれ。」
マリアとムランドは驚いていたが、ミルアージュはブランならきっとそうするだろうと思っていた。
ブランは情に熱い。
妹を優しく見つめるブランは自分の弟に向ける気持ちと同じだとミルアージュは思っていた。
レンラグスの民衆は悪政で追い詰められていた。
そして、マリア王女も…
マリアを臣下に嫁がせる。
そんな事は子どもを駒としか考えていなかった前レンラグス国王の統治の頃では考えられない。
ブランは全てを抱え、レンラグスの政権交代を早めることにしたのだ。
自力ではまだ力不足を自覚していたのだろう。
ミルアージュ、クリストファーを巻き込んでまで事を急いだ…
大切にしているマリア王女に毒物摂取の芝居までさせるやり方をブランが好んでするはずはなかった。
昔からクリスと揉める時も正面から向かっていく人だったから。
クリスと違ってね。
フフッとミルアージュは笑って部屋を出ようとした。
「待て、ミルアージュ!」
「今日はマリア王女とゆっくりして。国に戻ると難しいでしょう?」
「ああ、後からゆっくりさせてもらう。ミルアージュ、本当にありがとう。」
ブランはもう一度頭を下げる。
そんなブランをみてミルアージュは微笑んだ。
「マリア王女にも幸せになって欲しかったのよ。ムランドが無理をしない道ができてよかったわ。」
ミルアージュはマリアとムランドの方をみてニコリと笑った。
「全てお見通しだな。ムランドは腕はいいが、性格が軍部には向かない。」
「そうね…」
「ミルアージュ、お前もそうだ。今回かなり堪えただろう…」
「大丈夫よ。私はずっと戦場にいたのよ、慣れているわ。強いの私。」
微笑むミルアージュの内側を見透かすようにブランはミルアージュを見つめた。
「ミルアージュ、マリアの行動をどう思った?俺たちの為に兄に唆され毒を飲んだマリアを…」
「…何が言いたいの?」
「バカだと思わないか?独りよがりもいいところだ。そんな事をされても全く嬉しくないし、そんな事は望んではいない。大切な者を守れない自分を一生悔やむだろう…生き地獄だ。」
「…」
ミルアージュはブランの言葉に反応ができなかった。
なぜなら、ミルアージュに向けてもその言葉を投げかけているのがわかったから。
「ミルアージュはマリアと同じだ。自分勝手な行いはもうやめろ。どれだけ自分と周りを傷つける?」
「そんな事は…」
「さっきクリストファーに会ったが、あいつ何かを覚悟しているような面持ちだった。そんな顔をさせられるのは昔からミルアージュだけだ。少しはクリストファーの事も考えてやってくれ。」
「…」
「この戦いに巻き込んだ私が言えることではないがな。」
ブランは苦笑いをした後、真剣な顔になった。
「ミルアージュが不幸になれば国がどうなろうとクリストファーは全ての元凶を滅ぼすし、お前が死ねば、きっとあとを追うぞ。」
「そんな事はない…」
王太子であるクリストファーがミルアージュと共に死ぬなど許されるものではない。
だが、ミルアージュも今までの経過からブランのその言葉を完全には否定できなかった。
「この国を守りたければミルアージュは幸せでないといけない。」
ミルアージュは固まってしまった。
何と言葉を返して良いのかわからない。
自分がしてきた事は間違いなのか…
幸せって何?
皆が幸せになるのを見るだけではダメなの?
完全に混乱していた。
「すぐには結論は出ないだろう。だが、忘れるな。クリストファーはミルアージュが全てだ。」
ブランもわかっている。
クリストファーほどミルアージュの事だけを考えられない。
あれほど惚れ込む事はできない…
それならミルアージュとうまくいってもらってルーマンとの関係性を築く方がレンラグスの為…結果私の為になる。
ブランは混乱しているミルアージュを残し、マリアとムランドと部屋を出た。
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