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領主の部屋を出たクリストファーとミルアージュは領主の自慢の庭を散歩していた。
そう、部屋に戻ればクリストファーを問いただしてしまうと自覚しているミルアージュが外に誘ったのだ。
「綺麗だな。」
クリストファーは上機嫌だった。
こんなクリストファーだが、花を愛でるのが好きな事をミルアージュは知っている。
だが、今上機嫌なのは違う理由だろう。
「クリス、何を隠しているの?」
「…何もないと言いたいけれど、嘘はつきたくない。だが、話したくない。ミア、聞かないでくれるか?」
クリストファーは花壇の方を見ていてミルアージュと目を合わせずにそう答えた。
ミルアージュもクリストファーが嘘をつかない事を知っている。
言わない事があっても騙す様な発言はしないと確信している。
「そこまで言われて問い出したら私が悪女になるわ。」
ミルアージュはため息をついた。
「ミアが悪女でも聖女でも…例え王女でなかったとしも、私にとって、この世の中で1番美しくて愛おしい存在だ。」
クリストファーはエスコートで組んでいた腕を外し、恋人つなぎで手を握った。
「そうやって誤魔化すのね。」
ミルアージュの視線は冷たい。
クリストファーは苦笑いをした。
「そういうな。夫婦といえどもお互いに話せない事もあるだろう。私が全てを話せば、ミアもそうしてくれるのか?」
クリストファーがミルアージュを悲しげに見つめる。
「…」
ミルアージュもクリストファーに言っていないことがある。
だから、クリストファーだけを責めるわけにはいかない。
その事はミルアージュ自身よくわかっている。
「…そういう事だ。ミアから無理に聞き出す事はしたくない。だから、ミアも聞かないでくれるか?」
「私達の間に秘密がなくなる日が来るのかしら?」
「…そうなればいいなとは思う。」
「そうね。」
クリストファーもミルアージュもそんな日が来るとは思えなかった。
きっと普通の夫婦ならそれもできるだろう。
だが、国を治める上でクリストファーとミルアージュの考え方が全く違う。
相反する2人が夫婦として過ごすと決めたのだから、隠し事が出てくるのも仕方ないと2人ともわかっていた。
「私もいつか本音で話し合える日が来て欲しい。」
「後継に王座を譲ればできるかもしれないな。引退すれば、小さな家で夕飯を食べながら、その日にあった出来事を語り合う。そんな夫婦になりたい。」
うらやむように遠くを見ながらクリストファーはそう言った。
前にも聞いたことがあった。
世界滅亡も考える男とは思えない平凡な夢を語るクリストファー。
私が執着しなければ、クリスは王太子にもならず、世界を滅ぼす事もないはずなのだ。
その夢も叶っていたかもしれない。
「後継…」
自分たちの子とは言わなかった。
「クリスは自分の子が欲しいと思わないの?」
クリストファーは少し考えてから答える。
「ミアとの子なら大切する。王子でも王女でもミアに似て可愛いだろう。」
ミアは子を大切にするだろう。
だから子はただ、ミアをこの国に縛る事ができる…
そんな役目を果たす存在だ。
その役目を果たせているうちは大切にできるとクリストファーはそう思っている。
「子どもを優先に守ってくれる?私よりも。」
クリストファーがミルアージュの他にも大切にできる存在を作るのは無理なのだろうか。
もし、大切にできる存在があれば、自分が死んでもクリストファーに死なせる事はなくなる。
クリストファーはミルアージュの表情を見て質問の意図を正確に理解した。
横に首を振った。
「…それでもミアが1番大切だから、どちらかを選べと言われたらミアを選ぶ。」
「…それは子どもを見捨てるという事?」
「そうだ。」
クリストファーは少しの迷いもなかった。
「…私より子どもを選んで欲しいわ。」
嘘が必要とする時もある。
だが、クリストファーはミルアージュに嘘をつかない。
「無理だ。」
クリストファーははっきりと答えた。
ミアがもし子のせいで何かあれば、その子を許す事はないだろう。
殺すかもしれない。
子どもなどミアの代わりにもならないのだ。
「…」
ミルアージュとクリストファーはその後、一言も話さず、庭を散歩することとなった。
そう、部屋に戻ればクリストファーを問いただしてしまうと自覚しているミルアージュが外に誘ったのだ。
「綺麗だな。」
クリストファーは上機嫌だった。
こんなクリストファーだが、花を愛でるのが好きな事をミルアージュは知っている。
だが、今上機嫌なのは違う理由だろう。
「クリス、何を隠しているの?」
「…何もないと言いたいけれど、嘘はつきたくない。だが、話したくない。ミア、聞かないでくれるか?」
クリストファーは花壇の方を見ていてミルアージュと目を合わせずにそう答えた。
ミルアージュもクリストファーが嘘をつかない事を知っている。
言わない事があっても騙す様な発言はしないと確信している。
「そこまで言われて問い出したら私が悪女になるわ。」
ミルアージュはため息をついた。
「ミアが悪女でも聖女でも…例え王女でなかったとしも、私にとって、この世の中で1番美しくて愛おしい存在だ。」
クリストファーはエスコートで組んでいた腕を外し、恋人つなぎで手を握った。
「そうやって誤魔化すのね。」
ミルアージュの視線は冷たい。
クリストファーは苦笑いをした。
「そういうな。夫婦といえどもお互いに話せない事もあるだろう。私が全てを話せば、ミアもそうしてくれるのか?」
クリストファーがミルアージュを悲しげに見つめる。
「…」
ミルアージュもクリストファーに言っていないことがある。
だから、クリストファーだけを責めるわけにはいかない。
その事はミルアージュ自身よくわかっている。
「…そういう事だ。ミアから無理に聞き出す事はしたくない。だから、ミアも聞かないでくれるか?」
「私達の間に秘密がなくなる日が来るのかしら?」
「…そうなればいいなとは思う。」
「そうね。」
クリストファーもミルアージュもそんな日が来るとは思えなかった。
きっと普通の夫婦ならそれもできるだろう。
だが、国を治める上でクリストファーとミルアージュの考え方が全く違う。
相反する2人が夫婦として過ごすと決めたのだから、隠し事が出てくるのも仕方ないと2人ともわかっていた。
「私もいつか本音で話し合える日が来て欲しい。」
「後継に王座を譲ればできるかもしれないな。引退すれば、小さな家で夕飯を食べながら、その日にあった出来事を語り合う。そんな夫婦になりたい。」
うらやむように遠くを見ながらクリストファーはそう言った。
前にも聞いたことがあった。
世界滅亡も考える男とは思えない平凡な夢を語るクリストファー。
私が執着しなければ、クリスは王太子にもならず、世界を滅ぼす事もないはずなのだ。
その夢も叶っていたかもしれない。
「後継…」
自分たちの子とは言わなかった。
「クリスは自分の子が欲しいと思わないの?」
クリストファーは少し考えてから答える。
「ミアとの子なら大切する。王子でも王女でもミアに似て可愛いだろう。」
ミアは子を大切にするだろう。
だから子はただ、ミアをこの国に縛る事ができる…
そんな役目を果たす存在だ。
その役目を果たせているうちは大切にできるとクリストファーはそう思っている。
「子どもを優先に守ってくれる?私よりも。」
クリストファーがミルアージュの他にも大切にできる存在を作るのは無理なのだろうか。
もし、大切にできる存在があれば、自分が死んでもクリストファーに死なせる事はなくなる。
クリストファーはミルアージュの表情を見て質問の意図を正確に理解した。
横に首を振った。
「…それでもミアが1番大切だから、どちらかを選べと言われたらミアを選ぶ。」
「…それは子どもを見捨てるという事?」
「そうだ。」
クリストファーは少しの迷いもなかった。
「…私より子どもを選んで欲しいわ。」
嘘が必要とする時もある。
だが、クリストファーはミルアージュに嘘をつかない。
「無理だ。」
クリストファーははっきりと答えた。
ミアがもし子のせいで何かあれば、その子を許す事はないだろう。
殺すかもしれない。
子どもなどミアの代わりにもならないのだ。
「…」
ミルアージュとクリストファーはその後、一言も話さず、庭を散歩することとなった。
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