わがまま妃はもう止まらない

みやちゃん

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「大丈夫ですか?」

次の日、アビーナルはついミルアージュに聞いてしまった。
大丈夫じゃないというのは見ていてわかるくらいぐったりしている。

ミルアージュ、クリストファー、ダミアンにアビーナル。

シーンと静まり返った。

異色な四人がいる部屋でアビーナルは普段なら言わない失言をしてしまった事に気付いた。

「大丈夫そうに見える?」

「いえ、見えません。申し訳ありません。」

アビーナルも素直に謝った。
クリストファーが久しぶりにミルアージュと会って何もないはずがない。
わかりながら目をつぶったアビーナルはミルアージュに申し訳ないと思いながらも…

ミルアージュはクリストファーに付き合わされてぐったりはしているが、いつもより顔色は良かった。

「体調は悪くなさそうで良かったです。」
アビーナルはミルアージュに微笑みかけた。

ミルアージュとクリストファーの話し合いはうまくいったのだろう。
この二人がうまくいっているのは良いことだ。
二人にとってもそして自分たち周囲の人間にとっても。

「あなたのその笑みは怖いわよ。」
ミルアージュはアビーナルを睨みつけた。

普段めったに微笑む事がないアビーナルの笑顔はかなりの破壊力がある。

「おい、ミアを誘惑するつもりか?」
ミルアージュの後ろに立っていたクリストファーがアビーナルを睨みつけた。

「いえ、そんな事はありません。」

アビーナルは慌てた首を横に振った。

ミルアージュが絡んだ時のクリストファーほど怖いものはない。
しかも、誰であろうと許さない。

ミルアージュに害があれば、父である国王ですらクリストファーの敵となっていたのだから。

「クリス、アビーナルを脅さないの。彼は妻一筋よ。」
ミルアージュはアビーナルをかばった為にクリストファーの殺気は強くなった。

それをすると余計に拗ねるのに…
ミルアージュ様はクリストファー様の気持ちをを何も考えていない。
クリストファーの視線が怖くてアビーナルはクリストファーと目を合わせる事ができなかった。


「ミア夫人にはお世話になっています。治安部隊長のダミアンです。」
シーンとなった空気の中状況を読めないダミアンが発言し、クリストファーに頭を下げた。

「ミア夫人?」
クリストファーの表情が変わった。
ミアと呼ばないようにきちんと説明しておかなかった事をアビーナルは後悔した。
ミアと呼び捨てがいけないのではなくミアと言葉に出すことすらダメだということを。

ダミアンはミアが本名だと思っているのだから仕方がないなど考えるクリストファーではない。

「クリス、しつこいわよ!さっさと詳細を説明して。」
ミルアージュが時間もないのに本題に入れない事に苛立ち始めたのを感じ取ったクリストファーは殺気を抑えた。

今晩も仲良く…と企んでいるクリストファーにとってここでミルアージュの機嫌を損ねるわけにはいかないから。

「街はだいぶ落ち着いているな…領主が戻れば間違いなく問題を起こす。皆が暴動を起こすように仕向けてくるだろうな。」
クリストファーはパラパラと街の財政や治安など資料を見ながら言った。

「領主が暴動を起こす?なぜだ!暴動が起きて領主に得する点はない。」
クリストファーの言葉にダミアンが噛み付いた。
暴動が起こり、街が壊れ人が死ねば税も納められなくなる。
領主の収入源がなくなる。そんな事をするはずがないとダミアンは考えている。

「得するな。きっとここよりも豊かな領地をもらう約束を取り付けてるはずだから。」
クリストファーは持っていた資料を出した。

その中には領主とキュラミールのつながりについて書かれていた。
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