石になった少女

雲黒斎草菜

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13)地球を看取る者

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 振り返るとそこに金髪の少女がいた。
 白のワンピースを風にふありとさせて、まるで宙に浮いているみたいに重みを感じさせない雰囲気は昼間出会った時そのままだった。

「ニーナ!」と俺が叫び、
「誰?」とサクラは目をぱちぱち。

「え? あ、の…………」
 言葉に詰まる。誰だか分らないが知っている、てなことをどう説明すればいいんだ?

「なぁんだ。シャーロットちゃんじゃない。久しぶりね」
「なっ!」
「サクラさんもお元気そうで」
「のぉー?」
 ニーナの再登場で強張った俺の驚愕度をさらに上塗りするような二人の会話。
「知り合いか?」
 硬化した視線で二人を交互に見比べる。

「トレーニング続けているの?」
 とニーナは気さくに問い掛け。
「うん。やってるよ」とサクラも軽い返事。

 なぁ~んだ。やっぱりサクラの知り合いだんだ。だから俺もどこかで会っていたんだ。

 ところが彼女は俺に向かって、せっかくいた安堵の息を飲み込ませる意味不明なセリフを放った。
「ワタシはみんなの意識の中に生まれるニーナ・シャーロットだよ」

 納得のいく結論が出かけたというのに……またもや謎の解説を始めやがって……。
 ニーナは俺の前に立つと、自分を紹介するように腕を少し広げて見せ、
「この姿は、きみの意識と、」
 続いてサクラに向き直り、
「サクラさんの意識とでは、異なった姿に映っているの」
「じ、実体が無いのか?」

「そうじゃな。地球の言葉で言えば自意識の鏡像じゃ。ミラードールとでも言うてくれ」

「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!」
 いきなり真横からそう告げられたら誰だって驚く。
 俺は無意識にピョンと飛んでサクラの向こう側へ逃げ、サクラは鍋の底を声のしたほうに向けて、ずさっ、と身構えた。

 さすが格闘技師範代。俺とは反応がまったく違う。

「ふぉふぉふぉ。脅かしてすまんな」
 サクラより背の低い腰の曲がった爺さんだった。頭はスキンヘッド、顎には長い白ヒゲ。襟とポケットが無い妙ちくりんな服装をしている。そして右手に持った純白の杖を砂に突いて、柔和な微笑を俺たちへと浮かべていた。

「ど、どちらさまで?」
 誰が見たって年上だろうから、敬意を表して言っているのに、
「どうやら無事に到着したようじゃな」
 爺さんは、俺を無視してぶしつけに言い。
「そうね。サクラさんも良い子でよかった。それにテルは単純で助かっちゃったし」
 淡々とそれに応えているニーナ。こっちも俺を無視。

 だんだんと腹が立ってきたので言い返す。
「なんだか知らんが。単純で悪かったな。お前らいったい誰なんだ!」

 腹ワタが煮え出す寸前の俺に、爺さんは「ふぉふぉふぉ」と笑い。杖の先でニーナを示した。

「この子が見えるということは、実行中に例外処理がキャッチされたんじゃ」
「意味解らんワ。お前らも時間族か?」
「ふぉふぉふぉ。若い地球人は血の気が多いのぉ」
「ばぁか。血の量で言ったらこいつのほうがすげえぜ」
 サクラの腕を取って爺さんの前に立たせてやる。

 バカサクラはヘルメット代わりに鍋を被り、手刀を立てて身構えると、
「いいわよ。かかってらっしゃい」
 爪先立ちで体を上下に揺らしながら、二本の指先をコクコクと折って爺さんを誘った。

「ふぁふぁふぁぁ。面白いのう。まっことアーキビスト(Archivist)の言うとおり。二十一世紀の人類がいちばん面白い。ふぁ、ふぁ、ふぁ、ふぁ」
 爺さんは、ふはふは笑い続けるだけ、ニーナも愉快そうに頬をほころばせている。

「お前さんらが千人束になってもワシに勝てることはできん。それからニーナには指一本触れることはできん。何しろミラードールなんじゃからな」

「だから何だよ、それ」
 俺の前で構えられているサクラの手刀が目障りだったので、無理やり下ろさせる。
 サクラはかかとを下ろし、俺をちらっと見てから、行き場を失った腕の力を抜いて、手首だけをグルグル回していた。
 この後何をやらかすのか見守っていると、
 もう一度、爪先立ちで体を上下に揺すってウォーミングアップをした後、肩の上で首を旋回。そのうち俺の白けた視線に気付いたんだろう、恥ずかしそうに背後へ隠れた。

 俺はサクラに言ってやる。
「爺さんの言う意味がよく分かるぜ。お前を見ているとほんと飽きないな」
「えへへへ。惚れるなよ」
「ばぁかやろー」

「やっぱり二人お似合いね」
 俺の肩に両手をかけ、そこから顔だけをにゅっと出しているサクラを慌てて引き離す。
「き、気色悪いことを言うなよ」

 俺は爺さんと可憐な少女をキッと見据えて、もう一度問う。
「お前ら何者なんだよ」

「ワタシは異空間同一体からの邪魔を阻止するために派遣されたのよ」

 ニーナは俺たちの前で舞うように体を旋回させて、不可解な説明をした。
 その姿に目を細める爺さん。
「姫様の跳躍誤差はこちらにも、また異空間同一体の連中にも届いておった。そのままでは受け渡しの邪魔をされるところだが、テルのおかげで時間をズラすことができたのじゃ」

「それで説明をしたつもりかよ。俺はな、お前らは誰だって聞いてんだ」

 二人は俺を無視して協議を始めた。
「教えたら時間規則に反するかも知れぬじゃろな?」
「ワタシには関係ないから教えてあげてもいいんじゃない」
「そうか。ならばここらで一度質問タイムと行くかのぉ」

 お前らクイズ番組の司会者か!

「質問を受ける前にひとつ忠告しとこう」
 と言うと、爺さんは白い杖を砂から引き抜き、俺を指した。

「質問は三つまでじゃ。それ以上は答えんからな。それと得た情報を利用して時間の流れを変えたら、とんでもないことになるからな」

 鼻先に突きつけられたステッキの先端から身を避けつつ訊く。
「どうなるんだよ?」
「地球の寿命に係わるんじゃ。はい、ひとつ目、消化」

「えっ? インチキだ。詐欺だ! バカかお前ら」

「よくあるパターンに引っ掛かって……バカはあなたよ」
 ニーナはその可憐な面持ちには似合わない、人を小ばかにした嘲笑を俺によこした。

「バカはないだろ。このジジイがペテンにかけるから悪いんだ」
 息巻く俺を牽制けんせいするように、少女は居丈高に言い切る。
「あのねー。館長の言葉は未来からの贈り物なのよ。テルが自力で知り得るものでは無いの。そこんとこ分かってないでしょ」

 館長って……。やっぱりこの爺さんが博物館のエライさんなんだ。
「あんたらイプシロンのほうから来たのか?」
「ふぉふぉふぉ。要らぬ情報が入っとるな……そうか姫様じゃな」
 顎ヒゲを擦りながら、またもや杖を俺に向け、
「さぁ。水が欲しいんじゃろ。鍋を出せ。それからさっさとキャンプへ戻るぞ。残り二問は帰り道で聞いてやる」

 杖の先から清水のような水が噴き出し、みるまに鍋一杯に。
「ほれ。こんなもんじゃろ」
 零れ落ちる寸前に止めて消えそうな声で言った。
「それにしてもこんな貴重な水を、よくもまあ粗末に扱えたもんじゃ。水が液体の状態を維持できる星など、宇宙ではほんの一握りだけだというのにのぉ。ここまで己の住む惑星を破壊するとはな……。人類とは愚かな生き物じゃったわい………。ほれ、次の鍋をよこせ」

 サクラの鍋にも水が満杯になると、
「さぁキャンプに帰るぞ」
「なんであんたらまで付いて来んの?」
 爺さんは杖を突きつつ歩き出し、その後をニーナが行く。だが足跡は一組しかできない。
 とてもおかしな光景なのに、サクラは気づきもしないで俺の後ろから付いて来るが、こいつにはニーナが見えているのだろうか。さっきからそれが気になって仕方が無かった。それとともに再燃する疑問がひとつ。

 自意識の鏡像って、何だろう?

「よし、質問のふたつ目だ。いいか?」
「よかろう。それよりその質問でいいのか? よく吟味するんじゃぞ」
 俺はうなずいて、尋ねた。
「ミラードールのニーナが例外処理で現れたってどういう意味だよ」
「ふぉふぉふぉ。二つの質問が混ざっとるが、特別に一つとして認めてやろう」
「サンキュー」
 別にありがたくも無かったが、ここは耐えるしかあるまい。完全に主導権は向こうが持っているし。

「ニーナはレポジトリに保管されたとおりの歴史が進むように監視をしている……きみらの言葉で言うと一連の処理の一部。とくに異常事態に備えて拵えられた処理じゃ」
 またそれだ──。
 イチもこいつも平気で使っているが、レポジトリって何だろう。訊きたいが、質問は残り一回しかできない。

「ねぇねぇ。レポジトリってなぁに」
「バカ! 口を挟むな!」
 小難しい話しになると貝みたいに口を閉ざすくせに、こういう時だけ……。

「はい三つ目の質問。──レポジトリというのはね、」
 じっと耐え忍んで、最後の質問を練っていた俺の苦労を水の泡にしやがって──。

 説明を始めたニーナに飛びつき、
「わぁぁぁ。キャンセル、キャンセル。今の無し、ノーカウントね」
 と言ってからサクラを睨む。
「バカかお前。考えて質問しろ!」

「よいよい。サービスしてやる。ニーナ特別おまけじゃ」

 急峻な砂山を息一つ荒げることなく登っているニーナと爺さん。あきらかにニーナは、足を交互に交差させる仕草をしているが、地面から離れた位置で浮いている。だから平地を歩く格好をしているのに、急勾配を上昇するという奇妙な光景になっている。だが爺さんの足は砂に埋まりながら、時には砂を崩して一歩ずつ登っているところをみると実体がある。だがその呼吸は寸分も乱れていない。

「タフなジジイだな……」
 こっちはそろそろ息が切れそうだというのに。

 しんどくて立ち止まった俺に合わせて、ニーナも停止。
 サクラも、はぁとか言って、水の入った鍋を膝に置き、砂山に腰掛けた。遠くに墨を溜めたような黒々とした水平線を見て深呼吸する。

「レポジトリは、星系ごとにあるもので、そこに誕生するすべての星の、消滅までの歴史が刻まれたデーターベースよ。そのとおりに歴史が流れて行くように管理されているの。それを任されているのが時間族よ。生命体が存在する星系は複雑になるからたいへんなの。色々な要因があってむずかしいわ。いい例でいえばデバッグ因子の派生。悪い例は異空間同一体から受ける改竄(かいざん)ね」

 爺さんは、焦点の合わない視線で遠くを眺めている俺に、杖の先をチラチラ見せて、
「いま質問したくてウズウズしちょるじゃろ?」
 俺、コクコクとうなずく。

 ヒゲで隠れた口を楽しそうにほころばし、
「特別サービス、大バーゲンじゃぞ」
 と言ってからニーナを杖で示したが、すぐに地面に下ろし俺の顔を覗き込んだ。
「異空間同一体って理解しちょるかのぉ?」

 首が千切れるぐらいに頭を振る。

 爺さんは残念そうに首をすくめるものの、
「歴史のジャンクション(分岐点)から枝分かれした別宇宙の同じ人物のことじゃ」
 と丁寧に説明し、
「パラレルワールド?」と答える俺を鼻で笑い。
「古い言い方じゃのぉ」
 からかうような笑みとともに、再びニーナを杖で示した。

「つまりじゃな。レポジトリは異空間同一体にとっては不都合な流れになっていることもある。そのためそいつらが頻繁に書き換えようとやって来る。そんな時、ニーナが動き出すんじゃ」
「ワタシは歴史のジャンクションに立ち会う人たちの意識の内部で作られた映像なの。その人の自意識が映し出す鏡像ね」

「なぁ。これは質問じゃないからな」
 と念を押し。
「クルミたちと同じ、あんたらも時間族の仲間だな」
「ふぉ、ふぉ、ふぉ。上手くはぐらかしたな。まぁよい。答えてやろう。時間族は生命体じゃ。だがニーナは人工物、つまり量子物理学を駆使した装置が作り出した映像じゃ。ついでにワシは謎の爺さんじゃ」
 あんたなんかどうでもいい。生物であろうがアンドロイドであろうが、死にかけのジジイであろうとどうでもいい。こっちの少女が作られた物というのが信じられん。

 ニーナはひと休みしている俺とサクラの前を、幽霊みたいにふわふわと宙を舞いながら、
「そ。時間族がレポジトリの管理者よ。で、この星系では、次の代を継ぐのがクルミちゃんなの」
 と言った後、背中で腕を組み直し、大きく胸を反らして冷やっこい眼差しで俺たちを見た。
「それなのに………こんな二人を選んじゃって、あの子、星を継ぐ気があるのかしら……ねぇ? どうなのテツ?」

 えっ?
「うぉっ!」
 寄り添うようにして、テツが俺の真横にいた。爺さんたちへ綺麗に澄んだ瞳を向けて。

「いつからいたんだよ。脅かすなよ」

 テツは秀麗なたてがみを海風になびかせ、太い四つ肢の先を砂の中に埋めていた。
「安心せい。ニーナ(例外処理)が起動したんじゃ。これでちゃんと時間を遅らせることができたわい。テルのおかげで敵の妨害からわずかに次元がずれた。もう安心じゃ」

 俺のおかげ……?

 勝手に喋り続ける爺さんを凛々しい表情でテツはじっと見つめている。それは獣では出し得ない威厳を滲ませた雰囲気を顕にしており、近寄り難いオーラを放っていた。

 ニーナもテツの電波話しが聞こえるとみえて、
「ちょっと、休憩はキャンプに戻ってからしなさいって。パーティからあまり長い時間離れないほうがいいって言ってるわ」
「そうじゃな。引き取りを急がんとまた邪魔が入るかも知れんな」

 再び斜面を登り出した爺さんを追う。
「引き取りって……?」
「は~い、三問目。そうワシは恐竜を貰い受けに来たんじゃ」
 嬉しそうに言う爺さん。
「以上で質問の受付けは終了じゃ」
 付け足すように言うが、何だかんだ言ったって結局全部説明してんじゃんか。ようするに爺さんは楽しんでいるだけなんだ。

 悔しいので、斜面の下から繰り返してやった。
「博物館に連れて行く気だろ?」
 爺さんがようやく砂山を上り詰め、「ふう」とか言って腰を伸ばし、先に頂上で待っていたニーナがかいがいしく手を取り世話を焼いた後、俺たちに体を向けた。
「そうね。そんな古臭いモノじゃないけど、テルたちの知識で言うとそうなるわ」
「連れて行くのは……あの恐竜だけなのか」
「何が?」
「いや、その……標本になるのはどれぐらいの数っていうか……」
「地球上の生命体すべてを標本にするんじゃよ」
「そ。いま地球がブームなのよ」
「へぇ。なんだかカッコいいね」

 お気楽トンボと俺との温度差がかなりある。サクラは意味も解らず『カコイイ』とか言うが、こっちはだんだん焦ってきた。
「カッコいいとかの問題じゃない。ようするに人間も対象に……か?」
「もちろんよ。男女で標本が揃っているわ」

 やっぱり!

 サクラの腕を掴み、俺は二歩ほど後ろに逃げるが、テツがそれを阻んだ。
「ま、待て。俺は見世物になるのは嫌だ。こいつも嫌だと言っている。それから俺はこいつを家まで無事に帰らすという任務を背負っている。ここでそれを放棄するわけにはいかん」
「見世物って?」
 サクラは相変わらず気の抜けた顔をしている。

 トンボ女め。今どれだけ緊迫した場面か分からんのか、こいつ。
「ふぉふぉふぉ」
 爺さんはのんびり笑ってるけど、これはやばいぞ。やっぱり俺たちは人類のオスとメスの標本だったんだ。

 ニーナは悪戯っぽい笑みを浮かべ、
「ほらね、テルって面白いでしょ」
「ふぉふぉふぉ。まことじゃ。こいつも標本として連れて行きたいほどじゃのぉ」
 二人で俺を見つめやがった。

「うおぉぉ。のーさんきゅうだ!」

 サクラの後ろに隠れる俺。トンボ女はきょとん。
 ちょっとして気づいた。
「え? 『行きたいほど』って? 俺たちを連れて行くんじゃいないのか……」
「当たり前じゃ。お前みたいなヤツ、標本にする価値も無いワ。要らん。じゃま」
 い、いや。そう邪険にされると、逆にすんげえ腹が立つんすけど。

「人類の男女って言ったじゃないか」
「人類のページはもう完成しておる。いまさら要らぬワ。それより、」
 爺さんは俺の頭の天辺を杖の先でコツコツと叩いて、
「この中に脳みそは詰っとるのか? ええかよく聞け。お前はこの地球にとって最後の人間じゃ。これから数億年でここは完全に死ぬ。それを看取る、それがお前に与えられた任務じゃ。解るか? ワシの言っている意味。」
「なんだよその馬鹿にした言い方……」
「ワシらの未来が掛かっているんじゃ。しっかり頼むぞ、テル」

「あんたらの説明は意味不明で理解不能だ。もう少し簡単に言ってくれよ。なんで過去人の俺が未来を託されなきゃならんのだ?」
「簡単にか……」爺さんはむずかしい顔をすると、腕を組んで唸リ始めた。そんなにむずかしいことなのか?

「地球の最期(さいご)を看取る、人類の代表者っていう意味よ」
 ニーナが代わりに答え、爺さんは白ヒゲを擦り続け、うんうんと一人悦に入り嬉しそうだが、俺は、
「まだ何だかピンとこない」
 と苦笑い。遠くへ視線を這わせる。

 暗闇の先に焚き火の炎が揺れていた。
 魂がどこかへ飛んでしまったみたいに気が抜けている。とにかく今はあの光りの下(もと)に帰りたい。あそこが俺の帰るべき空間だ。

 キャンプ地に向かって歩き出した爺さんと少女を追って、トボトボ付いて行く。
「おぉぉ。この匂いたまらんのう。焼鳥なんぞ何千年ぶりじゃ」

 何千年……?

 非常識なことを平気で言う爺さんは、焚き火の炎にヒゲを赤く照らして微笑んでいた。
「なぁ。何で俺が代表者なんだよ。誰が決めたんだ?」
「もう質問は受付けませーん」
 杖を振り上げて甲高い声を上げた。

 クソじじぃ………。
  
  

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