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第3話 悪魔召喚
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悪魔を召喚するため、『願いを叶えるための悪魔の呼び出し方大全』のページをめくっていく有。
手始めに、床に大きな画用紙を敷き、そこに魔法陣を書き込んでいく。本によると、その魔法陣に自身の血を垂らし、呪文を唱える事で悪魔を呼び出す事ができるらしい。
ここにきて有の猜疑心が動き出す。本当にこんな方法で悪魔を呼び出す事などできるのだろうか。何より有は自分に傷をつけて血を垂らすのが嫌だった。
もちろん、痛みが嫌というのもあるが、自身に傷を作りたくない1番の理由は、冬葉だった。
以前、有が膝を擦りむいた時、その日のいじめにおいて冬葉は、まず傷を見せるように強要した。何をされるのかと恐る恐るズボンをたくし上げていく有とそれを熱い眼差しで見つめる冬葉。
「消毒してあげるんだから、ありがたく思いなさいよね。」
そんな事を言う冬葉に、完全に傷をお披露目する有。その傷を見るが早いが、冬葉はその有の傷に口をつけた。驚くべきはその速度であった、もはや反射と呼ぶべきそのスピード。お互い直立で話していたはずなのに、気付けば冬葉は、有の膝の傷に吸い付いていた。
しかし、そのスピードが仇となる。冬葉の足腰は、反射のスピードについていく事ができなかったのだ。結果として、冬葉の上半身だけが有の膝の傷に吸い付くように動き、足腰は直立不動のまま、冬葉の姿勢はバグったサッカーゲームの選手のようになっていた。
もちろん、その姿勢の負担は大きなものだった。骨が軋む嫌な音がした後、冬葉はどさりと倒れ込んだ。数秒間で起こった様々な現象に脳がついていかない取り巻きの女子2人は、とにかく冬葉を保健室に運ぶ事にした。
取り巻き2人に担がれながら冬葉は、有の方をじっと見つめて叫ぶ。
「消毒した後は、すぐに洗っちゃダメなんだからね!!」
こんな事件が以前に起こった事もあり、リターンが確定していない物に対して、有は自分に傷を作りたくないのだ。
しかし、犠牲を払わずに何かを得る事ができるだろうか。有は首を振って、頬をぺちんと叩く。覚悟を決めて、指先にカッターナイフを当て、したたる血を魔法陣に垂らす。
そして、本に書いてあった呪文を唱えていく有。呪文を2,3行唱えている時だった、どんどんと漆黒の輝きを増していく魔法陣。有は確信した、これは本物であると。
続けて呪文を唱えていく有。最後まで詠唱が終わった時、有の部屋は漆黒の輝きに包み込まれた。有の視界は、一瞬ブラックアウトする。
次に有の視界が開けた時、彼は、金髪の美しい女性を見た。なぜか懐かしいという感覚があった。有は目を擦る。
有の視界がハッキリとした時、彼は驚愕する。目の前にいる金髪の美しい女性の姿をした悪魔がどう見ても、事故で死んだはずのヤンキーの姉、有識 明理だったのだ。
手始めに、床に大きな画用紙を敷き、そこに魔法陣を書き込んでいく。本によると、その魔法陣に自身の血を垂らし、呪文を唱える事で悪魔を呼び出す事ができるらしい。
ここにきて有の猜疑心が動き出す。本当にこんな方法で悪魔を呼び出す事などできるのだろうか。何より有は自分に傷をつけて血を垂らすのが嫌だった。
もちろん、痛みが嫌というのもあるが、自身に傷を作りたくない1番の理由は、冬葉だった。
以前、有が膝を擦りむいた時、その日のいじめにおいて冬葉は、まず傷を見せるように強要した。何をされるのかと恐る恐るズボンをたくし上げていく有とそれを熱い眼差しで見つめる冬葉。
「消毒してあげるんだから、ありがたく思いなさいよね。」
そんな事を言う冬葉に、完全に傷をお披露目する有。その傷を見るが早いが、冬葉はその有の傷に口をつけた。驚くべきはその速度であった、もはや反射と呼ぶべきそのスピード。お互い直立で話していたはずなのに、気付けば冬葉は、有の膝の傷に吸い付いていた。
しかし、そのスピードが仇となる。冬葉の足腰は、反射のスピードについていく事ができなかったのだ。結果として、冬葉の上半身だけが有の膝の傷に吸い付くように動き、足腰は直立不動のまま、冬葉の姿勢はバグったサッカーゲームの選手のようになっていた。
もちろん、その姿勢の負担は大きなものだった。骨が軋む嫌な音がした後、冬葉はどさりと倒れ込んだ。数秒間で起こった様々な現象に脳がついていかない取り巻きの女子2人は、とにかく冬葉を保健室に運ぶ事にした。
取り巻き2人に担がれながら冬葉は、有の方をじっと見つめて叫ぶ。
「消毒した後は、すぐに洗っちゃダメなんだからね!!」
こんな事件が以前に起こった事もあり、リターンが確定していない物に対して、有は自分に傷を作りたくないのだ。
しかし、犠牲を払わずに何かを得る事ができるだろうか。有は首を振って、頬をぺちんと叩く。覚悟を決めて、指先にカッターナイフを当て、したたる血を魔法陣に垂らす。
そして、本に書いてあった呪文を唱えていく有。呪文を2,3行唱えている時だった、どんどんと漆黒の輝きを増していく魔法陣。有は確信した、これは本物であると。
続けて呪文を唱えていく有。最後まで詠唱が終わった時、有の部屋は漆黒の輝きに包み込まれた。有の視界は、一瞬ブラックアウトする。
次に有の視界が開けた時、彼は、金髪の美しい女性を見た。なぜか懐かしいという感覚があった。有は目を擦る。
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