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1章
5話 蘇生
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ベッドに横たわるのは、ドレス姿を着た青い長い髪をした愛らしい少女だった。奈々が俺と同じ18歳、マリは16歳ぐらい、そして目の前で眠る少女は14歳ぐらい。
「マスター…」
奈々が横たわる少女を涙目で見つめる。
「マリ、彼女が俺の前のマスターなのか?」
「はい、代々、ダンジョンマスターをしている一族の最後の1人です」
マリ曰く、巨大化したダンジョンは、長年の積み重ねで成り立っているらしい。この世界のダンジョンは、一族だけで管理する物と、多種多様の種族が入れ替わり管理する物の2つに分けられる。
俺の手に入れたダンジョンは、一族だけで管理したダンジョンで、何世代もマスターが入れ替わりしている。目の前で眠る少女は、最後の1人らしい。
「魔王と呼ばれていたマスターでした」
ダンジョンマスターは、自身がダンジョンマスターだと知られないように改名する。魔王と名乗る者もいれば、龍王、海王、巫女と呼ばれる者もいる。この少女は、魔王と言われて恐れられていたが、寝顔を見る限りそうは思えない。
「マスターは…魔王には向いてませんでした」
「そうなのか?」
「はい、ダンジョンの運営は、私と奈々が中心に行い、マスターは好き勝手に過ごしてました」
いいのかそれで?
と思うと理由があったらしい。
「マスターの前のマスターが勇者と闘い、倒されました。ダンジョンマスターが死ぬと、ダンジョンも消滅する。その危機を、彼女をダンジョンマスターにする事で回避しました」
俺と同じだな。
「幼い彼女をマスターにする事を心残りにしながら、彼女の父親、前々マスターはダンジョンの糧になりました」
父親を勇者に殺された少女の悲しみを考えると、辛くなる。
「幸い、勇者も深手を負い、彼女の討伐は諦めました。でも、一時的にしのいでるだけなので、奈々を含め、私たちが、マスターの保護を優先に、ダンジョンを改築しました」
その結果、世界一のダンジョンに生まれ変わったらしい。ダンジョンの運営は、当初は、奈々とマリは殆どしていたい。目の前の少女は、ダンジョンマスターの権限を発するだけの駒として、今まで生きていた。
亡くなる前は、自分からマスターの自覚を持ち、自らダンジョンの運営を行っていたと話す。
「私とマスターは友達です。初めて出会った時から、忠誠を誓った主です」
眠る少女の手を握る奈々を見つめ、俺は蘇生薬の蓋を開ける。1滴、垂らすだけで、全盛期の状態で生き返る。
うん? ならレベルが5300ぐらいの状態になるのか?
不安が過る。俺のレベルは1だ。万が一、敵対する関係になれば? そう思うと手が止まる。
「大和君?」
「……奈々、生き返った彼女は、俺と敵対すると思うか?」
「……たぶん、大丈夫だと思うよ」
自信なさげに首を傾げる。
「大丈夫ですマスター。グランドダンジョンマスターとなった事で、ダンジョン内での権限は全て、マスターにあります。逆らう事は出来ません」
「なら、もしも敵対するなら、止める事が出来るんだな」
「はい」
それを聞き安心すると、俺は1滴。蘇生薬を頬に垂らした。染み込むように消えると、微かに瞼が動く。青い瞳が見開くと、眠たそうに上半身を起こした。
「うぅう…ここは?」
「マスター! マスター!!!!!」
「へぇ?」
目覚めたばかりの少女に奈々が抱き着く。誰か分からないと困惑する少女に、俺は話しかける。
「おはよう。目覚めは…どうだ?」
「うん? 誰?」
警戒する眼差しで俺を睨む。
流石、魔王と言うべきか?
幼いのに威圧感が凄い。
「もう、マスター。ダメですよ。威圧なんてしたら」
「う? あなたは誰?」
「あっ! もう…私ですよ」
目の前でセーラー服が溶けると全裸を晒す。その肌が赤色へと変わると、スライム状態の奈々へなった。
「クーちゃん?」
「はい! クーちゃんですよ!」
「……クーちゃん!!!!!」
涙目になりながら奈々に抱き着く。抱き着かれた奈々も、少女を優しく包むように抱きしめた。
「うん、良かったな」
「はい…感動の再会です」
俺も嬉しくて涙が滲む。
「そうだ。大和君、彼女にも名前を付けて」
「お…いいのか?」
少女から離れると、奈々は俺に訴えかける。
「状況からして、貴方が新しいマスター?」
「そうだな。グランドダンジョンマスターだな」
「…ダンジョンマスターの上位種…私も慣れなかったのに…」
俺が異世界から召喚された事が影響しているのだと思う。その事を伝えると、少女も納得した。
「そう、異世界からの召喚者。それが、グランドダンジョンマスターになる条件ね」
「いや…それが条件なのか、俺も分からないぞ」
「多分、合ってるわ。何しろ、この世界の住民はダンジョンマスターの上位種には慣れないもの。私の知る限り、一族の誰1人として、慣れなかった」
「この世界で、私が最古のダンジョンコアです。今までの情報には、ダンジョンマスターの上位種になった記録は残っていません」
マリが最古のダンジョンコアだと言う事に驚きつつ、俺は少女に尋ねる。
「奈々から、君の名前を付ける様に言われた。どうする?」
「奈々…それがクーちゃんの名前ね」
「そうだよ!」
「なら、私も可愛い名前を付けてほしいわね」
青い瞳が見つめる。変な名前だと許さないと訴えかけている。
「あ…ブルー…」
「ギロッ」
「いや…サファイア…」
「ギロギロッ…」
「……リーシャ」
「そう…リーシャね。いい名前だわ」
瞳と、髪の毛の色から連想する名前を言ったら凄く睨まれた。でも、リーシャは気に入ったようで、満足した様子だ。早速、配下のリストにリーシャの名前が記載される。彼女のステータスは…予想以上に、化け物だった。
【氏名】リーシャ
【種族】魔神
蘇生薬によみがえった魔王が、イレギュラーな存在に名付けられ、魔神へと進化した。ダンジョンマスターの能力は失ったが、当時のステータスは引き継いでいる。最強の存在となった。常識外の魔力を保有し、魔法を得意。イレギュラーと関り、この世界の理の枠を超えた存在となった。
【レベル】5300
【ユニークスキル】
魔神化 レベル1
普段は、少女の姿をしているが、魔神化をすると、大人の女性の姿になる。自身のレベルが2倍になり、ステータスが上昇する。レベル×1時間の変身となる。
魔力暴走 レベル1
あらゆる魔法を暴走させて威力を上げる。暴走状態の魔法は、制御が利かず、凄く危険。レベル×1時間、魔法の効果が継続する。
【スキル】
言語理解 アイテムボックス 鑑定 炎魔法 水魔法 雷魔法 風魔法 地魔法 光魔法 闇魔法 空間魔法 重力魔法 奴隷魔法 召喚魔法 強化魔法 弱体化魔法 多重発動 超魔力回復 超再生 無詠唱 魔眼 状態異常無効 料理 家事 魔力感知 気配感知 殺気感知 威圧 殺気
【称号】
蘇生者 魔王少女 イレギュラー魔神 大和の配下 料理人 マジックマスター 大魔導士
蘇生薬の効果、状態異常無効のスキルも付いており、魔法の種類も豊富。明らかに魔法に特化したステータスだった。
魔神を配下にするって、変な感じだな。
苦笑いを抱きつつ、奈々とリーシャを見つめる。マリも話に加わり、いい雰囲気なっていた。俺は暫く、傍の椅子に座り、彼女たちを見守る事にした。
「マスター…」
奈々が横たわる少女を涙目で見つめる。
「マリ、彼女が俺の前のマスターなのか?」
「はい、代々、ダンジョンマスターをしている一族の最後の1人です」
マリ曰く、巨大化したダンジョンは、長年の積み重ねで成り立っているらしい。この世界のダンジョンは、一族だけで管理する物と、多種多様の種族が入れ替わり管理する物の2つに分けられる。
俺の手に入れたダンジョンは、一族だけで管理したダンジョンで、何世代もマスターが入れ替わりしている。目の前で眠る少女は、最後の1人らしい。
「魔王と呼ばれていたマスターでした」
ダンジョンマスターは、自身がダンジョンマスターだと知られないように改名する。魔王と名乗る者もいれば、龍王、海王、巫女と呼ばれる者もいる。この少女は、魔王と言われて恐れられていたが、寝顔を見る限りそうは思えない。
「マスターは…魔王には向いてませんでした」
「そうなのか?」
「はい、ダンジョンの運営は、私と奈々が中心に行い、マスターは好き勝手に過ごしてました」
いいのかそれで?
と思うと理由があったらしい。
「マスターの前のマスターが勇者と闘い、倒されました。ダンジョンマスターが死ぬと、ダンジョンも消滅する。その危機を、彼女をダンジョンマスターにする事で回避しました」
俺と同じだな。
「幼い彼女をマスターにする事を心残りにしながら、彼女の父親、前々マスターはダンジョンの糧になりました」
父親を勇者に殺された少女の悲しみを考えると、辛くなる。
「幸い、勇者も深手を負い、彼女の討伐は諦めました。でも、一時的にしのいでるだけなので、奈々を含め、私たちが、マスターの保護を優先に、ダンジョンを改築しました」
その結果、世界一のダンジョンに生まれ変わったらしい。ダンジョンの運営は、当初は、奈々とマリは殆どしていたい。目の前の少女は、ダンジョンマスターの権限を発するだけの駒として、今まで生きていた。
亡くなる前は、自分からマスターの自覚を持ち、自らダンジョンの運営を行っていたと話す。
「私とマスターは友達です。初めて出会った時から、忠誠を誓った主です」
眠る少女の手を握る奈々を見つめ、俺は蘇生薬の蓋を開ける。1滴、垂らすだけで、全盛期の状態で生き返る。
うん? ならレベルが5300ぐらいの状態になるのか?
不安が過る。俺のレベルは1だ。万が一、敵対する関係になれば? そう思うと手が止まる。
「大和君?」
「……奈々、生き返った彼女は、俺と敵対すると思うか?」
「……たぶん、大丈夫だと思うよ」
自信なさげに首を傾げる。
「大丈夫ですマスター。グランドダンジョンマスターとなった事で、ダンジョン内での権限は全て、マスターにあります。逆らう事は出来ません」
「なら、もしも敵対するなら、止める事が出来るんだな」
「はい」
それを聞き安心すると、俺は1滴。蘇生薬を頬に垂らした。染み込むように消えると、微かに瞼が動く。青い瞳が見開くと、眠たそうに上半身を起こした。
「うぅう…ここは?」
「マスター! マスター!!!!!」
「へぇ?」
目覚めたばかりの少女に奈々が抱き着く。誰か分からないと困惑する少女に、俺は話しかける。
「おはよう。目覚めは…どうだ?」
「うん? 誰?」
警戒する眼差しで俺を睨む。
流石、魔王と言うべきか?
幼いのに威圧感が凄い。
「もう、マスター。ダメですよ。威圧なんてしたら」
「う? あなたは誰?」
「あっ! もう…私ですよ」
目の前でセーラー服が溶けると全裸を晒す。その肌が赤色へと変わると、スライム状態の奈々へなった。
「クーちゃん?」
「はい! クーちゃんですよ!」
「……クーちゃん!!!!!」
涙目になりながら奈々に抱き着く。抱き着かれた奈々も、少女を優しく包むように抱きしめた。
「うん、良かったな」
「はい…感動の再会です」
俺も嬉しくて涙が滲む。
「そうだ。大和君、彼女にも名前を付けて」
「お…いいのか?」
少女から離れると、奈々は俺に訴えかける。
「状況からして、貴方が新しいマスター?」
「そうだな。グランドダンジョンマスターだな」
「…ダンジョンマスターの上位種…私も慣れなかったのに…」
俺が異世界から召喚された事が影響しているのだと思う。その事を伝えると、少女も納得した。
「そう、異世界からの召喚者。それが、グランドダンジョンマスターになる条件ね」
「いや…それが条件なのか、俺も分からないぞ」
「多分、合ってるわ。何しろ、この世界の住民はダンジョンマスターの上位種には慣れないもの。私の知る限り、一族の誰1人として、慣れなかった」
「この世界で、私が最古のダンジョンコアです。今までの情報には、ダンジョンマスターの上位種になった記録は残っていません」
マリが最古のダンジョンコアだと言う事に驚きつつ、俺は少女に尋ねる。
「奈々から、君の名前を付ける様に言われた。どうする?」
「奈々…それがクーちゃんの名前ね」
「そうだよ!」
「なら、私も可愛い名前を付けてほしいわね」
青い瞳が見つめる。変な名前だと許さないと訴えかけている。
「あ…ブルー…」
「ギロッ」
「いや…サファイア…」
「ギロギロッ…」
「……リーシャ」
「そう…リーシャね。いい名前だわ」
瞳と、髪の毛の色から連想する名前を言ったら凄く睨まれた。でも、リーシャは気に入ったようで、満足した様子だ。早速、配下のリストにリーシャの名前が記載される。彼女のステータスは…予想以上に、化け物だった。
【氏名】リーシャ
【種族】魔神
蘇生薬によみがえった魔王が、イレギュラーな存在に名付けられ、魔神へと進化した。ダンジョンマスターの能力は失ったが、当時のステータスは引き継いでいる。最強の存在となった。常識外の魔力を保有し、魔法を得意。イレギュラーと関り、この世界の理の枠を超えた存在となった。
【レベル】5300
【ユニークスキル】
魔神化 レベル1
普段は、少女の姿をしているが、魔神化をすると、大人の女性の姿になる。自身のレベルが2倍になり、ステータスが上昇する。レベル×1時間の変身となる。
魔力暴走 レベル1
あらゆる魔法を暴走させて威力を上げる。暴走状態の魔法は、制御が利かず、凄く危険。レベル×1時間、魔法の効果が継続する。
【スキル】
言語理解 アイテムボックス 鑑定 炎魔法 水魔法 雷魔法 風魔法 地魔法 光魔法 闇魔法 空間魔法 重力魔法 奴隷魔法 召喚魔法 強化魔法 弱体化魔法 多重発動 超魔力回復 超再生 無詠唱 魔眼 状態異常無効 料理 家事 魔力感知 気配感知 殺気感知 威圧 殺気
【称号】
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