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【第31話】朝議での衝撃――宰相が選んだ指揮官
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翌朝、玉座の間。
皇帝、三皇子、大臣たちが整然と座り、朝議が始まろうとしていた。
誰もが、今回の戦の指揮は宰相グラヴィスが執るだろうと考えていた。
アマデル皇妃派として知られる彼が、他の誰かを推すなど、想像できなかったのだ。
もし、仮に他を指名するとしたら――大臣たちは小声で囁く。
「ドミニク殿下か、アドニス殿下あたりだろうな……」
しかし、静寂を破り、グラヴィスが一歩前に進む。
「陛下。この度の指揮権につきまして、カーティス殿下にお任せいただきたく進言申し上げます」
その言葉に、玉座の間は一瞬でざわめきに包まれた。
皇帝も目を見開く。
「――カ、カーティスにか?」
大臣たちの動揺はさらに広がる。
「カーティス殿下に!?」「宰相殿はドミニク殿下を推すものかと思っていた……」「いったい、どういう心境の変化だ?」
皇帝は手で皆を制し、ゆっくりと問う。
「自分が指揮すると言っていた指揮権、なぜカーティスに譲る気になった?」
グラヴィスは落ち着いた声で答える。
「将来を見据えた判断でございます。カーティス殿下は戦経験も豊富であり、今回の戦なら私が副官としてお支えすれば安心かと存じます。
そして、将来、陛下がカーティス殿下を皇太子としてお考えであれば、この戦で戦果をあげることも重要かと」
大臣たちのざわめきは止まらない。緊張の空気が玉座の間を満たす。
皇帝はゆっくりと頷き、グラヴィスに問いかけた。
「ふむ……私も皇太子にはカーティスをと考えていた。しかしお前は違うのではなかったか。なぜ心変わりした?」
グラヴィスは迷わず答える。
「人望、能力共にカーティス殿下が最も皇太子に相応しいと判断いたしました。それに、皇子殿下方とはすでに意見が一致しております。
そして、この大業を成し遂げたのはジェニエット様でございます」
皇帝は眉を上げ、声を潜めて尋ねる。
「ジェニエットが? どういうことだ?」
グラヴィスは静かに、しかし力強く説明した。
「ジェニエット様は皇子殿下方との話し合いの場を設け、お互いの真意を伝え合われました。
そして、これまでの確執を修復なされ、もう兄弟では争わないと誓い合ったのです」
皇帝は三人の皇子に目を向ける。
「お前たちはそれでよいのか?」
カーティスは胸を張って答えた。
「はい、父上。私たちは納得しています。これからは争うことなく、兄弟で助け合い、帝国を繁栄させると誓いました」
ドミニクとアドニスも揃って頷く。
「私たちも同意します」
皇帝はしばしの沈黙の後、にこりと笑った。
「……ジェニエットか。本来、女が政に関わるなど言語道断。しかし、今回に限っては素晴らしい働きをしたと褒めざるを得ないかもしれんな」
大臣たちも納得し、朝議はカーティスに指揮権を与えるという結果で終わった。
ーーその知らせはすぐにアマデル皇妃の耳にも入り、彼女は自室で叫ぶ。
「……いったい、どういうこと!? ジェニエットを呼びなさい! 今すぐに!」
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皇帝、三皇子、大臣たちが整然と座り、朝議が始まろうとしていた。
誰もが、今回の戦の指揮は宰相グラヴィスが執るだろうと考えていた。
アマデル皇妃派として知られる彼が、他の誰かを推すなど、想像できなかったのだ。
もし、仮に他を指名するとしたら――大臣たちは小声で囁く。
「ドミニク殿下か、アドニス殿下あたりだろうな……」
しかし、静寂を破り、グラヴィスが一歩前に進む。
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グラヴィスは落ち着いた声で答える。
「将来を見据えた判断でございます。カーティス殿下は戦経験も豊富であり、今回の戦なら私が副官としてお支えすれば安心かと存じます。
そして、将来、陛下がカーティス殿下を皇太子としてお考えであれば、この戦で戦果をあげることも重要かと」
大臣たちのざわめきは止まらない。緊張の空気が玉座の間を満たす。
皇帝はゆっくりと頷き、グラヴィスに問いかけた。
「ふむ……私も皇太子にはカーティスをと考えていた。しかしお前は違うのではなかったか。なぜ心変わりした?」
グラヴィスは迷わず答える。
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そして、この大業を成し遂げたのはジェニエット様でございます」
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「ジェニエットが? どういうことだ?」
グラヴィスは静かに、しかし力強く説明した。
「ジェニエット様は皇子殿下方との話し合いの場を設け、お互いの真意を伝え合われました。
そして、これまでの確執を修復なされ、もう兄弟では争わないと誓い合ったのです」
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「はい、父上。私たちは納得しています。これからは争うことなく、兄弟で助け合い、帝国を繁栄させると誓いました」
ドミニクとアドニスも揃って頷く。
「私たちも同意します」
皇帝はしばしの沈黙の後、にこりと笑った。
「……ジェニエットか。本来、女が政に関わるなど言語道断。しかし、今回に限っては素晴らしい働きをしたと褒めざるを得ないかもしれんな」
大臣たちも納得し、朝議はカーティスに指揮権を与えるという結果で終わった。
ーーその知らせはすぐにアマデル皇妃の耳にも入り、彼女は自室で叫ぶ。
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