19 / 38
4章 異世界で奴隷と開業を
4話 偽善者と送還魔法。
しおりを挟む
「カムイだからな。ふむ、新しい送還魔法として試してみるのも……冗談だよ。それよりも、そのイヨマンテで殺す対象が熊のみでは無い、というのは?」
「熊のみでは無い? まさか俺みたいに異世界から迷い込んで来た人間を……!?」
「落ち着いてくれ。そうじゃない。……カムイ殿はハルから聞いていると思うが、確認の意味を込めて改めて説明させていただこうか」
昔のイアンパヌにとってレベルとは穢れの蓄積、そしてレベルアップはその結果である。故に対象を殺し、レベルが上昇するイヨマンテを行うのは巫女(トゥシクル)と呼ばれる特別な役職を担う者のみであった。
だが当然ながら、熊を殺した程度で上がるレベルなんてたかが知れている。レベルが上昇すればするほど上昇率は下がり、やがて熊を何百、何千と殺してもレベルが上がらなくなる。
しかし実際のトゥシクルたちは皆、1000を超えるような高レベルの者が殆どであった。それは何故か。
「ーーーーイアンパヌたちは正しく神送りを行っていたのだよ。ただしその神は穢神だがね」
「……穢神」
その強さは、そのおぞましさは記憶に新しい。
結果的にカムイは穢神を倒したし、内容を振り返ると圧勝とも言えるかも知れない。ただあくまでそれは結果で、運が悪ければ最初の一撃で殺されていたかも知れないし、魔法を見切る事が出来なければじりじりと死に近付いていただろう。
それにあの狂気のバッドステータス……剣術に於いて精神を鍛えるのは技を鍛えるのと同義とも言えるが、そのカムイが行動不能になったのだ。無論戦闘中に我を忘れるなんて事は無かったが、他の者だとまともに戦えるかどうかも怪しい。
「ここまで説明したんだ。もう分かっていると思うが、ハルはそのトゥシクルだよ」
「ハルが……」
何となくイアンパヌの中でもハルは特別な存在なのでは無いか、と思っていた。
豊富な薬学やこの世界の知識、強力な魔法……十二歳の少女とは思えない高スペック。もちろんイアンパヌの人たちは他の種族より薬学の知識に長けているが、そのイアンパヌの中でもハルのそれは抜きん出ていた。
そのためハルがトゥシクルだと伝えられても、カムイはそれほど驚く事は無かった。
「ああ、ハルの名前の由来を説明してなかったな。ーーーー簡単に言えば強力な穢神が現れた時、その身を捧げて封印するんだよ。だから食料(ハル)なんだ。穢神は秘匿されている存在だし、個体として強力過ぎてトゥシクルしか満足に戦う事が出来ない。遅かれ早かれその身は神に捧げられる供物に過ぎないというわけだ」
この広い世界、穢神を打倒し得る存在はいくらでもいるだろう。だがその力があっても精神が付いて来ない。狂気のバッドステータスはそれだけ強力なものなのだ。
この世界で力とはレベルで、レベルの上昇が即ち力の上昇に繋がる。しかし精神を鍛えるにはそれ意外の鍛錬が欠かせない。イアンパヌは種族的に精神が強い傾向にあるが、トゥシクルはその中でも特別な修行をしており、その精神力は別格だ。
「もう一つ言おうか? ハルは神に捧げられる食料だ。そして通常その神は穢神を意味するが、そんな少女の前に神(カムイ)が現れたとしたら? 考えるんじゃないか? 『もしかすると自分はそのカムイの物で、穢神の供物なんかじゃない』って。絶望しか待っていない人生に、僅かな光が差し込むんじゃないか?」
「だけど、ハルはそんな事は一言も……」
「ああ、心優しい少女だ。言えなかったのかもな。『あなたの故郷を捨てて、私と生きて下さい』って。だから言えなかったけど、つい私を……送還魔法の使い手であるエルフィディスという存在を、カムイ殿に伝える事が出来なかった」
「……ッ!?」
カムイはその言葉を否定出来なかった。
確かにハルとエルフィーは知り合いで、だとするならエルフィーが送還魔法の使い手である事は当然知っていたはずだ。
本当にカムイを手伝う気があるのならば、すぐにエルフィーを紹介しただろう。もちろん全く無いとまでは言わないが、それでもカムイにエルフィーという存在を知っておきながら紹介しなかったという事実は消えない。
「……それでも俺は、元の世界に、」
「帰りたいのか? だったらこれ以上、無理に止めはしないさ。君は確かに神(カムイ)だが、同時にただの人間(カムイ)だ。すぐ準備に取りかかろう」
そう言うと本当にこの場で送還魔法を行使するつもりなのか、テーブルや椅子を退けて床に魔法陣を描き込んで行く。
「ちょ、ちょっと待って下さい! 帰れるのは嬉しいし有り難いんですけど、ハルたちに別れくらいは言わないと」
待ち望んでいた瞬間ではあるが、まさか今日帰れると思っていなかったカムイは当然ながらハルたちに礼一つ告げていない。流石にそれは失礼な話だろう。
「悪いがそれは承服しかねるな。最早君は関係の無い人間だろう?」
「それは……ッ! 確かにそうですけど、礼も告げずに去るなんて」
「礼じゃなくて別れだろう? 君は君が気持ち良く過去を切り捨てるためにそれを行おうとしている。そういうのは偽善と言うのだよ」
エルフィーの言っている事は正しかった。正に反論の余地無しだ。
しかしカムイにはその分かりやす過ぎるほどの拒絶に、違和感を抱いた。
「……何を隠しているんですか?」
「おや、気付いたか。そうだな、別段隠すような事じゃないから教えてもいい。ただしこれだけは約束だ。私の話を聞いた場合、この部屋から出る事を禁じる。万が一出る場合、君は少なくともこの国で送還魔法の恩恵を受ける事は出来なくなる。……それでも聞くかい?」
「……ええ」
カムイは頷いた。ここは話を聞いておかないと後悔するような気がしたからだ。
それに話を聞いたから帰れなくなるわけじゃない。であるなら聞いても問題無いと判断したわけだ。
「だったら全てを話そうか。カムイ殿は『森に喰われた城』がどうなったか覚えているだろう?」
カムイは無言で首肯し、続きを促す。
「『森に喰われた城』だけじゃない。潜在的にあの当時、判明していた以上の難度を誇る可能性のあるダンジョン、それに続くポータルは、私が責任を持って全て停止させた。穢神とエンカウントする可能性があるからな。そしてその停止の条件は、『現状赴く事は不可能だが、未開の地があるダンジョン』だ」
森に喰われた城同様に何か一定の条件で道が開かれ、その先に穢神がいる可能性がある。エルフィーはそれによる偶然のエンカウントを無くすためそうせざるを得なかったのだ。
「未開の地があるダンジョンは行ける行けないを問わず、全て封鎖済みだ。故に冒険者に危険は無い……そう思っていたのだがな。つい先ほど、『迷いの洞窟』にその未開の地が含まれている可能性が発見された」
「ッ!?」
迷いの洞窟と言えば、現在進行形でハルとクロが潜っているダンジョンだ。
そして未開の地とはつまり、そこに穢神が潜んでいる可能性があるという事になる。
「あそこはかなり複雑な地形でな、マッピングされた地図におかしな点が見付かり、そこに誰も足を踏み入れていない空間が存在する事が分かった。まあ正確に言えばその可能性がある、程度だがな」
カムイはその言葉を聞くと同時に扉へ向かった。だがエルフィーに腕を掴まれ、その行動は止められる。
「どこに行く気だ? まさか、私との約束を忘れたわけではあるまい」
「……どこって、決まっているでしょう? ハルたちの下にですよ。あなたとの約束を反故にしたとしても、他の国で送還魔法の使い手を捜せばいい。でも命は失われたらそれで終わりだ!」
「だったら一つ聞くが、カムイ殿の元の世界に帰るという行為は何なのだ? ハルを見捨てて帰る人間が、命について語るなんておかしな話だ。君に与えられた選択肢は『ハルを見捨てて元の世界に帰る』、もしくは『ハルと共にこの世界で生きる』、の二択だよ。……理解したならその刀に添えた右手を降ろしたまえ」
カムイは促され、地面を見つめたまま手を降ろした。
己の矛盾を指摘され、カムイはそれに反論する事が出来なかった。カムイ自身、自分にその権利があると思えなかったのだ。
「準備は出来た。さあ、魔法陣の上に乗って。次に気付いた時、君はもう元の世界にいるさーーーーああ、ハルの事なら心配しなくても良い。元からそういう運命だし、仮にもトゥシクルだ。穢神にそう遅れを取ったりしないよ」
青白く魔法陣が輝く。それはポータルと同じ輝きだ。
これでようやく、カムイは元の世界に帰る事が出来るのだ。
思い返せば決して長い時間では無かったが、濃厚な日々であった。元の世界に帰らなければという思いがあったが、充実した毎日だった。
ーーーーカムイは魔法陣の上に立った。
それは送還魔法の恩恵を受けるための行動である。
「カムイ殿、最後に何か言いたい事はあるか? 私からでよければ、ハルに対する伝言を託かってもいい」
カムイは口を開いた。
「熊のみでは無い? まさか俺みたいに異世界から迷い込んで来た人間を……!?」
「落ち着いてくれ。そうじゃない。……カムイ殿はハルから聞いていると思うが、確認の意味を込めて改めて説明させていただこうか」
昔のイアンパヌにとってレベルとは穢れの蓄積、そしてレベルアップはその結果である。故に対象を殺し、レベルが上昇するイヨマンテを行うのは巫女(トゥシクル)と呼ばれる特別な役職を担う者のみであった。
だが当然ながら、熊を殺した程度で上がるレベルなんてたかが知れている。レベルが上昇すればするほど上昇率は下がり、やがて熊を何百、何千と殺してもレベルが上がらなくなる。
しかし実際のトゥシクルたちは皆、1000を超えるような高レベルの者が殆どであった。それは何故か。
「ーーーーイアンパヌたちは正しく神送りを行っていたのだよ。ただしその神は穢神だがね」
「……穢神」
その強さは、そのおぞましさは記憶に新しい。
結果的にカムイは穢神を倒したし、内容を振り返ると圧勝とも言えるかも知れない。ただあくまでそれは結果で、運が悪ければ最初の一撃で殺されていたかも知れないし、魔法を見切る事が出来なければじりじりと死に近付いていただろう。
それにあの狂気のバッドステータス……剣術に於いて精神を鍛えるのは技を鍛えるのと同義とも言えるが、そのカムイが行動不能になったのだ。無論戦闘中に我を忘れるなんて事は無かったが、他の者だとまともに戦えるかどうかも怪しい。
「ここまで説明したんだ。もう分かっていると思うが、ハルはそのトゥシクルだよ」
「ハルが……」
何となくイアンパヌの中でもハルは特別な存在なのでは無いか、と思っていた。
豊富な薬学やこの世界の知識、強力な魔法……十二歳の少女とは思えない高スペック。もちろんイアンパヌの人たちは他の種族より薬学の知識に長けているが、そのイアンパヌの中でもハルのそれは抜きん出ていた。
そのためハルがトゥシクルだと伝えられても、カムイはそれほど驚く事は無かった。
「ああ、ハルの名前の由来を説明してなかったな。ーーーー簡単に言えば強力な穢神が現れた時、その身を捧げて封印するんだよ。だから食料(ハル)なんだ。穢神は秘匿されている存在だし、個体として強力過ぎてトゥシクルしか満足に戦う事が出来ない。遅かれ早かれその身は神に捧げられる供物に過ぎないというわけだ」
この広い世界、穢神を打倒し得る存在はいくらでもいるだろう。だがその力があっても精神が付いて来ない。狂気のバッドステータスはそれだけ強力なものなのだ。
この世界で力とはレベルで、レベルの上昇が即ち力の上昇に繋がる。しかし精神を鍛えるにはそれ意外の鍛錬が欠かせない。イアンパヌは種族的に精神が強い傾向にあるが、トゥシクルはその中でも特別な修行をしており、その精神力は別格だ。
「もう一つ言おうか? ハルは神に捧げられる食料だ。そして通常その神は穢神を意味するが、そんな少女の前に神(カムイ)が現れたとしたら? 考えるんじゃないか? 『もしかすると自分はそのカムイの物で、穢神の供物なんかじゃない』って。絶望しか待っていない人生に、僅かな光が差し込むんじゃないか?」
「だけど、ハルはそんな事は一言も……」
「ああ、心優しい少女だ。言えなかったのかもな。『あなたの故郷を捨てて、私と生きて下さい』って。だから言えなかったけど、つい私を……送還魔法の使い手であるエルフィディスという存在を、カムイ殿に伝える事が出来なかった」
「……ッ!?」
カムイはその言葉を否定出来なかった。
確かにハルとエルフィーは知り合いで、だとするならエルフィーが送還魔法の使い手である事は当然知っていたはずだ。
本当にカムイを手伝う気があるのならば、すぐにエルフィーを紹介しただろう。もちろん全く無いとまでは言わないが、それでもカムイにエルフィーという存在を知っておきながら紹介しなかったという事実は消えない。
「……それでも俺は、元の世界に、」
「帰りたいのか? だったらこれ以上、無理に止めはしないさ。君は確かに神(カムイ)だが、同時にただの人間(カムイ)だ。すぐ準備に取りかかろう」
そう言うと本当にこの場で送還魔法を行使するつもりなのか、テーブルや椅子を退けて床に魔法陣を描き込んで行く。
「ちょ、ちょっと待って下さい! 帰れるのは嬉しいし有り難いんですけど、ハルたちに別れくらいは言わないと」
待ち望んでいた瞬間ではあるが、まさか今日帰れると思っていなかったカムイは当然ながらハルたちに礼一つ告げていない。流石にそれは失礼な話だろう。
「悪いがそれは承服しかねるな。最早君は関係の無い人間だろう?」
「それは……ッ! 確かにそうですけど、礼も告げずに去るなんて」
「礼じゃなくて別れだろう? 君は君が気持ち良く過去を切り捨てるためにそれを行おうとしている。そういうのは偽善と言うのだよ」
エルフィーの言っている事は正しかった。正に反論の余地無しだ。
しかしカムイにはその分かりやす過ぎるほどの拒絶に、違和感を抱いた。
「……何を隠しているんですか?」
「おや、気付いたか。そうだな、別段隠すような事じゃないから教えてもいい。ただしこれだけは約束だ。私の話を聞いた場合、この部屋から出る事を禁じる。万が一出る場合、君は少なくともこの国で送還魔法の恩恵を受ける事は出来なくなる。……それでも聞くかい?」
「……ええ」
カムイは頷いた。ここは話を聞いておかないと後悔するような気がしたからだ。
それに話を聞いたから帰れなくなるわけじゃない。であるなら聞いても問題無いと判断したわけだ。
「だったら全てを話そうか。カムイ殿は『森に喰われた城』がどうなったか覚えているだろう?」
カムイは無言で首肯し、続きを促す。
「『森に喰われた城』だけじゃない。潜在的にあの当時、判明していた以上の難度を誇る可能性のあるダンジョン、それに続くポータルは、私が責任を持って全て停止させた。穢神とエンカウントする可能性があるからな。そしてその停止の条件は、『現状赴く事は不可能だが、未開の地があるダンジョン』だ」
森に喰われた城同様に何か一定の条件で道が開かれ、その先に穢神がいる可能性がある。エルフィーはそれによる偶然のエンカウントを無くすためそうせざるを得なかったのだ。
「未開の地があるダンジョンは行ける行けないを問わず、全て封鎖済みだ。故に冒険者に危険は無い……そう思っていたのだがな。つい先ほど、『迷いの洞窟』にその未開の地が含まれている可能性が発見された」
「ッ!?」
迷いの洞窟と言えば、現在進行形でハルとクロが潜っているダンジョンだ。
そして未開の地とはつまり、そこに穢神が潜んでいる可能性があるという事になる。
「あそこはかなり複雑な地形でな、マッピングされた地図におかしな点が見付かり、そこに誰も足を踏み入れていない空間が存在する事が分かった。まあ正確に言えばその可能性がある、程度だがな」
カムイはその言葉を聞くと同時に扉へ向かった。だがエルフィーに腕を掴まれ、その行動は止められる。
「どこに行く気だ? まさか、私との約束を忘れたわけではあるまい」
「……どこって、決まっているでしょう? ハルたちの下にですよ。あなたとの約束を反故にしたとしても、他の国で送還魔法の使い手を捜せばいい。でも命は失われたらそれで終わりだ!」
「だったら一つ聞くが、カムイ殿の元の世界に帰るという行為は何なのだ? ハルを見捨てて帰る人間が、命について語るなんておかしな話だ。君に与えられた選択肢は『ハルを見捨てて元の世界に帰る』、もしくは『ハルと共にこの世界で生きる』、の二択だよ。……理解したならその刀に添えた右手を降ろしたまえ」
カムイは促され、地面を見つめたまま手を降ろした。
己の矛盾を指摘され、カムイはそれに反論する事が出来なかった。カムイ自身、自分にその権利があると思えなかったのだ。
「準備は出来た。さあ、魔法陣の上に乗って。次に気付いた時、君はもう元の世界にいるさーーーーああ、ハルの事なら心配しなくても良い。元からそういう運命だし、仮にもトゥシクルだ。穢神にそう遅れを取ったりしないよ」
青白く魔法陣が輝く。それはポータルと同じ輝きだ。
これでようやく、カムイは元の世界に帰る事が出来るのだ。
思い返せば決して長い時間では無かったが、濃厚な日々であった。元の世界に帰らなければという思いがあったが、充実した毎日だった。
ーーーーカムイは魔法陣の上に立った。
それは送還魔法の恩恵を受けるための行動である。
「カムイ殿、最後に何か言いたい事はあるか? 私からでよければ、ハルに対する伝言を託かってもいい」
カムイは口を開いた。
1
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。
カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。
だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、
ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。
国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。
そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。
男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件
美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…?
最新章の第五章も夕方18時に更新予定です!
☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。
※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます!
※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。
※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
高校生の俺、異世界転移していきなり追放されるが、じつは最強魔法使い。可愛い看板娘がいる宿屋に拾われたのでもう戻りません
下昴しん
ファンタジー
高校生のタクトは部活帰りに突然異世界へ転移してしまう。
横柄な態度の王から、魔法使いはいらんわ、城から出ていけと言われ、いきなり無職になったタクト。
偶然会った宿屋の店長トロに仕事をもらい、看板娘のマロンと一緒に宿と食堂を手伝うことに。
すると突然、客の兵士が暴れだし宿はメチャクチャになる。
兵士に殴り飛ばされるトロとマロン。
この世界の魔法は、生活で利用する程度の威力しかなく、とても弱い。
しかし──タクトの魔法は人並み外れて、無法者も脳筋男もひれ伏すほど強かった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる