君と桜が咲く頃に

白石華

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君と桜が咲く頃に

今も君と桜が咲く頃に2

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「はーランラン。お花が綺麗だったねー。」
「そうだねー。」

 まだ自然公園にいた俺たちは、ポツポツと植わっているからか、ときどき、どこからか吹雪いてくる桜の花びらを見ながら木陰の作る先は丸く光った手入れされたトンネルのような林道を歩いていた。

「ねえ、ランラン。」
「何だー?」
「こっち行ってみない?」

 リンリンが林の方を指さしている。

「こっちって、林の中じゃん。」
「そーそー。こっちにも桜がありそう。」
「桜は綺麗だったけど、わざわざ林の中ってのもな。」
「ランラン。いくつになっても探検隊の心は忘れないのよ。」
「ふーん。」

 つまりそういう事がしたいのか。断る理由も特になく、リンリンの進む先に着いて行く俺。

「うわー。整備されてなくてあちこちボリボリー。」
「枯れ木に枯草に枯れ枝に変なキノコに……綺麗なのは外側だけか。
 見た目、獣道だな。」
「でもですね、ランラン。ホラあった。」
「おお……。」

 俺とリンリンが見つけたのは、整備されていない木々の中では、そこそこご立派な桜。街路樹に植わっている桜とサイズは変わらないが、それでも結構大きく見える。街路樹サイズは見慣れていても、見事は見事だからな。

「ほらー、苦労した分、綺麗に見えるでしょ?」
「山桜かな。こんなのあるんだ。」

 大きく広い枝ぶりへ白っぽい花が沢山付いている。見た目は五枚の先が特徴的な楕円の花弁の桜っぽいような姿をしているが、桜かどうかも分からなくても桜の時期に咲いていると桜に見えるマジックを実感する。

「桜の花が、咲いている……。」

 リンリンは桜の幹に手を添えて、佇んでいる。錯覚も見慣れたものだが、リンリンが桜の木の近くにいると、化身になったように感じられてしまう。それだけ桜と、リンリンは似合っているのだろう。

「ランラン。」
「おう。」
「ここでエッチしない?」
「え……?」
「ほら、おいで、ランラン。」
「う、うん。いいんだ。ここで。」

 リンリンが上着をはだけ、いつもの剥き出しになった肩と、乳房と谷間が強調されたドレスの姿になると、朝に見た女帝スマイルの妖しげな表情で俺を見る。

「いらっしゃい……。」
「ノリノリだな。」
「ランラン、ムードを作りたまえ。」
「まだどんな感じだか掴めてなかったんだよ。」

 リンリンのペースに即座に合わせるのは、断言するが付き合って二人で暮らしている俺でも無理だ。

「ランラン……桜もいい感じよ。」
「うん……。」

 桜が咲き乱れて、吹雪いている。ここ以外からでも吹雪いてくる桜吹雪はリンリンを仄かに艶めかせていく。リンリンと桜はどうしてこう、似合うのだろうか。リンリンに寄り、肩と腰に手を添えると。

「ランラン……。」

 リンリンは俺の頬に手を添え、お互い、次第に顔が寄っていく。リップグロスでつやつや、キラキラした、クリスタルゼリーみたいな唇にキスをする。

「ぷちゅっ、んん……ちゅるっ。はあ……っ。」
「れろれろ、んちゅっ、んちゅっ。」

 リンリンの唇とその中は、さっき桜の和菓子を食べたからか、桜の香りと甘い味がする。唇を擦り合わせるのも舌を絡めるのも、抵抗なく行い、粘度のある音を唇からさせていく。

「リンリン、あんまり声、出すなよ。」
「ランランこそ。エッチのとき、いつも出してるのはランラン。」
「よしなさい。」
「ランラン、真顔。」
「いいんだよ。うおっ。」
「ん……んちゅっ、ちゅっ。」

 リンリンに首筋を舐められた。

「あ、あ、あひ……っ。んほっ。はふっ。」
「ぺろぺろ……ちゅるっ。」
「リ、リンリン。声出ることすんな。」
「ランランも、止めたいなら参加しなさい。」
「あふっ。そういうことね。」
「あんっ。」

 リンリンの乳房に触れ、ブラジャーに包まれた乳房をドレスから出すと、レースに包まれた双丘を掌で掬ってたぷたぷ揺らしていく。

「んっ、んんっ。はあ……っ。ランラン。
 どこまで……脱がすの?」
「そこそこ、かな。」

 外での行為にどこまでされてしまうのか、リンリンもリンリンなりに確認したかったのであろう。全裸じゃないけど脱がすことだけは伝える俺。

「そこそこか……あっ。」

 リンリンが渋い顔をして思案している内にブラジャーも外し。丸く膨らんだ剥き身の乳房とハーキマーダイアモンドのネックレスを乳房の谷間に置くように首から垂れている。

「ランラン……んんっ。」
「ちゅうっ、ぺろっ、れろれろ……ちゅぷっ。」

 リンリンが何か言う前に乳房の頂に吸い付き、濃い赤茶色の頂に唾液を塗してネチョネチョと吸ったり舐めたりを繰り返す。

「あっ、あっ。ランラン……。」
「むぶっ。」

 乳房の谷間に埋まるように、俺の頭が抱きかかえられてしまった。すべすべした柔らかく、ボリュームのある肉に挟まれるのはいいのだが。

「リンリン。動けない、というか動きたくなくなるんだけど。
 おっぱいに挟まれると挟まれる以外何もしたくなくなるのを。
 知らないのかい?」

「知ってたけどこう……私も何かしたくて。」
「行動不能技をするんじゃない。」
「ほれほれ。動きたいなら抜け出してごらんなさい。」
「あっ、ああ。あああ~~~~。」

 リンリンに抱きかかえられたまま、頭を左右にねじ込まれた。

「くっ。このままでは、おっぱいスリスリで行為が終わってしまう。」
「ここまで来て、それも微妙だよね。」
「リンリンが離せば済むことだがね。」
「ランランがどう脱出するか見たいから、とりあえず離しません。」
「えー。こんなんでいいか。」

 俺はリンリンのおっぱいに顔を埋めたままリンリンのスカートを捲った。

「ひどっ。こんなんて。」
「いや。リンリンのスカート捲りがやり方として安直なだけ。
 それはもうべらぼうですよ。」
「もうちょっとさ。彼女のスカート捲りに対して手つきに情熱を持たせなさい。」
「持ってる持ってる。」

 俺はリンリンのスカートを捲って裾をリンリンのベルトに引っ掛け、太腿をナデナデした。

「ランラン。君は大ざっぱに彼女の太腿を撫でる男だったのかね。」
「だからリンリンが離せば済むことだがね。
 見ないでやってるんだからあてずっぽに決まっているだろ。」
「ちいっ。こっちのやる気をなくさせる手で来るとは。」

 リンリンは本気で面白くなかったのか、俺の対策がしょぼかったからもういいのか、多分どっちもだと思うけど俺の頭から手を離した。

「リンリン。この調子でパンツ脱がして愛撫始めるよりは人道的だと思うんだ。」
「そこまで行ったら強制終了だよね。ランラン。」
「それは置いといて。リンリン~。」

 俺はリンリンの乳房に再び顔を埋め、スリスリを始めた。

「むちゅっ、むちゅっ、むちゅ~。」

 情熱的な頂やその周辺へのキス。背中に手を回して抱き着きながらむぎゅむぎゅするのも忘れない。

「ランラン。ご機嫌取りに方向転換したのが見え見えだが。
 さっきよりは遥かにマシだから、乗ってしんぜよう。」
「お~良かったです。女帝のお気に召したようで。」
「むほほほ。もっと女帝とお呼び。あっ。」

 身を乗り出し、リンリンを抱いていた体勢で首筋にもマークを付けない強さでキスをしていく。

「あっ、あっ。ランラン。そこはしないのかと思ってた。」
「うん。するのはちょいちょいね。」
「その方が私もいいかな。んっ。」

 リンリンが首筋にキスされて身を竦ませる度に、ノーブラだった乳房が揺れる。野外と言うのは開放感があるが、桜の咲き乱れる場所で、何やら桜の匂いもほんのり漂ってきたような。ここのところリンリンとのローションプレイは桜のでしていたからか、桜の匂いに敏感になって来ていたのかもしれないが気のせいと言う可能性も大いにある。桜と言えば桜の匂いで刷り込まれているのかもな。

「さわさわ、っと。」

 再びリンリンのスカートを捲り、今度はパンツまで触れる。脇の腰辺りから柔らかな布に触れ、脱がさず、すべすべした布地越しから下腹部を愛撫していくことにした。まずは柔らかな恥丘を撫で、太腿を掴むと、親指で開いていく。ぷにぷにと、肉厚な柔らかい肉だった。
 首筋を舐めていた顔を乳房に埋めるのに戻り、顔を深く沈めようと擦り付けて柔みを堪能し、手も更に奥深くへ行こうとする。

「んんっ。ランラン。ここでは、あんまり……。」

 お尻を両側から窪みと丸みに沿って撫でまわす動きになると、リンリンが止めに来る。

「もうしちゃう?」
「しても、多分……大丈夫。あっ。」

 にちゃっ……。 

 乳房から顔を外し、リンリンの顔に寄る。パンツに手を入れると、ぬちゅぬちゅと潤っていた。

 にちゅっ、ぬちゅっ。

「んっ、んんっ。だから、ランラン。もうしていいってば。」
「確認しないとお互い痛いでしょ。」
「そうだけど。ひゃっ。」

 潤いの確認と花弁と壷口の開き具合も指でなぞって確認したため、リンリンが声を出す。リンリンは攻めているときは調子に乗っているのがありありと伺えるのだが、攻められる側に回ると弱くなってしまい。そのギャップも攻めたくなっていい。
 パンツを脱がすと俺も脱ぎ、リンリンの腰を掴み、浮かせるようにして潤んだ花弁に肉棒を埋め込んでいく。

「あっ、あっ。んん……っ。」

 にちゅっ。

 蜜の先が開かれるような音がしてリンリンの中に肉棒が入っていく。行為と言っても角度や当たりを探りながら抽送を繰り返すというシンプルなものだが、腰を振っている内に夢中になってしまうのだから単純なものだ。

「あっ、あっ、あんんっ。」

 潜り込み、リンリンの肉芽を擦りながら往復していくと、あっという間にぶるぶる震えるようになる。

 ぬちゅっ、ぬちゅっ、ぬちゅっ。

「んあっ、あうっ、あううっ、んうっ。」

 往復していく内にリンリンの腰が砕けたようになり、俺が掴んでいないとその場で崩れてしまいそうだ。

「はあっ、はあっ。ランラン……っ。」

 挿入の度にぷるぷる揺れていた乳房を見ていたら、リンリンが木に背中を持たれかけ、腕を伸ばして俺を抱き寄せる。

「あっ。おっぱいプ二プニして気持ちいい……。」
「ランラン、トップスも脱いだら?」
「いやーまだ野外で裸族になる気はありませんね。」
「そうねー私はほぼほぼ裸族だけどねー。」
「気にすんな。俺が覆って隠すから。」
「いやーん着せる気ないー。」
「何ならもっと脱がすー。」
「やだーん。」

 いつの間にか軽いやり取りに戻り。桜の花びらが散り、感じないはずの匂いまで漂ってきながら、いつもの俺たちの行為になる。

「リンリン。出しても、ここでお掃除平気?」
「何とかするしかないっしょ。」
「うむ。あとは任せた。」
「え、なに。出すの? 出しちゃうの?」
「うん。地面に種を蒔くのは、バレてDNA鑑定されたら捕まる。」
「ああ。それは予想してなかった。あとお掃除さんも微妙よね。
 チッ、青姦野郎どもがって思われたら台無しー。」
「いるかいないかは分からんが、という訳だリンリン。」
「オーケー。ヘイカモン。」
「オウ、ノーウ。」
「アオッ、アウッ。」

 イマイチ危機感のないまま、リンリンの中に出すという、恋人同士で行う子作りのイメージを台無しにする行為にフィニッシュが訪れる。つか、ヘイカモンで射精を呼んだときに即座に乗れる俺も随分慣れてきているな。

 びゅっ、びゅっ、ずぶびゅっ。

「あ、ん……っ。」

 いつの間にかリンリンがショルダーバッグからティッシュを取り出し、吐き出していく俺の樹液を拭き取り、ついでに俺の肉棒も拭っている。

「うっ、うっ、う……っ。」
「地面に蒔くでないぞ。」
「うむ。勘弁願いたい。」

 ひとしきり、出し切ったところで。

「うう……リンリン。疲れたし帰るか。」
「そうねー。ちょっとベンチで寝てからにする?」
「うーん、寝たら最後。起きない気がするから。
 最後の力を振り絞って帰って寝る。」
「おけー。帰ろ帰ろ。」
「帰りましょ。」

 俺とリンリン。出会った頃から不思議なことは起こり、付き合った今でもリンリンの不思議さは深まるばかりであったが、それでもこうして暮らしていけるのだから、生物と言うか俺の順応性って割と馬鹿に出来ないんじゃとか思っている。
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