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「つまりこの国がおかしいって事ね!」
ミルアージュはルービオの話を聞いてそう結論付けた。
「…ミア?」
クリストファーが意表をつかれたように驚いた顔をした。
「だってそうでしょう!前から思っていたのよ。どうしてこの国は女性をそこまで差別するのかって。」
ミルアージュは興奮気味に早口で話す。
「いや、それは…だが、アンロックだって王位は男子優先じゃないか。」
クリストファーが焦りながら答えるが、ミルアージュと目を合わせなかった。
ミルアージュがかなり怒っている事は伝わってきたが、それを実際に見る勇気がなかった。
「そうよ、だけど、貴族は違うわ。男女の区別なく爵位をつげるわ。王は有事の際に先頭に立ち皆を率いる者、代わりはいないの。もし妊娠していたら馬にも乗れないし、戦の先頭にたち皆を導けないでしょう?」
アンロックは女性を差別したというより他国との争いが常に絶えなかったため、後継を妊娠している可能性がある女性を戦争に出せなかったのだ。
平和な今のアンロックなら、その必要はなくなっている。
だからこそ、レンドランドが変えようとしているのだ。
アンロックを訪れた時にレンドランドはキッパリとミルアージュに言った。
「女性というだけで王位継承権は後回しになるなんておかしいと私は思います。いずれその決まりも変えるつもりです。」
あの子は素直で真面目で、言い出したら聞かない子だったから。
きっとアンロックは変わっていくだろう。
根本的に違うルーマンの古臭い女性軽視にミルアージュは元々納得していない。
「…すまなかった。もっとミアを受け入れる準備をしておくべきだった。」
ルーマン王はミルアージュを政務官に任命したくらいだ。
女性だからと差別するつもりもない。
それどころかミルアージュの存在を全面に出し、女性の社会進出も推し進めようとした。
クリストファーは後悔していた。
アンロックや他国に気を取られ、ルーマン国内に目を向けていなかった事を。
本来ならミアをルーマンに迎え入れる前に改善するべき事だった。
そうすれば、ミアへの差別的な言動ももっと少なく、もっとミアを中心とした改革もやりやすかった筈だ。
「私のためにではなくて、皆んなのためによ。そんな制度がなかったらルービオだって性別を偽らなくて良かったんだから!」
ミルアージュは自分の意図がクリストファーに伝わらなくて余計にイラつきを増していた。
「…ああ、そうだな。」
クリストファーがミルアージュの圧に押されるように同意した。
「だが、今話し合うべきはそこではないだろう?」
「そうね、脱線したわ。ごめんなさい。」
ミルアージュが素直に認めたのを見てクリストファーがホッと胸を撫で下ろした。
皆の視線が再度ルービオに集まった。
ミルアージュの気をそらしたいクリストファーはルービオに早く話をしろと圧をかける。
ルービオはそんなクリストファーに圧倒されながら深呼吸をしてから話し出した。
「父が意識を取り戻し事の詳細を知りましたが、そのまま私は次男として育てられました。」
「なぜ?」
まだ赤子の頃の出生届けだ。
多少の罰則はあっても変更はきいた筈だ。
国王だって、このルーマン指折りの領地を所有する大貴族との摩擦は避けたいだろうから。
「父は私が生まれる前から兄は領主の器ではないと思っていた様です。気付いた時には兄が母親に甘やかされ、どうしようない愚か者になったとよく愚痴っていました。だからこそ、私の教育には一段と力を入れたようです。」
だから、女児ではまずかったのだ。
後継のスペアとして教育が受けられる男児より、基本的に嫁ぐ予定の女児にはできる教育が限られてしまう。
女児しか跡取りがいないのならば問題はなかったが、長男がいるのに女児にそのような教育はできなかったのだろう。
領主は不正をしても長男に跡を継がせたくなかったのがありありと伝わってきた。
領主は男児として育てルービオの成人するのを待っていたのだ。
「ルービオ、あなたの成人はいつかしら。」
ミルアージュは少し考えてからルービオに聞いた。
「来年、成人式を迎える予定です。」
ルービオの成人までもう時間が少なくない。
ミルアージュは眉間に皺を寄せ、手をあごに添えて考え込んだ。
良くない結果を想定している時のミルアージュの癖。
クリストファーはすぐに気づいて嫌な予感がしていた。
そして、クリストファーにとって良くない結論をいつも出すのがミルアージュだった。
「…ミア、偶然という事もある。」
クリストファーは真剣な顔になった。
付き合いが長いだけあってクリストファーはミルアージュの言葉の意図を正確に読み取った。
ミルアージュはルービオの話を聞いてそう結論付けた。
「…ミア?」
クリストファーが意表をつかれたように驚いた顔をした。
「だってそうでしょう!前から思っていたのよ。どうしてこの国は女性をそこまで差別するのかって。」
ミルアージュは興奮気味に早口で話す。
「いや、それは…だが、アンロックだって王位は男子優先じゃないか。」
クリストファーが焦りながら答えるが、ミルアージュと目を合わせなかった。
ミルアージュがかなり怒っている事は伝わってきたが、それを実際に見る勇気がなかった。
「そうよ、だけど、貴族は違うわ。男女の区別なく爵位をつげるわ。王は有事の際に先頭に立ち皆を率いる者、代わりはいないの。もし妊娠していたら馬にも乗れないし、戦の先頭にたち皆を導けないでしょう?」
アンロックは女性を差別したというより他国との争いが常に絶えなかったため、後継を妊娠している可能性がある女性を戦争に出せなかったのだ。
平和な今のアンロックなら、その必要はなくなっている。
だからこそ、レンドランドが変えようとしているのだ。
アンロックを訪れた時にレンドランドはキッパリとミルアージュに言った。
「女性というだけで王位継承権は後回しになるなんておかしいと私は思います。いずれその決まりも変えるつもりです。」
あの子は素直で真面目で、言い出したら聞かない子だったから。
きっとアンロックは変わっていくだろう。
根本的に違うルーマンの古臭い女性軽視にミルアージュは元々納得していない。
「…すまなかった。もっとミアを受け入れる準備をしておくべきだった。」
ルーマン王はミルアージュを政務官に任命したくらいだ。
女性だからと差別するつもりもない。
それどころかミルアージュの存在を全面に出し、女性の社会進出も推し進めようとした。
クリストファーは後悔していた。
アンロックや他国に気を取られ、ルーマン国内に目を向けていなかった事を。
本来ならミアをルーマンに迎え入れる前に改善するべき事だった。
そうすれば、ミアへの差別的な言動ももっと少なく、もっとミアを中心とした改革もやりやすかった筈だ。
「私のためにではなくて、皆んなのためによ。そんな制度がなかったらルービオだって性別を偽らなくて良かったんだから!」
ミルアージュは自分の意図がクリストファーに伝わらなくて余計にイラつきを増していた。
「…ああ、そうだな。」
クリストファーがミルアージュの圧に押されるように同意した。
「だが、今話し合うべきはそこではないだろう?」
「そうね、脱線したわ。ごめんなさい。」
ミルアージュが素直に認めたのを見てクリストファーがホッと胸を撫で下ろした。
皆の視線が再度ルービオに集まった。
ミルアージュの気をそらしたいクリストファーはルービオに早く話をしろと圧をかける。
ルービオはそんなクリストファーに圧倒されながら深呼吸をしてから話し出した。
「父が意識を取り戻し事の詳細を知りましたが、そのまま私は次男として育てられました。」
「なぜ?」
まだ赤子の頃の出生届けだ。
多少の罰則はあっても変更はきいた筈だ。
国王だって、このルーマン指折りの領地を所有する大貴族との摩擦は避けたいだろうから。
「父は私が生まれる前から兄は領主の器ではないと思っていた様です。気付いた時には兄が母親に甘やかされ、どうしようない愚か者になったとよく愚痴っていました。だからこそ、私の教育には一段と力を入れたようです。」
だから、女児ではまずかったのだ。
後継のスペアとして教育が受けられる男児より、基本的に嫁ぐ予定の女児にはできる教育が限られてしまう。
女児しか跡取りがいないのならば問題はなかったが、長男がいるのに女児にそのような教育はできなかったのだろう。
領主は不正をしても長男に跡を継がせたくなかったのがありありと伝わってきた。
領主は男児として育てルービオの成人するのを待っていたのだ。
「ルービオ、あなたの成人はいつかしら。」
ミルアージュは少し考えてからルービオに聞いた。
「来年、成人式を迎える予定です。」
ルービオの成人までもう時間が少なくない。
ミルアージュは眉間に皺を寄せ、手をあごに添えて考え込んだ。
良くない結果を想定している時のミルアージュの癖。
クリストファーはすぐに気づいて嫌な予感がしていた。
そして、クリストファーにとって良くない結論をいつも出すのがミルアージュだった。
「…ミア、偶然という事もある。」
クリストファーは真剣な顔になった。
付き合いが長いだけあってクリストファーはミルアージュの言葉の意図を正確に読み取った。
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