15 / 32
1章 始まりの街
7話 決闘
しおりを挟む
「別にいいよ。クエストは私達だけで十分」
声をかけてきた男性プレイヤーの実力は不明だが、課金プレイヤーだと推測できた。腰に剣をぶら下げて、装飾の施された鎧を身に着けているが、これはネットで調べた課金装備だ。もう1人は、柔道着を着ているが、これはリアルコスチュームと言う課金装備だ。アバターの見た目を変える物だった。
「見たところ君は初心者だろ? ここは先輩の言う事を聞くべきだぜ」
「そうそう、俺達が守ってやるからよ。だから、付き合えよ」
強引に誘ってくるので、リサは、振り返りもう一度受付嬢に話しかける。
「テンプレだけど、ここは力ずく、拒否してもいいのか?」
「はい。初心者への決闘によるペナルティはありませんし、初心者が受けるペナルティもありません。ここは、テンプレを乗り切ってください。手段は問いません」
ギルドカードを手に入れて早々没収されるのは勘弁してほしい。リサの問いかけに受付嬢のNPCは応え、内容を理解すると、
「付き合うのは面倒だ。それに、弱い奴に守られたくない」
リサは見下す様にして男性プレイヤーに返事をした。
「おい、弱いとかどういう事だ」
「俺達は弱くないぜ」
実際、2人の男性プレイヤーは弱くはなかった。課金プレイヤーであり、金の力で冒険者ランクを上げている。
「そりゃ、課金していたら強いでしょう。でも、しょせんはお金の力による強さ。そんな、課金プレイヤーの手助けなんて受けたくないよ。面倒だし、私達はのんびりと、プレイしたいの」
リサは話をしながら、MPゴーレム作成を使用する。右肩に乗るウッドゴーレムのステータスを引き上げる。リサがウィンドウを開いている仕草をして、男性プレイヤーは警戒するように構える。
しかし、既に遅く、ウッドゴーレムには追加で400のMPを注ぎ込んだ。これで、ウッドゴーレムのステータスは、チュートリアルの時に作成したストーンゴーレムと同じ強さになる。
「俺達が弱いかどうか、決闘してみるか?」
「2対1は卑怯だから、後ろの女性も参加させるか?」
リサの後ろにはアヤネが蒼褪めた顔で立ち尽くしていた。
「いいよ。私にはこの子がいるし、1人じゃない」
右肩のウッドゴーレムが床に飛び降りる。見下ろした男性プレイヤーの目で、ウッドゴーレムがシャドウボクシングをしていた。切れのいいパンチを繰り出している。
「ふん、そんな木の人形に何が出来るというんだ」
「俺達を馬鹿にしてんじゃねぇ」
リサと男性プレイヤーのやり取りを、野次馬と化したプレイヤー達が眺めていた。ギルド内での起きたトラブルに誰もが興奮していた。
「おいおい、初心者相手に大人げないぞ」
「そうそう、可愛い女の子をいじめて楽しいのか~」
男性プレイヤーに対する批判が多い。
「うるせぇ! 外野は黙ってろ」
男が腰にぶら下げていた剣を抜いた。その剣が炎に包まれる。
「俺は魔法剣士だ。そんな木の人形、焼き切ってやるぜ」
「その人形を合わせて2対2の決闘を挑むぜ」
ふと、リサの目の前にメッセージが表示される。『ジョージ&タクマから決闘を申し込まれました。承認しますか? YES/NO?』と表示され、リサは当然、YESを選択した。
3人と1体を取り囲むように、ギルドの床に巨大な魔法陣が出現した。決闘を行う為のフィールドが完成する。これで外部からの干渉は一切できなくなり、手助けも受けれなくなる。
「リサちゃん…」
アヤネが我に返り、フィールドの外で不安そうに声をかけてきた。
「大丈夫、問題ない。相手、弱いから」
挑発により、相手を怒らす。リサの喧嘩するパターンだ。怒れば動きが単調になる。読みやすくなり、攻撃もかわしやすい。リサは剣を持つ相手に素手で挑む程、愚かではない。
「ウッドゴーレム、魔法剣士を攻撃」
命令するとウッドゴーレムが魔法剣士へ走り出す。リサは柔道着を着た男性プレイヤーと対峙する。
「俺の相手は、本人かよ。はぁ~女は殴りたくないぜ!」
「!?」
咄嗟に体をひねり避けたが、リサは小さな衝撃を受けて後ずさりする。HPが少し減っていた。
「拳圧による衝撃波を見切るのか。なかなかやるね!」
そう言いながら、右、左と腕を伸ばして拳から衝撃波を放つ。リサはAGIの高さを利用して回避するが、完全に避け切れていない。初心者装備に傷が少し付くが、ダメージは10ぐらいで小さい。しかし、確実にHPは減っている。
だが、リサのステータスは通常のLV:1のプレイヤーより遥かに高い。相手も、一向に命中判定が当たらない事に、怪訝そうな顔を示す。
「ちょこまかと…いい加減に…ぶべぇえ!?」
大きく背中を反らした男性プレイヤーは、そのまま割れるようなエフェクトを作るとその場から消えた。刹那、『勝者! リナ&ウッドゴーレム』と表示され、決闘は終了した。
「ほら、弱かった」
リサは手招きすると、少し焦げ目の付いたウッドゴーレムを抱きかかえる。
「ごくろうさま。ありがとう」
軽く突くと、意志を持っているかのように照れ臭そうに頭を撫でていた。リサは柔道着を着た男性プレイヤーの相手をしている間、ウッドゴーレムは魔法剣士を倒していた。
炎の包まれた時は一瞬焦ったが、ウッドゴーレムのHPは自動で回復していた。これもHP自動回復のスキルのおかげである。弱点も、全属性耐性を共有させたおかげで、軽減されていた。
柔道着の男の後ろで繰り広げられていた魔法剣士とウッドゴーレムの戦いは、リサの予想通りの結果となり、時間稼ぎの末、もう1人の男性プレイヤーを倒した。
「すげぇええ!!!」
「何なんだよ! あの木の人形!」
「マジか!? 焼かれたのにピンピンしてる」
決闘のフィールドは消え去り、野次馬達がリサの元に集まる。リサは、ウッドゴーレムを右肩に乗せると、溜息を吐く。
「友達の所に行きたいのだけど」
取り囲む野次馬達を睨むと、ウッドゴーレムが動き、リサの頭の上に乗り、シャドウボクシングや、蹴りのモーションを行い威嚇した。決闘を申し込んだプレイヤーと同じようになりたくなければ道を開けろという、無言の威圧が放たれていた。
野次馬達が道を開けると、呆けているアヤネの元へと歩きだす。
「うん? どうかした?」
「え、いや。リサちゃんの人形、強いんだね」
「丹精込めて作ったから」
実際にMPを大量に使っている。リサは周りの空気に気まずくなると、
「そろそろクエストに行こうか」
「そ、そうだね」
苦笑いを浮かべてアヤネが隣に並ぶ。ギルド内で起きた、初心者に対する決闘は、誰もが、課金プレイヤーが勝つと思っていた。予想は裏切られ、初心者のプレイヤーが勝った。
リサの勝利は、始まりの街に直ぐに広まり、ゲームにログインした初日で、有名人となった。その事をリサは知らない。
▽
決闘に敗れたプレイヤーはどうなったか?
2人はそれぞれのスタート地点に復活した。リサと同じ、初めてログインした殺風景な部屋で目を覚ます。各々、部屋は隔離されているが、目を覚ました魔法剣士のジョージと、格闘家のタクマは同じ事を口にした。
「「木の癖に強すぎだろ!!!」」
実際、リサの作ったウッドゴーレムは2人の実力でも、倒す事は出来なかった。課金をしていても勝てない相手に、
「「もう、関わるのは止そう」」
もう関わらないと心に決めた。幸い、初心者相手に挑んだ決闘なので、ペナルティは無かった。これが、普通のプレイヤーだと、ペナルティを受けている。その受ける内容は様々だが、所持金の半減、レアアイテムの紛失、ステータス値の半減24時間、等がある。
今回はリサという初心者相手への決闘なので、何度も言うが、ペナルティが無くて非常に助かった。しかし、2人は別の意味で困る事になる。
初心者相手に負けたプレイヤー。
そのレッテルが付きまとう事になる。だが、これを気に、ジョージとタクマは、初心者、特に、女性や少女に対する強引な誘いを行わないようになった。リサが受けた決闘は、2人を更生させ、良きプレイヤーへと生まれ変わらせていたが、当の本人はその事を知るのは、もう少し先になるようだった。
声をかけてきた男性プレイヤーの実力は不明だが、課金プレイヤーだと推測できた。腰に剣をぶら下げて、装飾の施された鎧を身に着けているが、これはネットで調べた課金装備だ。もう1人は、柔道着を着ているが、これはリアルコスチュームと言う課金装備だ。アバターの見た目を変える物だった。
「見たところ君は初心者だろ? ここは先輩の言う事を聞くべきだぜ」
「そうそう、俺達が守ってやるからよ。だから、付き合えよ」
強引に誘ってくるので、リサは、振り返りもう一度受付嬢に話しかける。
「テンプレだけど、ここは力ずく、拒否してもいいのか?」
「はい。初心者への決闘によるペナルティはありませんし、初心者が受けるペナルティもありません。ここは、テンプレを乗り切ってください。手段は問いません」
ギルドカードを手に入れて早々没収されるのは勘弁してほしい。リサの問いかけに受付嬢のNPCは応え、内容を理解すると、
「付き合うのは面倒だ。それに、弱い奴に守られたくない」
リサは見下す様にして男性プレイヤーに返事をした。
「おい、弱いとかどういう事だ」
「俺達は弱くないぜ」
実際、2人の男性プレイヤーは弱くはなかった。課金プレイヤーであり、金の力で冒険者ランクを上げている。
「そりゃ、課金していたら強いでしょう。でも、しょせんはお金の力による強さ。そんな、課金プレイヤーの手助けなんて受けたくないよ。面倒だし、私達はのんびりと、プレイしたいの」
リサは話をしながら、MPゴーレム作成を使用する。右肩に乗るウッドゴーレムのステータスを引き上げる。リサがウィンドウを開いている仕草をして、男性プレイヤーは警戒するように構える。
しかし、既に遅く、ウッドゴーレムには追加で400のMPを注ぎ込んだ。これで、ウッドゴーレムのステータスは、チュートリアルの時に作成したストーンゴーレムと同じ強さになる。
「俺達が弱いかどうか、決闘してみるか?」
「2対1は卑怯だから、後ろの女性も参加させるか?」
リサの後ろにはアヤネが蒼褪めた顔で立ち尽くしていた。
「いいよ。私にはこの子がいるし、1人じゃない」
右肩のウッドゴーレムが床に飛び降りる。見下ろした男性プレイヤーの目で、ウッドゴーレムがシャドウボクシングをしていた。切れのいいパンチを繰り出している。
「ふん、そんな木の人形に何が出来るというんだ」
「俺達を馬鹿にしてんじゃねぇ」
リサと男性プレイヤーのやり取りを、野次馬と化したプレイヤー達が眺めていた。ギルド内での起きたトラブルに誰もが興奮していた。
「おいおい、初心者相手に大人げないぞ」
「そうそう、可愛い女の子をいじめて楽しいのか~」
男性プレイヤーに対する批判が多い。
「うるせぇ! 外野は黙ってろ」
男が腰にぶら下げていた剣を抜いた。その剣が炎に包まれる。
「俺は魔法剣士だ。そんな木の人形、焼き切ってやるぜ」
「その人形を合わせて2対2の決闘を挑むぜ」
ふと、リサの目の前にメッセージが表示される。『ジョージ&タクマから決闘を申し込まれました。承認しますか? YES/NO?』と表示され、リサは当然、YESを選択した。
3人と1体を取り囲むように、ギルドの床に巨大な魔法陣が出現した。決闘を行う為のフィールドが完成する。これで外部からの干渉は一切できなくなり、手助けも受けれなくなる。
「リサちゃん…」
アヤネが我に返り、フィールドの外で不安そうに声をかけてきた。
「大丈夫、問題ない。相手、弱いから」
挑発により、相手を怒らす。リサの喧嘩するパターンだ。怒れば動きが単調になる。読みやすくなり、攻撃もかわしやすい。リサは剣を持つ相手に素手で挑む程、愚かではない。
「ウッドゴーレム、魔法剣士を攻撃」
命令するとウッドゴーレムが魔法剣士へ走り出す。リサは柔道着を着た男性プレイヤーと対峙する。
「俺の相手は、本人かよ。はぁ~女は殴りたくないぜ!」
「!?」
咄嗟に体をひねり避けたが、リサは小さな衝撃を受けて後ずさりする。HPが少し減っていた。
「拳圧による衝撃波を見切るのか。なかなかやるね!」
そう言いながら、右、左と腕を伸ばして拳から衝撃波を放つ。リサはAGIの高さを利用して回避するが、完全に避け切れていない。初心者装備に傷が少し付くが、ダメージは10ぐらいで小さい。しかし、確実にHPは減っている。
だが、リサのステータスは通常のLV:1のプレイヤーより遥かに高い。相手も、一向に命中判定が当たらない事に、怪訝そうな顔を示す。
「ちょこまかと…いい加減に…ぶべぇえ!?」
大きく背中を反らした男性プレイヤーは、そのまま割れるようなエフェクトを作るとその場から消えた。刹那、『勝者! リナ&ウッドゴーレム』と表示され、決闘は終了した。
「ほら、弱かった」
リサは手招きすると、少し焦げ目の付いたウッドゴーレムを抱きかかえる。
「ごくろうさま。ありがとう」
軽く突くと、意志を持っているかのように照れ臭そうに頭を撫でていた。リサは柔道着を着た男性プレイヤーの相手をしている間、ウッドゴーレムは魔法剣士を倒していた。
炎の包まれた時は一瞬焦ったが、ウッドゴーレムのHPは自動で回復していた。これもHP自動回復のスキルのおかげである。弱点も、全属性耐性を共有させたおかげで、軽減されていた。
柔道着の男の後ろで繰り広げられていた魔法剣士とウッドゴーレムの戦いは、リサの予想通りの結果となり、時間稼ぎの末、もう1人の男性プレイヤーを倒した。
「すげぇええ!!!」
「何なんだよ! あの木の人形!」
「マジか!? 焼かれたのにピンピンしてる」
決闘のフィールドは消え去り、野次馬達がリサの元に集まる。リサは、ウッドゴーレムを右肩に乗せると、溜息を吐く。
「友達の所に行きたいのだけど」
取り囲む野次馬達を睨むと、ウッドゴーレムが動き、リサの頭の上に乗り、シャドウボクシングや、蹴りのモーションを行い威嚇した。決闘を申し込んだプレイヤーと同じようになりたくなければ道を開けろという、無言の威圧が放たれていた。
野次馬達が道を開けると、呆けているアヤネの元へと歩きだす。
「うん? どうかした?」
「え、いや。リサちゃんの人形、強いんだね」
「丹精込めて作ったから」
実際にMPを大量に使っている。リサは周りの空気に気まずくなると、
「そろそろクエストに行こうか」
「そ、そうだね」
苦笑いを浮かべてアヤネが隣に並ぶ。ギルド内で起きた、初心者に対する決闘は、誰もが、課金プレイヤーが勝つと思っていた。予想は裏切られ、初心者のプレイヤーが勝った。
リサの勝利は、始まりの街に直ぐに広まり、ゲームにログインした初日で、有名人となった。その事をリサは知らない。
▽
決闘に敗れたプレイヤーはどうなったか?
2人はそれぞれのスタート地点に復活した。リサと同じ、初めてログインした殺風景な部屋で目を覚ます。各々、部屋は隔離されているが、目を覚ました魔法剣士のジョージと、格闘家のタクマは同じ事を口にした。
「「木の癖に強すぎだろ!!!」」
実際、リサの作ったウッドゴーレムは2人の実力でも、倒す事は出来なかった。課金をしていても勝てない相手に、
「「もう、関わるのは止そう」」
もう関わらないと心に決めた。幸い、初心者相手に挑んだ決闘なので、ペナルティは無かった。これが、普通のプレイヤーだと、ペナルティを受けている。その受ける内容は様々だが、所持金の半減、レアアイテムの紛失、ステータス値の半減24時間、等がある。
今回はリサという初心者相手への決闘なので、何度も言うが、ペナルティが無くて非常に助かった。しかし、2人は別の意味で困る事になる。
初心者相手に負けたプレイヤー。
そのレッテルが付きまとう事になる。だが、これを気に、ジョージとタクマは、初心者、特に、女性や少女に対する強引な誘いを行わないようになった。リサが受けた決闘は、2人を更生させ、良きプレイヤーへと生まれ変わらせていたが、当の本人はその事を知るのは、もう少し先になるようだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
最低のEランクと追放されたけど、実はEXランクの無限増殖で最強でした。
みこみこP
ファンタジー
高校2年の夏。
高木華音【男】は夏休みに入る前日のホームルーム中にクラスメイトと共に異世界にある帝国【ゼロムス】に魔王討伐の為に集団転移させれた。
地球人が異世界転移すると必ずDランクからAランクの固有スキルという世界に1人しか持てないレアスキルを授かるのだが、華音だけはEランク・【ムゲン】という存在しない最低ランクの固有スキルを授かったと、帝国により死の森へ捨てられる。
しかし、華音の授かった固有スキルはEXランクの無限増殖という最強のスキルだったが、本人は弱いと思い込み、死の森を生き抜く為に無双する。
戦場帰りの俺が隠居しようとしたら、最強の美少女たちに囲まれて逃げ場がなくなった件
さん
ファンタジー
戦場で命を削り、帝国最強部隊を率いた男――ラル。
数々の激戦を生き抜き、任務を終えた彼は、
今は辺境の地に建てられた静かな屋敷で、
わずかな安寧を求めて暮らしている……はずだった。
彼のそばには、かつて命を懸けて彼を支えた、最強の少女たち。
それぞれの立場で戦い、支え、尽くしてきた――ただ、すべてはラルのために。
今では彼の屋敷に集い、仕え、そして溺愛している。
「ラルさまさえいれば、わたくしは他に何もいりませんわ!」
「ラル様…私だけを見ていてください。誰よりも、ずっとずっと……」
「ねぇラル君、その人の名前……まだ覚えてるの?」
「ラル、そんなに気にしなくていいよ!ミアがいるから大丈夫だよねっ!」
命がけの戦場より、ヒロインたちの“甘くて圧が強い愛情”のほうが数倍キケン!?
順番待ちの寝床争奪戦、過去の恋の追及、圧バトル修羅場――
ラルの平穏な日常は、最強で一途な彼女たちに包囲されて崩壊寸前。
これは――
【過去の傷を背負い静かに生きようとする男】と
【彼を神のように慕う最強少女たち】が織りなす、
“甘くて逃げ場のない生活”の物語。
――戦場よりも生き延びるのが難しいのは、愛されすぎる日常だった。
※表紙のキャラはエリスのイメージ画です。
ダンジョンに行くことができるようになったが、職業が強すぎた
ひまなひと
ファンタジー
主人公がダンジョンに潜り、ステータスを強化し、強くなることを目指す物語である。
今の所、170話近くあります。
(修正していないものは1600です)
自力で帰還した錬金術師の爛れた日常
ちょす氏
ファンタジー
「この先は分からないな」
帰れると言っても、時間まで同じかどうかわからない。
さて。
「とりあえず──妹と家族は救わないと」
あと金持ちになって、ニート三昧だな。
こっちは地球と環境が違いすぎるし。
やりたい事が多いな。
「さ、お別れの時間だ」
これは、異世界で全てを手に入れた男の爛れた日常の物語である。
※物語に出てくる組織、人物など全てフィクションです。
※主人公の癖が若干終わっているのは師匠のせいです。
ゆっくり投稿です。
敵に貞操を奪われて癒しの力を失うはずだった聖女ですが、なぜか前より漲っています
藤谷 要
恋愛
サルサン国の聖女たちは、隣国に征服される際に自国の王の命で殺されそうになった。ところが、侵略軍将帥のマトルヘル侯爵に助けられた。それから聖女たちは侵略国に仕えるようになったが、一か月後に筆頭聖女だったルミネラは命の恩人の侯爵へ嫁ぐように国王から命じられる。
結婚披露宴では、陛下に側妃として嫁いだ旧サルサン国王女が出席していたが、彼女は侯爵に腕を絡めて「陛下の手がつかなかったら一年後に妻にしてほしい」と頼んでいた。しかも、侯爵はその手を振り払いもしない。
聖女は愛のない交わりで神の加護を失うとされているので、当然白い結婚だと思っていたが、初夜に侯爵のメイアスから体の関係を迫られる。彼は命の恩人だったので、ルミネラはそのまま彼を受け入れた。
侯爵がかつての恋人に似ていたとはいえ、侯爵と孤児だった彼は全く別人。愛のない交わりだったので、当然力を失うと思っていたが、なぜか以前よりも力が漲っていた。
※全11話 2万字程度の話です。
二度目の勇者は救わない
銀猫
ファンタジー
異世界に呼び出された勇者星谷瞬は死闘の果てに世界を救い、召喚した王国に裏切られ殺された。
しかし、殺されたはずの殺されたはずの星谷瞬は、何故か元の世界の自室で目が覚める。
それから一年。人を信じられなくなり、クラスから浮いていた瞬はクラスメイトごと異世界に飛ばされる。飛ばされた先は、かつて瞬が救った200年後の世界だった。
復讐相手もいない世界で思わぬ二度目を得た瞬は、この世界で何を見て何を成すのか?
昔なろうで投稿していたものになります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる