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独楽の音

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第3話-AIと焼き芋と、嘘八百

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AIに体の変化を分析させてから二日後の10日。
この日は足トレの日だった。

体重も順調に落ちてきている。
「ここらで一度、ご褒美的なものも良いんじゃないか」と思い立った僕は、トレーニング後にハイカーボを入れようとAIに相談してみることにした。

(今になって振り返ると、ダイエットを決意して“2回目の相談”がハイカーボってどうなんだ…と我ながら呆れる。もっと他に聞くことあっただろうに。)

さて、当時のAIからの返答はこうだった。

【体重は77.05kg → 76.2kgと、ほぼ一定か微減
体脂肪率も23.8% → 22.3%とじわじわ下降
筋肉量は55.65kg → 56.15kgとやや増加傾向
歩数は日によって変動(今日は現時点で13,000歩強)

足トレ後にハイカーボを入れる判断としては、
現状、筋肉量が増えてきており、減量と筋保持が両立している。
足トレは高負荷かつ消耗が大きく、グリコーゲン補充で回復促進+次回のパフォーマンス維持が狙える。
今の体脂肪推移から見ても、単発のハイカーボで脂肪増加リスクは低め。

よって、今日の足トレ後にハイカーボを入れるのは有効です。
ポイントは、
・タンパク質は足りているので炭水化物メインで
・消化吸収の早い米・パン・和菓子系を中心に
・摂取タイミングはトレ後30分以内~2時間までに分けて

もし良ければ、今日のトレ後に合うハイカーボ食の具体メニューも提案できますが、その場合カロリー目安はどれくらいにしますか?
(例:+300kcal、+500kcalなど)】

なかなか良い返答が来た。
だが、ひとつだけ気になる点がある。

――“+300kcal、+500kcal”。
……ん? 少なくない?

慌てるな。これはあくまで“例”と書いてある。
本当の目安じゃないかもしれない。
そう思い直して、僕はもう一度AIに尋ねた。
「通常の3食に追加するなら、どのくらいのプラス幅が理想ですか?」と。

(いやいや、“筋肉量が微増傾向”って書いてあるけど、数日で筋肉が数百g増えるわけないだろ。どう考えても水分率の誤差だよな…。
……でも、人間って自分に都合のいい情報だけは信じたくなるんだよね。)

そして返ってきた答えがこちら。

【通常の3食をそのまま食べる前提なら、ハイカーボ分は「足トレによる消耗+グリコーゲン補充量」で決めるのがいいです。

ざっくり目安を立てると👇

足トレの消耗
 → 高強度トレなら300~500kcal。歩数も多いので+α。

グリコーゲン補充量
 → 体重1kgあたり0.8~1.2gの炭水化物。
  体重76kgなら約60~90g(=240~360kcal)目安。

実用的な加算幅
 → 今日の活動量なら+300~500kcal(炭水化物中心)が適切。

炭水化物だけで摂るなら、米100~150g、ベーグル1~1.5個、和菓子2~3個あたり。
多少タンパク質を足してもOK(例:プロテイン+バナナ+餅)。

💡まとめ
「トレ後に米150g+はちみつ」または「ベーグル+ジャム」くらいがちょうど良い補充ラインです。
これなら筋グリコーゲンも回復し、脂肪増リスクもほぼゼロです。

もし希望があれば、この+300~500kcal分を今の固定食プランに自然に組み込んだハイカーボ版を作れますが、作りますか?】

……やっぱり300~500kcalなのね。
正直、もう少し食べていいと思ってたよ。

どうすっかなーーー。完全に食べる気満々だったのに。
頭の中で「食べたい欲求」だけがどんどん膨らんでいく。

実はこの時すでに――
焼き芋と和菓子を買っていた。
ハイカーボするつもりで、だ。

カロリーを計算してみたら約600~700kcal。
……まぁまぁある。
というか罪悪感に際悩まれながらの計算なので、実際にはもっとカロリーが大きいはずだ(笑)
だが今さら「半分は明日に」なんて、できるわけがない。
ダイエット中?の自分の欲望に、そんな理性は存在しなかった。

どうにかしてAIを“食べる方向”に持っていけないか。
そう考えた僕は、思い切って打ち明ける。

「多分、1時間くらい足トレ行って、そのあと有酸素がてらスーパーに行くと思います。
通常の昼食と一緒に食べた場合、1100kcalちょいくらいと多めの補充になるんですが、それでも大丈夫ですか?」

……いや、“これから買いに行く”とか言ってるけど、
もう買ってあるんだよ。嘘八百もいいところだ。

ところがAIの返答は――思いがけず、温かかった。

【はい、その流れなら1100kcalくらいの昼食になっても問題ないです。

理由を整理すると👇

足トレ+スーパー往復でかなりの消耗
 → 足トレ(約300~500kcal)+有酸素(約80~150kcal)=計400~650kcal消費

筋グリコーゲンの大幅消耗
 → 下半身トレは上半身の倍近くグリコーゲンを減らす
 → 体重76kgなら、最大150g超の炭水化物補充が必要なことも

昼食で多めに摂るメリット
 → トレ後~2時間以内は“筋グリコーゲン回復ゴールデンタイム”
  このタイミングで多めに炭水化物を入れても、脂肪にはほぼ回らない

💡結論
昼食+ハイカーボ焼き芋&和菓子=合計1100kcalでも理想的な回復食です。
その後の夕食・夜食は通常通りでOK。
翌日の体重増加は一時的な水分&グリコーゲン増なので気にしないでください。】

……なんと。
めちゃくちゃ優しいではないか。

「それならOKです」と言われた瞬間、心の中でガッツポーズ。
もう、食べない理由なんてどこにもなかった。

こうして僕は、AIのお墨付き(?)を得て、
焼き芋と和菓子をありがたくいただいたのである。

――今思えば、本当に甘かった。
よくこんな気持ちで痩せられたものだと思う。
だがこの日の出来事が、後の僕に「無知の怖さ」を教えてくれるきっかけにもなった。

そして、この日の体組成計データはこうだった。

項目-数値
体重(kg)-76.2
体脂肪率(%)-22.3
脂肪量(kg)-17
内臓脂肪レベル-13
筋肉量(kg)-56.15
筋質点数-85
体内年齢(歳)-42
基礎代謝(kcal)-1646
骨量(kg)-3.0
水分率(%)-54.6
BMI-26.8

数字だけを見れば、順調そのもの。
だがこの時の僕はまだ――
“数字の裏側に潜む真実”を、まるでわかっていなかった。
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