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第4話:熱が絡みつく夜
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天蓋付きのベッドに押し倒され、レイの体はヴォルグの熱に完全に包まれていた。
深紅の絹の寝衣は、はだけて胸元を露わにしている。鍛え抜かれたヴォルグの肉体がレイの上に覆いかぶさり、その重みと熱が、レイの細い体を支配する。
「っ……!」
レイは、冷たい魔力が暴走しないよう、必死に感情を抑えつけた。
だが、ヴォルグの熱い視線が、そして触れるすべてが、レイの凍てついた心を揺さぶってくる。
「美しいな、レイ。その白い肌も、何もかも」
ヴォルグの熱い指が、レイの頬を撫で、そのまま顎を辿り、耳へと滑り込む。
冷たい耳殻に熱い息がかかり、ゾクリと背筋に電流が走った。
「凍りつかぬのか……?」
レイは、自嘲するように問いかける。
かつて、自分に触れた者はすべて凍りついた。だから、ヴォルグが平気でいることが、恐ろしく、そしてどこか満たされない。
「馬鹿を言うな。お前の冷気は、この俺の猛る竜の血を鎮める、唯一の癒やしだ」
ヴォルグは低い声で囁くと、その熱い唇をレイの首筋に埋めた。
レイの肌から、微かに冷気が漏れ出す。ヴォルグはそれを惜しむように吸い込み、喉を鳴らした。
「……気持ちが良い。だが、足りない。もっと、お前の冷気が欲しい」
唇が、レイの敏感な喉仏に吸い付く。
火傷しそうなほどの熱が、レイの白い肌に紅い跡をつけていく。
そして、ヴォルグの熱い手が、レイの寝衣の中に差し込まれた。
「っ、や……!」
レイは小さく声を漏らしたが、ヴォルグの腕は鋼のように固く、抵抗など許さない。
素肌に触れる指先は、灼けるように熱い。その熱が、レイの体中に冷たい雪解け水のように広がっていく。
ヴォルグの魔力は、レイの制御された冷気を無理やり引きずり出すように、奥深くへと入り込んできた。
凍てついた心が、熱に溶かされていく。
冷たいはずの体が、熱い快感に震えだす。
「どうした、レイ。もっと冷やせ。……お前のすべてで、俺を鎮めてみろ」
囁きと共に、ヴォルグの唇がレイの冷たい唇に触れた。
最初は優しく、そして次第に貪るように、熱い舌がレイの口内を蹂躙する。
レイは初めての快感に身悶え、必死に魔力を制御しようとするが、ヴォルグの熱に掻き乱され、ままならない。
凍りつかせたはずの感情が、熱と共に溢れ出しそうになる。
(温かい……。誰かに触れてもらえることが、こんなにも……)
抗いきれない熱と、甘く灼けるような感覚に、レイは瞳を閉じた。
「道具」として受け入れたはずの体が、今はただ、ヴォルグの愛に溺れることを望んでいる。
その夜、火竜帝の寝所からは、夜が明けるまで熱い吐息と、微かな氷の砕ける音が響き渡っていたという。
冷たい氷の魔導師は、熱き帝王の腕の中で、ついにその頑なな心を溶かし始めたのだった。
深紅の絹の寝衣は、はだけて胸元を露わにしている。鍛え抜かれたヴォルグの肉体がレイの上に覆いかぶさり、その重みと熱が、レイの細い体を支配する。
「っ……!」
レイは、冷たい魔力が暴走しないよう、必死に感情を抑えつけた。
だが、ヴォルグの熱い視線が、そして触れるすべてが、レイの凍てついた心を揺さぶってくる。
「美しいな、レイ。その白い肌も、何もかも」
ヴォルグの熱い指が、レイの頬を撫で、そのまま顎を辿り、耳へと滑り込む。
冷たい耳殻に熱い息がかかり、ゾクリと背筋に電流が走った。
「凍りつかぬのか……?」
レイは、自嘲するように問いかける。
かつて、自分に触れた者はすべて凍りついた。だから、ヴォルグが平気でいることが、恐ろしく、そしてどこか満たされない。
「馬鹿を言うな。お前の冷気は、この俺の猛る竜の血を鎮める、唯一の癒やしだ」
ヴォルグは低い声で囁くと、その熱い唇をレイの首筋に埋めた。
レイの肌から、微かに冷気が漏れ出す。ヴォルグはそれを惜しむように吸い込み、喉を鳴らした。
「……気持ちが良い。だが、足りない。もっと、お前の冷気が欲しい」
唇が、レイの敏感な喉仏に吸い付く。
火傷しそうなほどの熱が、レイの白い肌に紅い跡をつけていく。
そして、ヴォルグの熱い手が、レイの寝衣の中に差し込まれた。
「っ、や……!」
レイは小さく声を漏らしたが、ヴォルグの腕は鋼のように固く、抵抗など許さない。
素肌に触れる指先は、灼けるように熱い。その熱が、レイの体中に冷たい雪解け水のように広がっていく。
ヴォルグの魔力は、レイの制御された冷気を無理やり引きずり出すように、奥深くへと入り込んできた。
凍てついた心が、熱に溶かされていく。
冷たいはずの体が、熱い快感に震えだす。
「どうした、レイ。もっと冷やせ。……お前のすべてで、俺を鎮めてみろ」
囁きと共に、ヴォルグの唇がレイの冷たい唇に触れた。
最初は優しく、そして次第に貪るように、熱い舌がレイの口内を蹂躙する。
レイは初めての快感に身悶え、必死に魔力を制御しようとするが、ヴォルグの熱に掻き乱され、ままならない。
凍りつかせたはずの感情が、熱と共に溢れ出しそうになる。
(温かい……。誰かに触れてもらえることが、こんなにも……)
抗いきれない熱と、甘く灼けるような感覚に、レイは瞳を閉じた。
「道具」として受け入れたはずの体が、今はただ、ヴォルグの愛に溺れることを望んでいる。
その夜、火竜帝の寝所からは、夜が明けるまで熱い吐息と、微かな氷の砕ける音が響き渡っていたという。
冷たい氷の魔導師は、熱き帝王の腕の中で、ついにその頑なな心を溶かし始めたのだった。
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