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「もう今日は諦めないか?」
マカラックが疲れた顔でため息をつく。
「もう少しだけ探しましょう。」
「そう言うと思った‥」
ミルアージュとマカラックのそのやりとりは何回も繰り返されていた。
マカラックはフーと大きく息を吐いた。
マカラックが疲労しているのを感じながらもミルアージュは諦めがつかなかった。
「本来なら領主の居場所なんてすぐにわかるんだが、私が感知できないなんてよほど生命力が減っているらしいな。人が集まっている場所もない。」
最初からマカラックはそう言っていた。
マカラックの言葉を訳すと、もう領主には時間がないということを意味している。
そして、領主はまともに治療を受けていない筈だ。
領主の命の灯火が消えそうな時に人が集まらないなんて、そんな事はあり得ないのだから。
「少し休憩しよう。もう何時間も探してるし、力を使いすぎて正直疲れたよ。」
マカラックは壁にもたれながらミルアージュに声をかける。
マカラックは領主の気や人の気配を感じようと何時間も神聖力を使っており、疲れはピークを迎えていた。
「申し訳ありません。ここからは私が1人で探します。」
ミルアージュはマカラックに頭を下げる。
力を使っているマカラックを配慮できていなかった自分を恥じた。
「私がついてくると言ったのだから気にしなくてもいい。だが、少し休ませてくれ。休憩がてら少し話をしよう。」
マカラックは苦笑いをする。
ミルアージュはそんなマカラックの前に立ち、マカラックの言葉を待った。
しばらく沈黙が続いた後マカラックは話し出した。
「ミルアージュ殿はどう思った?」
「どう思ったとは?」
「クリストファー殿の心の内側だ。」
ミルアージュは少し考えてから答える。
「‥驚きました。」
「だろうな、クリストファー殿が隠していた心の内側を勝手に見せるのは人としての道に外れている事は私だってわかるよ。だが‥」
「いえ、よかったと思います‥クリスも私に気付かれるのを望んでいたと思いますから。私も覚悟を決められました。」
「そう言ってもらえると気持ちが少し軽くなるよ。」
「マカラック様はクリストファーという存在が恐ろしくはないですか?」
ミルアージュはマカラックに聞いた。
マカラックはミルアージュを見つめる。
「‥ミルアージュ殿はどうだ?クリストファー殿を恐ろしいと思ったか?」
「恐ろしくないといえば嘘になります。」
ミルアージュがこれまで大切にして来たもの全て壊せる力がある。
クリストファーがミルアージュに害をなしていると判断した時点で敵認定される。
「彼にとって私は必要で、私なら止める力がある。私がいなくなれば済む問題でないとわかったのでそばにいます。けれど、彼の死に時まで私が決めても良いのでしょうか?」
ミルアージュはクリストファーに毒を渡すつもりだ。
だが、覚悟は決めても罪悪感がなくなるわけではなかった。
妻の後を追って死ぬ事が本当に良い事なのか?
幸せなのか?
ミルアージュにはその判断はつかない。
そんなミルアージュの心のうちなどマカラックにはお見通しなのだろう。
「大丈夫だ、それがクリストファー殿の幸せだと私が保証するよ。」
マカラックはにっこりと笑った。
マカラックもクリストファーにミルアージュの幸せ以外も考えろと言ったが、クリストファーには難しいとわかっている。
この先もミルアージュのように気持ちを変化させる事はできないだろう。
この世を滅亡させれば、一時は気分も良いかもしれないが、いずれ気づく。
そんな結果はミルアージュが1番悲しむ事だと。
そして苦しみながら命を絶つだろう。
ならば、ミルアージュを思いながら死ねる方が幸せなはずだ。
「ミルアージュ殿の決断は間違っていない。」
「‥ありがとうございます。」
「そろそろ捜索に戻ろうか、この城は本当、無駄に広い。」
マカラックは歩き出した。
ミルアージュの目が潤んだのを見ないようにしてくれている。
「はい。」
ミルアージュはマカラックの後に続いた。
マカラックが疲れた顔でため息をつく。
「もう少しだけ探しましょう。」
「そう言うと思った‥」
ミルアージュとマカラックのそのやりとりは何回も繰り返されていた。
マカラックはフーと大きく息を吐いた。
マカラックが疲労しているのを感じながらもミルアージュは諦めがつかなかった。
「本来なら領主の居場所なんてすぐにわかるんだが、私が感知できないなんてよほど生命力が減っているらしいな。人が集まっている場所もない。」
最初からマカラックはそう言っていた。
マカラックの言葉を訳すと、もう領主には時間がないということを意味している。
そして、領主はまともに治療を受けていない筈だ。
領主の命の灯火が消えそうな時に人が集まらないなんて、そんな事はあり得ないのだから。
「少し休憩しよう。もう何時間も探してるし、力を使いすぎて正直疲れたよ。」
マカラックは壁にもたれながらミルアージュに声をかける。
マカラックは領主の気や人の気配を感じようと何時間も神聖力を使っており、疲れはピークを迎えていた。
「申し訳ありません。ここからは私が1人で探します。」
ミルアージュはマカラックに頭を下げる。
力を使っているマカラックを配慮できていなかった自分を恥じた。
「私がついてくると言ったのだから気にしなくてもいい。だが、少し休ませてくれ。休憩がてら少し話をしよう。」
マカラックは苦笑いをする。
ミルアージュはそんなマカラックの前に立ち、マカラックの言葉を待った。
しばらく沈黙が続いた後マカラックは話し出した。
「ミルアージュ殿はどう思った?」
「どう思ったとは?」
「クリストファー殿の心の内側だ。」
ミルアージュは少し考えてから答える。
「‥驚きました。」
「だろうな、クリストファー殿が隠していた心の内側を勝手に見せるのは人としての道に外れている事は私だってわかるよ。だが‥」
「いえ、よかったと思います‥クリスも私に気付かれるのを望んでいたと思いますから。私も覚悟を決められました。」
「そう言ってもらえると気持ちが少し軽くなるよ。」
「マカラック様はクリストファーという存在が恐ろしくはないですか?」
ミルアージュはマカラックに聞いた。
マカラックはミルアージュを見つめる。
「‥ミルアージュ殿はどうだ?クリストファー殿を恐ろしいと思ったか?」
「恐ろしくないといえば嘘になります。」
ミルアージュがこれまで大切にして来たもの全て壊せる力がある。
クリストファーがミルアージュに害をなしていると判断した時点で敵認定される。
「彼にとって私は必要で、私なら止める力がある。私がいなくなれば済む問題でないとわかったのでそばにいます。けれど、彼の死に時まで私が決めても良いのでしょうか?」
ミルアージュはクリストファーに毒を渡すつもりだ。
だが、覚悟は決めても罪悪感がなくなるわけではなかった。
妻の後を追って死ぬ事が本当に良い事なのか?
幸せなのか?
ミルアージュにはその判断はつかない。
そんなミルアージュの心のうちなどマカラックにはお見通しなのだろう。
「大丈夫だ、それがクリストファー殿の幸せだと私が保証するよ。」
マカラックはにっこりと笑った。
マカラックもクリストファーにミルアージュの幸せ以外も考えろと言ったが、クリストファーには難しいとわかっている。
この先もミルアージュのように気持ちを変化させる事はできないだろう。
この世を滅亡させれば、一時は気分も良いかもしれないが、いずれ気づく。
そんな結果はミルアージュが1番悲しむ事だと。
そして苦しみながら命を絶つだろう。
ならば、ミルアージュを思いながら死ねる方が幸せなはずだ。
「ミルアージュ殿の決断は間違っていない。」
「‥ありがとうございます。」
「そろそろ捜索に戻ろうか、この城は本当、無駄に広い。」
マカラックは歩き出した。
ミルアージュの目が潤んだのを見ないようにしてくれている。
「はい。」
ミルアージュはマカラックの後に続いた。
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