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1章 始まりの街
17話 ライバル
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いつの間にか17時になっており、いったん2人はログアウトする事にした。夕食も涼子が作って、綾も少し手伝う。楽しい食事を終えると、何故かお風呂に一緒に入った。
涼子の大人の体にドキドキしながら、幼児体系の綾は成長していない自分にため息を吐いた。
「貴女はそれでいいのよ」
涼子が鼻を抑えながら、やや興奮して綾の背中を洗っていた。着替えの下着もパジャマも持ってきていないのに、涼子は事前に用意をしていた。いつでも、泊まれるようにと話していた。
前から、綾を誘おうと思っていたらしく、母親から服や下着のサイズを聞き、買い揃えていた。用意周到な事に驚く。
「そろそろ時間ね?」
「はい、LINEで確認してみます」
綾は、理沙にログインできるか聞き、居場所を尋ねる。
『もう少ししたら入る。場所は、始まりの街を出た北西の場所。元ゴブリンの集落があったところ』
と返事があった。
「涼子さん?」
LINEを見せると、怪訝そうに顔をしかめる。
「だからなのね。ホブゴブリンが1体もいなくておかしいと思ったわ」
「どうゆう事ですか?」
「つまり、理沙さんが倒したという事よ。この調子だと、コアも握ってそうね」
綾は首を傾げる。
「あ~こちらで話すより、向こうで直接見た方が早いわね。それじゃ、ログインしに行くわよ」
「は、はい!」
応接室から仕事場へと向かうと、涼子と綾はカプセル状の機械へと入る。再びTDOの世界へと潜ると、
「あっ?」
「へぇ?」
ゴスロリ衣装の少女と出くわした。その少女はアリサとネームが記されており、アヤネとリコを交互に見つめ、警戒するように距離を取った。
「まさか、あのリコが来るとはね」
「あらあら、魔砲少女のアリサじゃない」
何故か2人の仲が悪い。火花を散らす様に睨み合いをしている。アヤネは介入するかどうか、慌てふためくが、
「おいアリサ、何してる?」
リサの登場で場の空気が和んだ。
「リサお姉ちゃん! やっと来たんだ」
「リサちゃん!」
リサの元へアリサが駆け寄り、アヤネも同時に駆け出す。
「お、おう…って、アヤネも傍まで来てたのか」
背の高いアヤネに抱き着かれ、リサが戸惑う顔をする。
「う? リサお姉ちゃんに抱き着くなんて…」
先に抱き着かれアリサは、アヤネを睨む。
「おいおい、そう怒るなよ。アリサも良く知ってる人だぞ」
「良く知ってるって……あっ…綾お姉ちゃん?」
「ん? そうだけよ?」
アヤネはリサから離れると、アリサをまじまじと見つめる。そして、気づく。
「もしかして、亜里沙ちゃん?」
「うん、久しぶりだね! 綾お姉ちゃん!」
無邪気に微笑むと、バフッと音がしそうな程、アヤネの胸に飛びつく。膨らんだ胸に顔を押し付ける。
「なるほど、アリサが、あの亜里沙で、リサが、あの理沙ね…」
何かを思い出す様にリコが見つめる。綾の周辺交友について、リコは調べていた。亜里沙と理沙という姉妹の存在も把握しており、亜里沙がTDOのプレイヤーだという情報も握っていた。それが、魔砲少女アリサが、本人の亜里沙だという事に驚いていた。
「そうだ、リサちゃん。友達になってほしい人がいるのだけど」
アヤネがリコを紹介する。
「アヤネの専属の編集者をしているリコです。リアル名はいずれ教えるわね」
「こちらこそ、よろしく」
アヤネの紹介でリコがフレンド登録を行った。アヤネは時間通りに来たリサに、嬉しく感じながら、何となく、鑑定眼鏡を使用した。初めて会うアリサと、今のリサを見てしまい、愕然と口を開けてしまう。
特に、別れる時よりレベルが上がっているリサのステータスに、呆けてしまった。
リサ
種族:人間
職業:ゴーレムクリエイター
LV:45
HP:690/690
MP:1330/1330
STR:95
VIT:190
AGI:170
DEX:80
INT:410
LUK:40
ステータスポイント:0【845】
共通スキル
HPアップ:LV3…+300【25】
MPアップ:LV5…+500【85】
STRアップ:LV2…+20【15】
VITアップ:LV3…+30【25】
AGIアップ:LV2…+20【15】
DEXアップ:LV2…+20【15】
INTアップ:LV3…+30【25】
LUKアップ:LV2…+20【15】
全異常耐性:LV2【15】
全属性耐性:LV2【15】
専用スキル
MPゴーレム作成:LV2【60】
HP自動回復:LV1【50】
MP自動回復:LV1【50】
共有スキル:LV3【80】
ゴーレムクリエイト:LV1【50】
魔改造強化:LV1【50】
パーツ作成:LV1【50】
ゴーレム格納庫:LV1【50】
ゴーレムBOT:LV5【150】※プレゼントスキル
スキルポイント:5【845】
称号:ゴブリンハンター【20/20】ダンジョンマスター【0/0】
隣に並ぶアリサのステータスも、流石、姉妹という程、異常に高く、見た事のない職業だった。
アリサ
種族:人間
職業:魔砲少女
LV:45
HP:1670/1670【毎分20回復】
MP:12690/12690【毎秒500回復】
STR:120【+100】
VIT:230【+400】
AGI:420
DEX:320
INT:1140【+1000】
LUK:45
ステータスポイント:0【2125】
共通スキル
HPアップ:LV4…+400【45】
MPアップ:LV4…+400【45】
STRアップ:LV2…+20【15】
VITアップ:LV3…+30【25】
AGIアップ:LV2…+20【15】
DEXアップ:LV2…+20【15】
INTアップ:LV4…+40【45】
LUKアップ:LV2…+20【15】
全異常耐性:LV2【15】
全属性耐性:LV2【15】
専用スキル
射撃魔砲:LV1【50】
領域魔砲:LV1【50】
散弾魔砲:LV1【50】
ホーミング魔砲:LV1【50】
飛行魔砲:LV5【200】
急速チャージ:LV5…毎秒500回復【200】
MPタンク:LV8…+8000【1270】※プレゼントスキル
スキルポイント:5【2125】
称号:ゴブリンハンター【100/100】ホブゴブリンハンター【100/100】王殺【500/500】獣ハンター【100/100】タワー制覇者【500/500】砲撃名手【100/100】
リサ以上のMPを持つ。流石にアヤネも驚きのあまり一瞬、意識が飛びそうになる。
「あ…聞きたのだけど。この先にあるゴブリンの集落は、どうしました?」
突然、思い出したようにリコが話す。アヤネは、ログインした時に話すと言っていた件だ。ホブゴブリンを倒しに来たのに、全く出会わない。その事に、彼女は疑問を感じていた。
「集落? あれなら私が手に入れたけど」
「リサお姉ちゃん、ダンジョンマスターになったんだよ!」
自慢げに話すアリサに、リコは納得したように頷く。
「じゃ、リサさんにお願いがあるのだけど」
「うん?」
アヤネは何となく把握した。
(私の為に?)
ホブゴブリンを倒せなかったので、リサに出してもらえるか交渉をしようとしていた。
「ダンジョンマスターなら、ホブゴブリンを召喚出来ますわね? ドロップアイテムの魔石を渡すので、大量に出してもらえませんか?」
「あ~、これから始まりの街に戻ろうと思ったけど…アリサ」
「なに?」
「コアの前に行くぞ。街に戻っている間、サブマスターにするから、リコさんと、アヤネの狩りの手伝いをしてくれ」
「うぅ…私もリサお姉ちゃんと、街に戻りたかったのに」
可愛く頬を膨らまして拗ねている姿に、アヤネは笑みを浮かべる。
「ごめんね、アリサちゃん」
「はぁ~、いいよ、アヤネお姉ちゃんの為だし…リコも一緒だけど」
「あら? 私と一緒だと嫌なの?」
不敵に笑うリコにアリサがプイッを顔を背ける。
「決闘の勝負、何時か借りを返してやるから!」
狂犬の如く、牙を向けそうな勢いでリコを睨んだ。
「彼女に興味があって、決闘を申し込んだのよ。勝負は私の勝ちだけど」
「アリサ、リコさんと闘ったのか?」
「そうよ。挑まれたからね。はぁ~勝つ自信があったけど」
酷く落ち込んでいる様子だった。アヤネはアリサとリコのステータスを思い出す。レベルではリコの方が高いが、アリサは膨大なMPを持つ。
「空を飛んで、砲撃を撃ち込んだのに、全く当たらないし…当てたと思ったら、幻術の偽物だし…」
「空を飛ぶ相手は厄介でしたわ。距離がありましたし、私の攻撃が届く範囲に誘い込むのに苦労しましたわ」
壮絶な戦いを思い浮かべ、アヤネは苦笑いを浮かべる。リサも呆れたように肩を落としていた。
「そろそろ、行くか?」
「そうね、案内、よろしくお願いします」
リサに連れられアヤネはリコと一緒に奥へと進む。見えてきたのは木造の小屋で、周辺は更地になっていた。右上のマップを見ると、旧ゴブリンの集落と名前が記されている。
「ここに、集落がありましたのよ。でも、今は何もありませんわね」
「大量に召喚するのに、障害物が邪魔だからな」
中に入り、コアの前でリサが操作をする。
「アリサ、サブマスターに任命したから、後、昨日と同じで、500討伐数を5万DPに変えておいた。ホブゴブリンは…1体5DPだな。好きなだけ、出すよ良い」
ギルドカードを差し込んで、コアにDPをチャージし終えると、リサが振り返る。
「リコさん、だったね?」
「ええ、何かしら?」
「…アヤネの事、よろしく頼む」
深々と頭を下げた。
「分かりましたわ。大切な仕事仲間ですもの、守り抜きますわ」
「アリサ、調子に乗って、大量に召喚するなよ。リコさんの実力なら問題ないと思うが、アヤネもいるんだし、加減しろよ」
「わ、分かってるよ~」
不機嫌そうに返事をすると、コアを操作する。
「じゃ、私は街に戻るから。クエストの更新したら戻ってくる」
「分かりましたわ」
「うん、待ってるね」
小屋を出ていく、リサを見送り、アヤネはアリサに話しかける。
「アリサちゃん、よろしくね」
「うん、リコの為じゃなく、アヤネお姉ちゃんの為に頑張る」
そう言いながらコアを操作している。
「リコ、アヤネお姉ちゃんのレベル上げの手伝い?」
「そうよ。アリサもPTに入るかしら?」
「そうね。ホブゴブリン以外も召喚出来そうだし、1体5DPだから、試しに1000体召喚してみるわ。その後は、他のゴブリンも出してみよう」
「それ、危険じゃないの?」
不安そうにアヤネが話す。
「大丈夫よ。私が守るから」
「私も手伝うよ。PT申請宜しく」
PTリーダーはリコなので、彼女の申請でアリサがメンバーに加わった。リコとアリサのステータスから負けるとは考えにくいが、アヤネは強張った笑みを浮かべる。
「じゃ、ホブゴブリン、1000体、出したから、倒すよ。後、LUKが低いから魔石はドロップしないけど、リコは出せるでしょ?」
「ええ、出せますわ」
「なら、リサお姉ちゃんの為に手伝ってもらうわ」
何を? と不思議そうにリコが首を傾げる。
「リサお姉ちゃん、ゴブリンキングの魔石が大量に欲しいらしいの。だから、残りのDPを全てゴブリンキングに使いたいわけ」
その言葉にアヤネが蒼褪めた顔をする。
「ゴブリンキングね~いいわね。一度、大量に相手をしてみたかったのよ。私のレベルも上げたいし」
「なら、決まりね。1体、1000DPだから、40体出すよ。残りのDPはホブゴブリン、1000体に変えるね」
「なら、前菜に、追加でホブゴブリン1000体入れない? 2000体ぐらい、貴女と私で余裕でしょ」
「それもそうね」
2人だけで話が進み、付いていけないアヤネは苦笑いを浮かべる。召喚が終わったと話したので、外に出ると、小屋から1m離れた先が全てホブゴブリンで埋まっていた。
「うわ~キモイ」
「ホブゴブリンだらけね」
「うぅ…大丈夫?」
キモイと言いながらアリサが背中の杖を握りしめて構える。
「取り合えず、前方の敵を一掃するね」
領域魔砲なのか、扇状に眩い閃光と共に杖の先端から砲撃が放たれ、ホブゴブリンを飲み込む。ざっと500体ぐらいは消えたと思う。アヤネのレベルが1つ上がった。
「じゃ、行くわね」
リコが短剣を両手に持つとホブゴブリンの中へと飛び込んでいく。
「アヤネお姉ちゃんは、ここにいてね。小屋から1m以内は安全エリアだから、モンスターは入って来ないよ」
アリサがインベントリからもう1本の杖を取り出す。地面に向けると魔法を放射しながら飛んでいく。右手で杖を操作しながら空中を飛び回り、地上へ砲撃を行っていた。
空を飛んで行ったアリサに驚きながら、アヤネは、自分の無力さに溜息を吐いた。リコやアリサ、それに、リサの様に強くなりたい。皆と並ぶ強さが欲しい。そう思い、アヤネは、インベントリから椅子を取り出し、座りながら2人の戦闘を眺めるのだった。
涼子の大人の体にドキドキしながら、幼児体系の綾は成長していない自分にため息を吐いた。
「貴女はそれでいいのよ」
涼子が鼻を抑えながら、やや興奮して綾の背中を洗っていた。着替えの下着もパジャマも持ってきていないのに、涼子は事前に用意をしていた。いつでも、泊まれるようにと話していた。
前から、綾を誘おうと思っていたらしく、母親から服や下着のサイズを聞き、買い揃えていた。用意周到な事に驚く。
「そろそろ時間ね?」
「はい、LINEで確認してみます」
綾は、理沙にログインできるか聞き、居場所を尋ねる。
『もう少ししたら入る。場所は、始まりの街を出た北西の場所。元ゴブリンの集落があったところ』
と返事があった。
「涼子さん?」
LINEを見せると、怪訝そうに顔をしかめる。
「だからなのね。ホブゴブリンが1体もいなくておかしいと思ったわ」
「どうゆう事ですか?」
「つまり、理沙さんが倒したという事よ。この調子だと、コアも握ってそうね」
綾は首を傾げる。
「あ~こちらで話すより、向こうで直接見た方が早いわね。それじゃ、ログインしに行くわよ」
「は、はい!」
応接室から仕事場へと向かうと、涼子と綾はカプセル状の機械へと入る。再びTDOの世界へと潜ると、
「あっ?」
「へぇ?」
ゴスロリ衣装の少女と出くわした。その少女はアリサとネームが記されており、アヤネとリコを交互に見つめ、警戒するように距離を取った。
「まさか、あのリコが来るとはね」
「あらあら、魔砲少女のアリサじゃない」
何故か2人の仲が悪い。火花を散らす様に睨み合いをしている。アヤネは介入するかどうか、慌てふためくが、
「おいアリサ、何してる?」
リサの登場で場の空気が和んだ。
「リサお姉ちゃん! やっと来たんだ」
「リサちゃん!」
リサの元へアリサが駆け寄り、アヤネも同時に駆け出す。
「お、おう…って、アヤネも傍まで来てたのか」
背の高いアヤネに抱き着かれ、リサが戸惑う顔をする。
「う? リサお姉ちゃんに抱き着くなんて…」
先に抱き着かれアリサは、アヤネを睨む。
「おいおい、そう怒るなよ。アリサも良く知ってる人だぞ」
「良く知ってるって……あっ…綾お姉ちゃん?」
「ん? そうだけよ?」
アヤネはリサから離れると、アリサをまじまじと見つめる。そして、気づく。
「もしかして、亜里沙ちゃん?」
「うん、久しぶりだね! 綾お姉ちゃん!」
無邪気に微笑むと、バフッと音がしそうな程、アヤネの胸に飛びつく。膨らんだ胸に顔を押し付ける。
「なるほど、アリサが、あの亜里沙で、リサが、あの理沙ね…」
何かを思い出す様にリコが見つめる。綾の周辺交友について、リコは調べていた。亜里沙と理沙という姉妹の存在も把握しており、亜里沙がTDOのプレイヤーだという情報も握っていた。それが、魔砲少女アリサが、本人の亜里沙だという事に驚いていた。
「そうだ、リサちゃん。友達になってほしい人がいるのだけど」
アヤネがリコを紹介する。
「アヤネの専属の編集者をしているリコです。リアル名はいずれ教えるわね」
「こちらこそ、よろしく」
アヤネの紹介でリコがフレンド登録を行った。アヤネは時間通りに来たリサに、嬉しく感じながら、何となく、鑑定眼鏡を使用した。初めて会うアリサと、今のリサを見てしまい、愕然と口を開けてしまう。
特に、別れる時よりレベルが上がっているリサのステータスに、呆けてしまった。
リサ
種族:人間
職業:ゴーレムクリエイター
LV:45
HP:690/690
MP:1330/1330
STR:95
VIT:190
AGI:170
DEX:80
INT:410
LUK:40
ステータスポイント:0【845】
共通スキル
HPアップ:LV3…+300【25】
MPアップ:LV5…+500【85】
STRアップ:LV2…+20【15】
VITアップ:LV3…+30【25】
AGIアップ:LV2…+20【15】
DEXアップ:LV2…+20【15】
INTアップ:LV3…+30【25】
LUKアップ:LV2…+20【15】
全異常耐性:LV2【15】
全属性耐性:LV2【15】
専用スキル
MPゴーレム作成:LV2【60】
HP自動回復:LV1【50】
MP自動回復:LV1【50】
共有スキル:LV3【80】
ゴーレムクリエイト:LV1【50】
魔改造強化:LV1【50】
パーツ作成:LV1【50】
ゴーレム格納庫:LV1【50】
ゴーレムBOT:LV5【150】※プレゼントスキル
スキルポイント:5【845】
称号:ゴブリンハンター【20/20】ダンジョンマスター【0/0】
隣に並ぶアリサのステータスも、流石、姉妹という程、異常に高く、見た事のない職業だった。
アリサ
種族:人間
職業:魔砲少女
LV:45
HP:1670/1670【毎分20回復】
MP:12690/12690【毎秒500回復】
STR:120【+100】
VIT:230【+400】
AGI:420
DEX:320
INT:1140【+1000】
LUK:45
ステータスポイント:0【2125】
共通スキル
HPアップ:LV4…+400【45】
MPアップ:LV4…+400【45】
STRアップ:LV2…+20【15】
VITアップ:LV3…+30【25】
AGIアップ:LV2…+20【15】
DEXアップ:LV2…+20【15】
INTアップ:LV4…+40【45】
LUKアップ:LV2…+20【15】
全異常耐性:LV2【15】
全属性耐性:LV2【15】
専用スキル
射撃魔砲:LV1【50】
領域魔砲:LV1【50】
散弾魔砲:LV1【50】
ホーミング魔砲:LV1【50】
飛行魔砲:LV5【200】
急速チャージ:LV5…毎秒500回復【200】
MPタンク:LV8…+8000【1270】※プレゼントスキル
スキルポイント:5【2125】
称号:ゴブリンハンター【100/100】ホブゴブリンハンター【100/100】王殺【500/500】獣ハンター【100/100】タワー制覇者【500/500】砲撃名手【100/100】
リサ以上のMPを持つ。流石にアヤネも驚きのあまり一瞬、意識が飛びそうになる。
「あ…聞きたのだけど。この先にあるゴブリンの集落は、どうしました?」
突然、思い出したようにリコが話す。アヤネは、ログインした時に話すと言っていた件だ。ホブゴブリンを倒しに来たのに、全く出会わない。その事に、彼女は疑問を感じていた。
「集落? あれなら私が手に入れたけど」
「リサお姉ちゃん、ダンジョンマスターになったんだよ!」
自慢げに話すアリサに、リコは納得したように頷く。
「じゃ、リサさんにお願いがあるのだけど」
「うん?」
アヤネは何となく把握した。
(私の為に?)
ホブゴブリンを倒せなかったので、リサに出してもらえるか交渉をしようとしていた。
「ダンジョンマスターなら、ホブゴブリンを召喚出来ますわね? ドロップアイテムの魔石を渡すので、大量に出してもらえませんか?」
「あ~、これから始まりの街に戻ろうと思ったけど…アリサ」
「なに?」
「コアの前に行くぞ。街に戻っている間、サブマスターにするから、リコさんと、アヤネの狩りの手伝いをしてくれ」
「うぅ…私もリサお姉ちゃんと、街に戻りたかったのに」
可愛く頬を膨らまして拗ねている姿に、アヤネは笑みを浮かべる。
「ごめんね、アリサちゃん」
「はぁ~、いいよ、アヤネお姉ちゃんの為だし…リコも一緒だけど」
「あら? 私と一緒だと嫌なの?」
不敵に笑うリコにアリサがプイッを顔を背ける。
「決闘の勝負、何時か借りを返してやるから!」
狂犬の如く、牙を向けそうな勢いでリコを睨んだ。
「彼女に興味があって、決闘を申し込んだのよ。勝負は私の勝ちだけど」
「アリサ、リコさんと闘ったのか?」
「そうよ。挑まれたからね。はぁ~勝つ自信があったけど」
酷く落ち込んでいる様子だった。アヤネはアリサとリコのステータスを思い出す。レベルではリコの方が高いが、アリサは膨大なMPを持つ。
「空を飛んで、砲撃を撃ち込んだのに、全く当たらないし…当てたと思ったら、幻術の偽物だし…」
「空を飛ぶ相手は厄介でしたわ。距離がありましたし、私の攻撃が届く範囲に誘い込むのに苦労しましたわ」
壮絶な戦いを思い浮かべ、アヤネは苦笑いを浮かべる。リサも呆れたように肩を落としていた。
「そろそろ、行くか?」
「そうね、案内、よろしくお願いします」
リサに連れられアヤネはリコと一緒に奥へと進む。見えてきたのは木造の小屋で、周辺は更地になっていた。右上のマップを見ると、旧ゴブリンの集落と名前が記されている。
「ここに、集落がありましたのよ。でも、今は何もありませんわね」
「大量に召喚するのに、障害物が邪魔だからな」
中に入り、コアの前でリサが操作をする。
「アリサ、サブマスターに任命したから、後、昨日と同じで、500討伐数を5万DPに変えておいた。ホブゴブリンは…1体5DPだな。好きなだけ、出すよ良い」
ギルドカードを差し込んで、コアにDPをチャージし終えると、リサが振り返る。
「リコさん、だったね?」
「ええ、何かしら?」
「…アヤネの事、よろしく頼む」
深々と頭を下げた。
「分かりましたわ。大切な仕事仲間ですもの、守り抜きますわ」
「アリサ、調子に乗って、大量に召喚するなよ。リコさんの実力なら問題ないと思うが、アヤネもいるんだし、加減しろよ」
「わ、分かってるよ~」
不機嫌そうに返事をすると、コアを操作する。
「じゃ、私は街に戻るから。クエストの更新したら戻ってくる」
「分かりましたわ」
「うん、待ってるね」
小屋を出ていく、リサを見送り、アヤネはアリサに話しかける。
「アリサちゃん、よろしくね」
「うん、リコの為じゃなく、アヤネお姉ちゃんの為に頑張る」
そう言いながらコアを操作している。
「リコ、アヤネお姉ちゃんのレベル上げの手伝い?」
「そうよ。アリサもPTに入るかしら?」
「そうね。ホブゴブリン以外も召喚出来そうだし、1体5DPだから、試しに1000体召喚してみるわ。その後は、他のゴブリンも出してみよう」
「それ、危険じゃないの?」
不安そうにアヤネが話す。
「大丈夫よ。私が守るから」
「私も手伝うよ。PT申請宜しく」
PTリーダーはリコなので、彼女の申請でアリサがメンバーに加わった。リコとアリサのステータスから負けるとは考えにくいが、アヤネは強張った笑みを浮かべる。
「じゃ、ホブゴブリン、1000体、出したから、倒すよ。後、LUKが低いから魔石はドロップしないけど、リコは出せるでしょ?」
「ええ、出せますわ」
「なら、リサお姉ちゃんの為に手伝ってもらうわ」
何を? と不思議そうにリコが首を傾げる。
「リサお姉ちゃん、ゴブリンキングの魔石が大量に欲しいらしいの。だから、残りのDPを全てゴブリンキングに使いたいわけ」
その言葉にアヤネが蒼褪めた顔をする。
「ゴブリンキングね~いいわね。一度、大量に相手をしてみたかったのよ。私のレベルも上げたいし」
「なら、決まりね。1体、1000DPだから、40体出すよ。残りのDPはホブゴブリン、1000体に変えるね」
「なら、前菜に、追加でホブゴブリン1000体入れない? 2000体ぐらい、貴女と私で余裕でしょ」
「それもそうね」
2人だけで話が進み、付いていけないアヤネは苦笑いを浮かべる。召喚が終わったと話したので、外に出ると、小屋から1m離れた先が全てホブゴブリンで埋まっていた。
「うわ~キモイ」
「ホブゴブリンだらけね」
「うぅ…大丈夫?」
キモイと言いながらアリサが背中の杖を握りしめて構える。
「取り合えず、前方の敵を一掃するね」
領域魔砲なのか、扇状に眩い閃光と共に杖の先端から砲撃が放たれ、ホブゴブリンを飲み込む。ざっと500体ぐらいは消えたと思う。アヤネのレベルが1つ上がった。
「じゃ、行くわね」
リコが短剣を両手に持つとホブゴブリンの中へと飛び込んでいく。
「アヤネお姉ちゃんは、ここにいてね。小屋から1m以内は安全エリアだから、モンスターは入って来ないよ」
アリサがインベントリからもう1本の杖を取り出す。地面に向けると魔法を放射しながら飛んでいく。右手で杖を操作しながら空中を飛び回り、地上へ砲撃を行っていた。
空を飛んで行ったアリサに驚きながら、アヤネは、自分の無力さに溜息を吐いた。リコやアリサ、それに、リサの様に強くなりたい。皆と並ぶ強さが欲しい。そう思い、アヤネは、インベントリから椅子を取り出し、座りながら2人の戦闘を眺めるのだった。
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探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。
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